第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 5】

5番:ガイド兼タクシー運転手の奮戦記 

山田 錦(当時のハンドル名)は、通訳ガイドになってからも、一時期、タクシー運転手を京都市内で兼業していたころがありました。そのころの日記です.
   【過去日記紹介日:2021年6月19日(土)】
 
 
 
2010年  6月2日(水)


カムイ: 殺気だ。


   手裏剣が、カムイに飛んでくる。
   カムイ、のけぞって、これをかわす。


男  : ふむ、さすがは、カムイだ。
     だが、今度は、うぬの最後だ。
     ゆくぞ、カムイ。


    カキーン。   

    ・・・・・・・・

    ドサーッ。


カムイ: 変移抜刀霞切り・・・。


     ヒュー、ヒュー、風の音・



おい、ゴタ君、早く、きょうの日記を書こうよ。
あの『カムイ』のDVDは、
この次、お金が出来たら、買えばいいからさ。




6月2日(水)

 
 
 
 

午前9時00分。 
きょうは、アバンティ地下三階に、毎度おなじみ、
不気味タクシー軍団は、集結。

そして、われら21台組が、
また、岐阜からの、25台組が、
名古屋からの、それぞれの小学校の修学旅行の、
おぼっちゃまと、お嬢ちゃまをお迎えです。

運転手46名は、近鉄電車で、やってくる学童たちを、
地下一階、アバンティ
ピロティ広場で、お出迎え。


21台組は、全車中型で六人乗りタクシー。
しかし、
よくも、この六人乗りタクシーを21台集めたものだ。
さすがは、タクシー会社だ、などと、感服。


読者のみなさん、
このごろのタクシーは、
中型タクシーでも、定員5名が、標準です。
昔の車は、前席が、ベンチシートだったので、
定員6名でしたが、近頃では、めっきり、減りました。


ゴタのお客様は、男子児童3名、女子児童2名。

「おはようございます。」


「おはようございます。
 ドライバーのゴタです。よろしく。」


計画一覧には、

三十三間堂清水寺~二条城~金閣寺大徳寺

となっています。


「はーい、じゃあ、みなさん、
 計画に沿って、進めましょうね。」


まず、三十三間堂です。


「先生、あの、・・」


「先生じゃないよ。ゴタだよ。」


「じゃあ、ゴタ君でいいですか?」


「いいよ。ゴタ君で。」


「えっ?、ホントにいいんですか?
ゴタさんじゃなくて。」


「いいよぉ。 ゴタ君だよ。」


「じゃあ、どうして、
三十三間堂って、呼ぶのですか?」


「柱と柱の間が、33あるからだよ。
行ったら、数えてみる?」


でも、お堂に入ったときには、
すっかり、数えることを忘れていました。


「あっ、あの観音様、わたしに似てる-。」


「えーっ。じゃあ、君は、観音様なんだ。」


きょうと、明日は、京都では、
修学旅行生を迎えるピークです。
観光タクシーは、どこの会社も、総出です。
それでも、発注の問い合わせが来ます。
事務方は、断りの対応に追われています。


清水寺では、市営駐車場が、満車です。
予め、指示を受けていた、
茶碗坂の駐車場に向かいます。

ただ、ここからは、
心臓破りの急階段を登り詰めることになります。
子どもたちは、駆け上がってゆきます。
ゴタじいさんは、だめだ。
息を切らせて、ベロベロバー。


仁王門をバックに、写真を撮ります。

 「はーい、チーズ。」 カシャ。

下の音羽の滝は、きょうも、人がいっぱい。


 「あのー、君たちー。
 あの水は、もう飲んだことにしようよ。」


 「それがいい。早く、
 おみやげを買いにいきたい!」 

と誰か。

舞台の掛け造りの説明をしたが、
だあれも、聴いていないので、やめた。
この子たちは、

  「おみやげ」

のことしか、もう頭にはないからだ。

おみやげは、やっぱり、生八つ橋です。
おみやげの定番ですね。
京都には、約28社の八つ橋本舗があります。
清水寺には、その多くが、出店しています。


「都八つ橋」「井筒八つ橋」

「おたべ本舗」「聖護院八つ橋」etc.


「ゴタくーん。
お昼ごはんは、どこで食べるの?」


「ファミレス行かない?」


「さんせー!」と、全員。


五条坂を下りて、そのまま、
まっすぐ1キロ進むと、左に、

「さと」。

いわずと知れた、

「日替わり定食」(590円)〔税込み619円)

クリームコロッケは、みなさん、はじめて食するとか。

「うまーい。」3名の支持を得る。

1名は、

「うちで、作ったやつの方が、おいしいよ。」


(そら、知らんけどな。レ
 ストランより、おいしいって、あんたとこ、食堂?)


【二条城】

全員、興味なさそうです。
パッパカ、パッパカ進みます。
がらんどうの部屋がお気に召さないようです。

部屋には、せめて、キティちゃん人形ぐらい、
飾っておいてほしいです。
無理な注文ですかね。
お子たちのために。


金閣寺

ここでは、学校から、児童に課題が与えられています。

国際交流、と書いてあります。  
外国人と、英語で、会話をすること、だそうです。


あー、でも、そんなに、外国人は、いないよ。


 「じゃあ、ゴタおじさんが、
  君たちの外国人になってあげるよ。」


 「だめだめ、日本人同士では、
  国際交流にならないよ。」


 「君たち、ゴタは、ロンドンで生まれ、
  ロンドンで育ったのだから、
        イギリス人なんだよ?」


 「えー? ウソー!」


 「そのとおり! うそです。」


  【大徳寺

塔頭は、拝観料がいる、というので、入らずに、
古いお寺の雰囲気を味わうべく、歩く。
もう、みんな疲れてしまって、
お寺どころでは、ありません。                       

「はいはい、帰りましょう!」


平安神宮が、降車場所。午後4時。無事終了。


山田 錦(ゴタ)