第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 7】

2010年 8月19日(木)


 【午前9時、京都駅】


烏丸口中央に、お迎え・・・・・・と、
いうことに、なっていたのに、いらっしゃいませーん。

何で-? 

と、思ったが、待つしかない。
とりあえず、電話を入れた。

そしたら、30分、遅れますので、よろしく。
と、言っている。

仕方がありません。
ホテルも、エージェントも、
タッチしていない私のリピーターなので、
どこにも、何も、いえません。

ただ、待っているのも、脳が、ないので、
TICに行って、お客様4名分の
ティー・マップをもらってきた。

結局、45分遅れで、お見えになりました。

インドのミューニッシュさんご一家です。

「Alright now, let's get started !」
(さあ、さっそく、観光をしましょう。)

というと、

「 Oh, Mr. Yamada.
There's one thing we must do
  before that. We have not finished our meal yet.
  Do you know somewhere great
little place for that ?」
 
(ちょっと、待って下さい。
  まだ、朝ご飯を、食べていません。
  どこか、この近くで、レストランは、ありますか?)


 「 Then, the restaurant on the first floor of
   the Melpark building will do. 
   How about a morning set menu there ?」
  
(じゃあ、メルパルクの一階で、
   モーニング・セットは、いかが?)


「 Sounds good ! But, before going in,
we want our luggage kept in a car.」

(いいねえ。
   その前に、荷物を車に、置いて来ましょう。)


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さて、荷物を、車に積み終えると、


「Yamada san, Please come with us.」

(山田さん、一緒にいきましょう。)


と、言います。


ドライバーさんに、気を遣いながら、
ノコノコついて行きました。

でも、これは、ついて行く必要がありました。


遅延もあり、朝食時間も挿入になり、
日程を変更するための、
打ち合わせを、しなければ、なりません。

清水寺を、割愛すると、
いうことで、話はまとまりました。


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さあ、1時間15分遅れの、出発です。

ご夫婦と、ふたりのお子さんです。
ふたりとも、お嬢ちゃんで、
ひとりは、小学校一年生。
もうひとりは、まだ、学校じゃ、ありません。

チャーターしたセダンは、
ヤサカタクシーのハンドル・コラムの6人乗り。
ご一家は、全員うしろの座席に、
山田が、前席に座りました。


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京都観光は、定番の【金閣寺】から、はじまりです。

ドライバーさん、私たちの知らない抜け道を、
スススっと縫って行ったので、
あっという間に、金閣寺に到着です。

そんなわけで、説明するひまなく、
金閣寺の山門に、たどり着きました。


「Kinkakuji is a temple that was registered
 as a world cultural heritage in 1994.」
金閣寺は、1994年に、
 世界文化遺産に、登録されました。)


山門を、入ると、左手に、鐘楼が、あります。


「One strike costs ¥200 yen.
  Would you like to try that ? 」
(ひと突き、200円ですけど、やってみますか?)


「No, thank you.」
(いらん。)


あっけなく、断られました。


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きょうの、入場料は、お客様負担の契約です。

「Please buy your tickets at the booth.」
(ここで、チケットを、お求め下さい。)


チケットを手にされたお客様、大喜びです。

「This makes a great little charm for the ticket.」

 ※この山田錦の日記では、実際に発話された発話文を
  正しく覚えていません。あしからず。
  英文に、あやまりが、あるかも知れません。

 ※(これは、いいな。お守りになるよ。)


「That's when Kyoto municipal government
 suggested to raise up a temple admission tax,
 the temple refused it saying that people visit it
 not on sightseeing but on religious purpose.
And then the ticket was
changed into this talisman sticker.」

京都市が、古都税を取る、と言ったとき、
寺は、反対しました。
みなさん方、観光ではなく、宗教行為で、
来られるのだと言って、そのためか、
拝観切符ではなく、お供養料の護符になりました。)



金閣寺が、見えました。

「Beautiful.」

 「Wonderful.」 

「Oh.」


お客様、感嘆詞をつぎつぎ、発せられます。
暑さを忘れる、唯一のひととき。


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金閣寺に、来る度に、

「しまった。調べるのを、忘れていた」

と、思うことがあります。

それは、夕佳亭に、たどり着いたとき。

「あの、床の間をご覧下さい」
(Look at the alcove ! )

そのあとが、続かない。

なぜか。

それは、南天の床柱を説明したいのだが、

恥ずかしながら、

南天」(ナンテン

を、英語で、言えない。

ガイドとしては、少々ナンテン(「難点)です。 

英語で、一体、ナンテーンだろう? 
 今、和英で、調べたところ、ナンテンは、

「nandina」

もしくは、

「a heavenly bamboo」

なのだそうです。

天国の竹とは、面白いですね。


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お不動さんの境内で、香料のお供えをなさいます。
敬虔な、お客様で、道祖神を見るたび、合掌なさいます。

「ナマステー」という、
 英語のハローに当たるインド語
ヒンディー語)は、やはり、相手に対し、
合掌しながら、いうのだそうです。


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竜安寺にて

境内に入ると、左手に、鏡容池(きょうようち)。
ヒルが、小島の上で、休んでいます。


「Do you know mandarin ducks?」
オシドリって鳥をご存じですか?)


「Oh, we have a lot of mandarin ducks in India.」
(何、インドには、オシドリは、たくさんいますよ。)


インドのデリーから、はるばるお越しです。


(あんな、暑いところに、
 オシドリが、ほんとに、いるのかな?)


と、思っているところに、

「India extends far long from north to south.」
(インドだって、
 北国もあれば、南国もありますよ。)


まあ、いずれにせよ、
今は、季節はずれで、オシドリの姿はありません。


「Mandarin ducks are migratory birds that
move between Japan and Asian continent. 
And this is out of season now.」

(オシドリは、渡り鳥なので、今は、いないのです。)


私が、migratory という言葉を使ったので、
ミューニッシュさんは、子供たちに、やさしい言葉で、
解説していました。すみませんです。
私には、やさしい表現のほうが、難しいのです。


⏁⏁⏁  ヾ(@^▽^@)ノ


午後、食事を兼ねて、おみやげを買います。
熊野にある、

  「京都ハンディ・クラフト・センター」

に行きます。

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楽しみのお食事は、午後2時を過ぎていたため、
終了していました。
ここの、ランチ・バイキングが、
午後2時までだそうです。


滑り込み。 アウトーッ!


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熊野神社の南向かいにある、

「スパイシー・カレー」

の店まで、バック。

(日本に来て、カレーを食べるのか)

と、一瞬思いかけたが、私の、
旅程管理ミスで、
生じた臨時のカレーショップだった。

反省!


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午後3時。再度、
京都ハンディ・クラフト・センターへ。



陶磁器売り場で、ご夫婦は、全然、動きません。

(いい陶器が、見つかったんだ。)

そう、思いました。

でも、可哀想なのは、子供たち。

退屈で、退屈で、ゴソゴソし始めました。

山田。階段あそびを、しようと提案。

ジャンケンゲームです。

グー、で勝つと、グリコ(3歩)。パンダ
チョキで勝つと、チヨコレイト(6歩)、チョコレート
パーで勝つと、パイナツプル(6歩)、チーズ
階段を上がれます。

チョキのことを、シザスとか、
パーをペイパーとか、言っていましたので、
ジャンケンを知っていたようです。


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セダンの契約は、午後4時までです。
午後3時40分の時点で、乗り換えする旨を伝えました。

午後4時に、交代のセダン(6人乗り)が、到着。
お客様の、お荷物を、全て、積み替え。

こちら、流しタクシーですので、
メーター走行を、して頂くことになりました。

店内に戻ると、まだ、お買い物です。


ヾ(@^▽^@)ノ

何と、お店を出たのは、午後5時でした。

(すごーい。よく、まあ、飽きもせず・・・)

なんて、思ってはいけません。お客様なのだから。


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「If only we can take a little look at "maiko".」
(舞妓さんを見てみたいなぁ。)

ポツリと、おっしゃった、お客様。

「Chances are that we can come across them
at around Gion area in the evening.」
(夕方、祇園でなら、もしかしたら、見られるかも。)


「It's getting close to evening now.」
(もう、その夕方だ。)


そうして、我らが、セダンは、祇園・白川に到着。

辰巳橋で、降りた。
車は、新橋通りと、交差した、橋の上で、待機。


約10分の自由ウォーキング ・タイムです。
新橋通りの、風致地区を歩く。
路地に入り、新門前に抜ける。

ここは、骨董商の店が、軒を連ねている。
お客様たち、興味深そうに、
瀬戸物を並べたウィンドーを、眺めています。

最も、興味を引いたのは、
屋根瓦の、先に立てる、
鬼瓦を専門に、商う、お店でした。

ヾ(@^▽^@)ノ

新門前を、今度は、西へ。

ここに、京舞の、師匠、
井上八千代さんの、住居がある。
白木の、犬やらいのある家だ。


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祇園甲部に、車で、移動。

我々は、一力茶屋で、降りる。
車は、歌舞練場周辺で、待機。

石畳の小道に、お茶屋が、並ぶ。
ここは、タイムスリップした、エリアである。

舞子さんは、いませんでした。


でも、浴衣姿の、二人ずれのお嬢さん方を見つけ、
私に、


「写真、一緒に撮りたいから、たのんでくれ。」


といいます。


「オーケー。お安いご用だ。」


『すみませーん。お写真、
 一緒に撮らせて欲しいんですけど。』


『はい、いいですよ。
 それで、私たちの写真も、お願いできますか?』


『もちろん。よろこんで。』


いいところに、舞妓さんの代役がいました。


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このあと、高台寺参道に入って、
八坂の塔の辺りを散策すればいいと、
思っていたのですが、京都駅に、早めに、戻ります、
とのことで、
我らが、車は、宮川町を通って、
川端に出て、下がりました。

ここで、ドライバーさん。


 「この、鴨川は、明治時代まで、
  処刑地やったんやで。
  近藤勇も、ここで、処刑されたんや。」


と、解説を始めました。


(えっ、何?これを、通訳せよ、ということなのかな?)


突然だったもので、山田、狼狽。


だって、新撰組の説明から、しなくてはならないし。
しかも、右折する七条の交差点までに、
終わる必要があるし、大変でした。

This side of the river bank
was used as the execution site until recently.
It was not until Meiji era
that the custom was abolished.

Kondo Isami ,head of Shinsengumi
shogunate government police was one of
those who were executed here.

なけなしの知恵を絞って、新撰組のことを、
幕府警察と試訳しました。
もっとも、見廻り隊というのが、
新鮮組の他に、いましたがね。


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午後6時過ぎ、
久々の、8時間ツアーが、終了しました。

でも、ちょっと、反省しています。
それは、タクシー降車場で、お別れしたこと。

今は、タクシードライバーじゃないので、
ちゃんと、ホームまで、お見送りするべきでした。
お守りをする車が、ないのだから。

今後は、是非、そのように。と、思っています。


おしまい。

山田 錦(ゴタ)でした。