第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 22】

2012年  5月1日 (火)


      きょうは、仕事がありません。
      ないのですが、昨日のカナダのお客様は、
      明日、5月2日に、京都御所
      桂離宮の見学予定とのことです。


      念のため、宮内庁の御所見学係に電話してみた。
      そしたら、この1日と2日は、連休の谷間なので、
      平日ながら、見学申し込み者が

      殺到していて、当日の申し込みでは、
      定員オーバーで締め切られる恐れがあると
      いいます。

      仕方がないので、きょう、
      申し込みを済ませることにしました。
   
      とはいえ、肝心のお客様は、
      きょうは、先斗町の歌舞練場で、
  
       「鴨川おどり」

      をご鑑賞中です。電話が通じません。

      
      そこで、先斗町に電話。
      舞台ハネの時間を聞き、いざ、出発-。


      きょうの仕事は、無料奉仕です。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


    【2時間後、京都先斗町

     公演が一日3回もあるのを知らずにいました。
     確かに、一回目の舞台は終わっています。


     さて、お客様は、
     何回目の公演のチケットを
     お持ちだったのでしょうか?


       (うーん・・)


     うなりながら、とりあえず、もう一度、電話。

先方  :  Hello・・・・


山田  : あのー、じゃなかった・・・
      英語じゃ・・ ハロー。

   
      Is this the right number
       to Mr.Harvey Tremblay ?
      (ハービーさんでしょうか?)


先方  : Yes・・・err・・・Oh, Mr.Gota !
      Thank you for your nice guiding !
      We enjoyed very much・・・
     
      (はい、・・・えーと、ああ、ゴタさん。
       きのうは、ありがとう。
      よかったよ、すごく!)



山田  : Thank you ! Well, Mr.Harvey・・・・
      There's something I have to tell you
      about for tomorrow's visiting place.
      It's about an application for
      Imperial palace and
      Katsua Imperial villa.
      
       (ありがとうございます。えーと、ですね。
        明日の御所と桂離宮の件ですが・・)
   

先方  : Uh・・
      (はあ・・)


山田  : They say there will be a lot of
       people visiting the palace.
      So I think it is necessary for
      you to fill in the form today.
   
           (御所は大勢の人になるとのことで、
       きょう、申し込みを
       する必要があると思うのです。)


先方  : Oh, I see.
       Fortunately we have our
                    passports here.
       But could you come with us ?
  
    ( そうですか。ちょうどよかった。
                    今、パスポート持ってますよ。
       でも、一緒に行って頂けたら
                    いいんですがね。)



山田  : Yes, I was thinking that way.
                     Where may I ask you are now ?
      (こちらもそう思っていました。
        それで、今どちらに
                     いらっしゃるのでしょう?)


先方    : We are eating lunch at
                     an Italian restaurant
        along the Kiyamachi street. 
     (木屋町のイタリアンの店で食事中です。)

ナイフとフォーク
    ヾ(@^▽^@)ノ

 
     先斗町歌舞練場から、
           木屋町御池のイタリアンの店までは、
   5分歩けば到着です。
   店の名は

     「メリー・アイランド」

    イタリアの国旗が掲げられているので、
               すぐにわかりました。
    入れば、ご主人が、振り向いて、
              手を振って下さいました。


ご主人 : Thank you for yesterday, Mr. Yamada.
      Take the seat there,
                      and order whatever you like !
                 ( そこ、お座んなさい。
                     何でも好きなの注文しなさい。)


    ご夫婦は、ビールとサラダ、
              それに、ピザで、ご機嫌よく、午後の
    ひとときをご満悦です。



奥様  : Yamada san,
                       we watched the maiko dansing.
                       But we didn't understand
                      any stories in the act.
                     What do you suggest ?
      
                  (ゴタさん、踊りを見てきたのですが
                      話の筋がわかりませんでした。
      どうしたものでしょうかね?)


 
    はははは、そら、日本人の私でも、
               見ただけでは意味不明です。
    パンフレットを見せてもらいましたが、
               ストーリーの解説はありません。

  お店の方が、注文していないのに、
        スープを持ってきて下さいました。
 

店員さん : これ、たった今、注文を間違えて、
                           残ってしまったのですが、
       よろしければ、どうぞ。


山田  :  ドキドキ ありがとう。
                       じゃ、いただきます。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


   午後3時。お店の前から、タクシーを拾います。

   京都御所の拝観受付は、
           宮内庁の事務所になります。

   烏丸中立売のひとつ北の信号で、御苑に入ります。
   タクシーはここまで。

  ≪ 宮内庁の事務所 ≫


係員  :  京都御所は、申し込んでいただけますが、
       桂離宮のほうは、
       もう定員いっぱいで、受付終了です。


山田  :  そんなばかな! 
       だから、来る前に、
                         電話で確認したじゃありませんか!



係員  :  2時30分の部におひとりと、
       3時30分の部におひとり、別々でなら、
       大丈夫です。


山田  :  だめー。何とかして下さいよ。
                        わざわざ、大阪から
                        申し込みに来たというのに。
     


  係員、困ったご様子。
        数人集まって、何やら、相談。


係員  : わかりました。
                      それでは、3時30分の部で、
                      おふたり受付させていただきます。



山田  : あのー、もうひとり、私はだめですか?



係員  : だめですね。
      でも、京都御所の方は、いいですよ。



山田  : うーん、それで手を打とう。


  ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


山田  : Where is your umbrella ?  
      あれ? Mrハービー、傘は?.   


さっきのタクシーに置き忘れのようです。



山田  : Let me see your receipt.
      レシートあります?


  タクシーのレシートを見てタクシー会社に電話。
   


タクシー会社 : そうですか。今どちらですか?



山田   : これから、
                         ハンディクラフトセンターに
                         移動します。
   


   奥様、京都ハンディクラフトセンターに
  行ってみたいとおっしゃいます。
  烏丸一条から、タクシーをつかまえて、
  熊野の京都ハンディクラフトセンターへ。


 ※※※※※※※※※※※※※※


  傘の連絡が入りました。
  やはり、タクシーの中に、忘れていたとのこと。

  ただし、ここ、ハンディクラフトセンターに
  届けてもらうには、
  そのタクシーの現在地から、
  メーターを倒してくる、というのです。

  これは、違法です。
  タクシーは、乗客をのせて、
  運賃をもらう、という規定があります。
  ものを運んで、輸送料金をとるのは、
  旅客運送法では、認められません。

  まあ、そんなことを問答しても、始まらない。

  とりあえず、お断りして、いつか、
  ついでのときに、
  南区のそのタクシー会社に
  取りに行くことにしました。

  そもそも、
  1000円ほどの傘に、2000円・・・
  か、いくらかは知らないが・・・
  それ以上に高い料金を支払って
  回収する意味がありません。


  ※※※※※※※※※※※※※※

  
   このあと、奥様は、

   「骨董家具を見たい。」

   とおっしゃいます。
   岡﨑の三条神宮道を上がったところに、あります。
   歩いて行きました。

   途中、平安神宮の大きな鳥居で、立ち止まります。


山田   : This is the biggest torii with
       vermilion color in Japan.
       ( 朱塗りの鳥居では、
        日本一大きい鳥居です。)


ご主人  :  With vermilion ?
        (朱塗りって?)


山田   : There is another big torii
       in Meiji shrine in Tokyo.
       That torii is with no color.   
       
( 東京の明治神宮にも、
 大きな鳥居があるんです。
 むこうのは、色がないので。)



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    【午後5時】


ご主人  : Thank you, Gota san.
       I have to pay for the guiding.
       
     ( ありがとう。
あなたにガイド料金を支払わなくては。)



山田   : No, that's not necessary.
       (いいえ、それには及びません。)



ご主人  : Thank you. Then tomorrow.
       What time will you
       be coming tomorrow?
       
     ( ありがとう。じゃ、
あしたまた。何時に来てくれます?)



山田   : Then 8 O'clock in the morning.
       では朝8時に。



ご主人  :  Using the same taxi ?
       (昨日のタクシーなの?)



山田   : Yes,if you like it.
       (はい、よろしければ)


  三条神宮道でお別れです。
  まあ、一応明日のための営業活動をしてきました。
  おしまい。


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 山田 錦(ゴタ)