第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 56】

2013年4月14日 (日)


  【京都ロイヤル&スパーホテル、午前9時】


 きょうのお客様は、4名様。
 アモスさん、リリアンさん、
 ギドンさん、クロエさん。

 母語は英語ではないのですが、
 薄学ゴタのやまかんでは、
 みなさま、

  イスラエル

 の方のようでございます。

 みなさま、敬虔な宗教を
 お持ちのようでございまして、
 どこの神社でも、仏閣でも、
 合掌はなさいません。


 ご担当いただいたコンシェルジュさんが、
 きょうは、午後2時のご出勤
 につき、携帯に入った、
 お客様のお名前だけをたよりに、
 ロビーで、待つこと
 となりました。


ギドン
さん : Ah,Uh,err,
     Are you Mr. Yamadaa, the tour guide ?
    あのー、もしかして、
    山田はんですかいの?


山田 :Yes. And you are・・・・
    はい、そうですけど・・・


ギドン: Gideon. 
さん   ギドンです。



 ギドンさんと、握手を交わします。
 ツアーは、4人。
 そうこうするうち、他の3人もやってきた。

 山田、地図を広げて、
    きょう行くコースの説明を始めます。



山田 : At first we go to
             the Kinkakuji temple・・・・
    まず、金閣寺に行って・・・

    by using a taxi・・
    タクシーを使えば・・・・


ギドン
さん : Does that mean we are using
               two taxi cabs ?
      Too expensive !
     それじゃあ、タクシーを2台使うのかい? 
     そりゃ予算オーバーだよ


山田 : I 'll call one taxi for 6 people.
     6人乗りタクシーを呼びます。


ギドン
さん  :  Do you ?
       あるの?


山田 : Yes. We have the taxi for
                6 people here in Kyoto.
     はいな。京都には、
                6人乗りタクシーがありまっせ。       


    ヾ(@°▽°@)ノ

    
   電話をして、5分で、タクシーがやって来た。
   さすが、ヤサカタクシーだ。早い。

   いつぞや、山田の先輩ガイドはんが、
   苦言を呈していたことだけど、
   ほんとうは、
   こういう乗り方をしてはいけないのだそうです。

   つまり、案内するお客様が、4人以上の場合は、
   必ず、ジャンボタクシー、
   もしくは、アルファードなどの、
   7~8人乗りを呼ばなくてはならない・・・
   のだそうです。

   でも、そういう理想論はこの際、どうでもいい。
   より安く、より早く、を願えば、これでしょ?

   窮屈ながらも、中型セダンに、5人、
      すし詰めで、乗車。

    「レッツ ゴ~~車


     【金閣寺

山田  : Please buy your respective
        ticket here at the booth.
      このキップ売り場で入場券を買って下さい。


    よく見ずに、案内したものだから、
    団体入場券窓口に案内してしまった。

    まあ、すいていれば、
         それで、問題はないのだが・・・・

    得てして、こういうときに、
    うしろに、バスガイドさんが並ぶ。

    卑怯な人間はどうするか。
    知らん振りして、口笛を吹く。


    「おいらは、石原裕次郎だ。」


   無事、みなさん、入場券をご購入。


    「ほな、行きましょう。」

    
   鏡湖地の向こうに、金閣が輝いています。
   いつから輝いているのか?
   そう聞かれれば、
  1996年から輝いていると
       答えなければならない。
     

  それはどうしてであるか。
  その年に改修工事が行われたからだ。

  では、
      それ以前の金閣は、どうであったのか?

  別にどうってことはないが、
  今よりは、うんと、くすんでいた。

  檀家をもたない金閣寺は、
  全国からの寄付金などで、ようやく
  集めた、740000000円で・・・・
  7億4千万やで・・・工事を決行した。

     
ギドンさん : Yamada san, Aren't we
                      going into that building ?
        山田さん、あの建物には
        我々行かないの?


山田   : Looking at it from here
       would be enough I believe.
       ここから見るので、
       じゅうぶんでしょ?



    本堂見学は別料金。
    まあ、襖絵は見る価値はありますけど、
    きょうは、美術鑑賞ツアーではないので、
    パスしましょう。

 
     【二条城へ】

   同じく、移動はタクシー。ギドンさんの条件は、

     「6人乗りタクシーが
      なければ、バスだぞ。」


     「わっかりましたっ。」


   6人乗りタクシーはすぐ見つかりました。

   なぜ、すぐに見つかるのであるか?
   それは、京都は、
   修学旅行の学生さんが
   タクシーにグループで乗るので、
   6人乗りは、多いのだ。


    【教訓】 ヤサカの中型を見れば、
                          6人乗りと思え。


  二条城は、1603年築城となっているが、
  天守などのかたちが整ったのは、1627年。
  後水尾天皇を招いたときは、
  その御用邸を、造営した。


後水尾天皇 : これこれ、その庭石を、
        余に見えるよう配置せよ。
        そうそう、そうじゃ。


小堀遠州  : こちらの石はどうしましょう?


後水尾天皇 : ほう、それはの。むこうじゃ。
                     みっつそろうであろ。
       それを釈迦三尊像と名付けよ。



   と、言ったかどうかは、わからないが、
         枯滝石組の近くにある石は
   そう呼ばれている。   


    【京都ハンディクラフトセンター】

ギドンさん: Yamada san That's not what I thought.
                    I said the arts and crafts like pottery
                    Kiyomizu Pottery.
         
                   山田さん、わしゃ、こんな工芸品のこと、
                   ゆうとったんと違うのや。
       もっと、ほら、清水焼きとかの・・


山田  : I'm sorry, Mr. Gideon Weinstein.
                  Then let's go to a shop very famous for its
                  ceramics tomorrow.
                 すんませんなあ。そしたら、
                 明日は、陶磁器で有名な
      お店にご案内しますので。


    【哲学の道

   クラフトセンターから、鹿ヶ谷の東山麓に沿う、
         哲学の小径へは、歩いて行きました。
    

            ヾ(@°▽°@)ノ

山田 :This is the Philosophers' path.
    Okay walk along the path
    and be a good philosopher.
    ここが哲学の小径でっせ。
    ほな、よろしいか。
    哲学者になりなはれ。歩きまっせ。


   まだ、ちらほら、桜が残っています。
   葉桜ばかりが残る哲学の道

   途中、陶器を売るお店があったので、立ち寄り。
   作品は、すべて、
   長野県からの取り寄せだとか。
   陶器作家が長野の人
   なのだそうです。

       
     【銀閣寺】

   先に、金閣寺を見てしまっては、
   もはや、銀閣寺には、出番はない。
   先に、お好み焼きを食べてしまっては、
   あとから、たこやきが出ても、
   ありがたみがわかないのである。


     【教訓】 順番を守れ。


   このあと、ウォーキングツアーは、
   錦市場のウォークだったのですが、
   女性おふたりが、お疲れになった、
   とのことで、終了となりました。

   銀閣寺から、6人乗りタクシーを探して、
   乗り込み、ホテルに帰着。

   6時間で、打ち切りとなったのであります。
   報酬は、契約分をくれるというので、
   8時間分いただきました。

   ウォーキングツアーは、
   人それぞれの体力、当日の体調など、いろいろ
   な条件で、
   どこまで歩くかを考える必要があります。

   哲学の小径を40分歩いて来たら、
   銀閣寺に入る前に、どこかで、お茶休憩
   を入れたほうが、よかったかも知れません。

    
  山田 錦