第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 55】

2013年4月12日(金)


   【ニューオータニ、午前10時】


 午前10時。おふたりが降りて来られました。

 きょうは、最終日です。
 淡々と日程をこなしていきます。

 きょうの予定は、池田のラーメン記念館。


  阪神高速池田線を走ります。
  大阪空港を過ぎて、池田方面へ。
  阪急池田駅のほど近く、
  インスタントラーメン記念館はあります。


  が、その前に、
  エンディさんの大好きな
  釣り具屋さんがあったので、
  お立ち寄り。

  きょうは、最終日。お
  好きなだけ時間をかけて、どうぞ。

  と、思っていたら、またもや、
  リールをたくさん、お買い上げ。
  支払い総額60万円なり。

   ヾ(@°▽°@)ノ

   おったまげたゴタぴょん。
 
  エンディさんは、幸せだなあと思う。
  日本で、旦那が釣り具に、60万円かけたら、
  離婚問題やけどな。

    ヾ(@^▽^@)ノ
  
  エンディさん、お買い物終了。
  
  トレーシーさん、また、 

    「おなかすいちゃった。」


 近くの食事場所は、セルフのうどん屋


  「金比羅うどん」。


   ヾ(@^▽^@)ノ

  店内に入ると、まず、店員さんが
  麺の注文を聞いて来ます。

  このとき、太麺か、
  細麺かの希望をいうことになっています。

  が、

  先に注文を聞かれたトレーシーさん、
  どう返事すればいいのか、お困りの呈。



山田  : You have a choice,
      Tracy san between thick
       noodle and slim one.
     
      太麺と細麺選べますねん。


トレー
シーさん: I like my noodle slim.
      細麺よ。


   さらに、眼前に、トッピング用に、
   いろいろな天ぷらが並んでいます。


トレー
シーさん : What's this ?
      これ、何なの?


   ちくわの天ぷらである。


山田   : It's a stick of fish sausage.
       さかなのソーセージですわ。


  トレーシーさん、ちくわの天ぷらをみっつ、
  海老天もみっつ、お皿に盛って、
  レジを済ませます。


  会計が済むと、出汁は、
  セルフサービスで入れます。
     
  エンディさんも、無事、
  ご自分で、出汁を注ぎ終え、
  テーブルへ。
   
   全員、着席~。

  
  ズルズルズル・・・と音を立てて食べます。
  東洋人の特権であります。
  アメリカ人もイギリス人も、
  こんな行儀の悪い食べ方しはりませんで~。


     ヾ(@^▽^@)ノ


  お向かいに、シャノワールがありました。

  と言っても、シャンソンを歌う場所ではありません。
  ここは、洋菓子店で、店内喫茶があります。

  ここで、食後のコーヒーです。

  コーヒー、1パイ400円。 

  ケーキセットが600円。

  よって、ケーキセットを注文。


   C'etait bon.
   うまかったぜ。


    ヾ(@^▽^@)ノ   

  さて、じゃ行きましょう。

  え?どこへ?

  インスタントラーメン記念館へ。

  ああ、そうでした。ケーキ食べたから、
  もう終わったと思うた。


  【インスタントラーメン】

  戦後、食糧難を目の当たりにした安藤百福が、
  食品開発の必要性を実感し、
  作り上げたというインスタントラーメン。
  それが、ご存じチキンラーメン

  このチキンラーメン
  1958年(昭和33年)に
  開発した安藤百福の業績を記念して、
  1999年(平成11年)、
  ゆかりある大阪府池田市に建てられた施設。

  管理・運営は
  日清食品関連団体の
 (公財)安藤スポーツ・食文化振興財団。



   ラーメン
 

  我らが、エンディさんとトレーシーさん、
  カップのデザインを描き入れます。

  カップができたら、
  好きな具材をトッピングしてもらいます。

  ただし、1つのカップラーメンに、
  ひとり、4種類の具材までしか選べません。

  2階は工場です。

  工場と言っても、
  みなさんが作る
  インスタントラーメンの工場です。

  はじめに、300円を
  支払っておけば、ここで、制作実習ができます。

  おふたりとも、
  デザインのセンスは、なかなかのもの。
  日清専属デザイナーになれまっせ。


   (=⌒▽⌒=)  

  エンディさんの頭の中は、
  山田の想像では、ラーメンのことは、
  全く考えていなかったような気がします。

  頭のなかは、今しがた買った、
  60万円の釣り道具のことばかり
  だったかも知れない。


  大阪へ、引き返します。


エンデ
ィさん : Would you please go back
      directly to the hotel.
      このままホテルに戻って下さいな。



山田  : Certainly.
      わかりました。



    【ホテル】



  ここで、エンディさんを降ろして、ツアー続行。



トレー
シーさん  : Please take me to the Hilton.
        ヒルトンホテルに行ってほしいの。



山田    : Yes, Ms.Tracy Lim. Let's go.     
        はい、奥様、行きますよ。


         ヾ(@^▽^@)ノ

    大阪梅田1丁目8番。
    聳えまするは、ヒルトンホテル。

    北に大阪駅を臨み、
    南にマルビル、東は阪神
    ここは、大阪のど真ん中。


トレー
シーさん : Can I stop over at the Daimaru ?
       大丸に寄ってもいいかしら?



山田   : As you'd like to.
       どうぞ。


松原さん : 山田はん、車は、グランヴィアホテルの
       車寄せに お着けして、大丈夫でしょうか?



山田   : なるほど。それがいいね。
       そのまま、すまして、
      ホテル客然として、入って
       行って、カゴ抜けして、
       大丸に行けばいいんだもの。      



    【グランヴィア大阪、車寄せ玄関】


    それは漆黒のハイヤーだった。
    東洋人風の女が降りて来た。

    助手席から
    足の短い中年男が出て来て、
    女を手招きし、ホテルへと、入っていった。

    何?何ゆうてんねん。

    山田とトレーシーはんが、
    ホテルをカゴ抜けして、
    大丸に行ったんやで~。


    なんで、ここへ来たかというと、
    ここの9階にある、

      「東急ハンズ

    に用があるらしいのです。

      「からくり爪楊枝入れ」

    をもっと買いたくて、
    この東急ハンズに来ましたのや。

    それで、あったんか~?
    なかったで~。

    なかったのですが、

    別の面白い、爪楊枝入れがあったのです。

    重量挙げ選手が、爪楊枝を持ち上げて、
    出てくる面白い、からくりです。

    三宅選手かも。


      ヽ(゚◇゚ )ノ


    【ヒルトン・イーストウィング】

    爪楊枝入れをゲットして、いよいよ、ヒルトンへ。

    このヒルトンがまた、
    ややこしくて、
    イーストウイングと、ウエストウイングが
    あるんです。


       ヾ(@^▽^@)ノ 
     
     
    ややこしい名前やめて、

    ヒルトンと、ヨルトン

    にしておいてほしいわ。

    ヒルトンと、ヨルトンの間に~カラオケ 

    先に、トレーシーさんが、入って行きました。

    出迎える店員さんと、
    何やら、ひとこと、ふたこと。

    店員さんのお顔は、
    トレーシーさんを上から下まで見ている。

    あ、あったんだ。
    カバンがあったんだ。
    山田は、本能で、そう知りました。

ヾ(@°▽°@)ノ 


店員さん  : はい、クロコがございます。
         たった一点ですが。


トレー
シーさん  : What color is it ?
        どんな色?



店員さん   : It’s black.
黒ですわ。


   トレーシーさん: Fine.
   オッケーよ。

   またもや、別室に通されるのか?

  でも、ここは、そんなことはありません。
  お客様を監禁するような、
  失礼なことはありません。
  警備体制が、出来ているからなのでしょうね。

   ヽ(゚◇゚ )ノ


  しばらくして、店員さんは、
  バッグを持って、現れました。

 
店員さん: これが、クロコです。


  平然としたお顔です。
   ちょっと、おかしなやつだともとれる。

  なぜなら、お値段は、580万円だからだ。

  もっと、興奮した表情で、普通だと思うが、
     こういう世界では、500万、600万では
  びくつかないのか?

  ほんでまた、うちのお客さんも、お客さんで、


トレー
シーさん : Okay. I'll buy it.
       いいわ。買います。


   ホンマかいな?ようやる~。

   このおふたりのそばにいると、
   頭がおかしくなる。

   ここは、日本か?地球か?


   さて、パスポートを見せてくれろ、と店員さん。

   ないとどうなるのだ、と、エスコート役の山田。

   なければ、免税にならないから、
   5%余計にかかる、という。


    少ない山田の脳みそによる計算では、

     580万×0.05=約25万円


山田   : あわわわ・・・


トレー
シーさん : Yamada san, Please call the driver
                       to go back to the hotel and pick up
                         Endi.
                         I'll call Endi to
         bring my passport here.
         
            山田さん、ドライバーさんに電話して、
           エンディさんをホテルに迎えに行くよう言ってもらえます?
      
       私は、エンディさんに電話して、
       パスポートを持って来てもらうわ。


     (;^_^A)   

    
    ふたりは、一斉に電話を始めます。
   クコロが見つかったぞ。大変だぞ。
   580万円だぞ。

   カバンごときが580万円だぞ。
   おいらの一番上等のカバンは5800円だから1000個
   買えるぞ~。あ、この発言はおふたりに内緒ネ!


     ヽ*1ゝ 
         
  
   ふたり、同時に電話を終えます。ふ~~。

   あとは待つだけ。
          


     (  ゚ ▽ ゚ ;)        


   40分後、エンディさんが到着。
   山田、ヒルトンホテルの車寄せで出迎え。
   急ぎ、ホテル内のエルメス直営店にお通し。

   山田には、なぜ、
   このカバンが580万円の値打ちがあるのか、
   わからないが、
   目利きの人には、わかるのでしょう。

   しばらく、そのカバン(白い手袋をして)を見て、
   ご決断。


エンディさん; That'll be good.
         ええよ~。


   これで、決まり。だが、まだ余談は許されない。

   エルメスには、同一人物が、
   6ヶ月以内に、エルメスの高額商品は
   購入できない、という規定がある。

   購入者の名前を変える程度の子どもじみた手口で、
   通用するのか、どうか。


       (@ ̄Д ̄@;)
       

   数分後、エルメス本部から、連絡。
   購入OKの回答。


   購入手続きが進められます。支払いはカード。
   アメリカンエクスプレスメタル。
   免税手続きが取られました。

   次に、税関で没収されても、
   エルメスは責任を負いません、という
   そういう書類にサイン。

   たとえば、病院で、手術をうけるとき、
   失敗しても、文句は言いません、という
   書類にハンコを押すようなもの。

   山田も、こんな書類作ったら、どうだろう。

   ガイドは案内する内容に、責任をもちません。
   ハンコ押して!

   
     ( ̄□ ̄;)!!


   20分後、手続き完了。
   カバンは、これで無事、
   トレーシーさんのものとなりました。
       
   最後の難関は、出国時の税関です。
   クロコダイルは、ワシントン条約の禁止
   品目です。
   没収の憂き目にあう危険性はかなり高いのです。

   事情通によると、値札をはずし、
   普段使っているバッッグとして、持ち込めば
   ほとんど免れることができるそうですが・・・

     うまく、帰国できたのでしょうか?
   また聞いて見たいと思います。



     【ホテルへ】

山田   : Do you call it a day ?
      きょうは、もう終わりますか?

トレー
シーさん : Yes, please go back to the hotel.
       はい、そうして下さいな。



   さすがに、高級品を買った自覚があるためか、
   本日の観光はこれまで。
   ホテル、直行となりました。


   午後4時。延べ8日間の
   ツアー&アテンド業務終了です。

   世の中には、お金持ちがいる
   というのは、わかっていたが、
   これが、現代に見る富裕層の青春群像であるのか。

   報酬は、まる1日分+チップ。ありがたいです。

   最後に握手でおわかれ。
   今度は東京に来る、とおっしゃいます。
   東京のガイドをご紹介しますので。
   と言い添えて、楽しい8日間が終わりました。

  Bon voyage

  
    山田 錦(ゴタぴょん)
 

*1:◎д◎