第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 53】

2013年  4月10日 (水)


  【ニューオータニ発 午前11時】


    きょうの日程は、奈良観光です。
    山田が作成しました。

    ホテル~東大寺~奈良町(昼食)~
    法隆寺今井町~大美和神社~
    朝護孫子寺~信貴生駒ドライブウェイ(夜景)
    ~ホテル


    このうち、東大寺までは、
    確かに日程通りの運行となるはずでした。

    が、


    「鉄道の旅をしてみたいの。」


    というトレーシー夫人のリクエストで、
    とりあえず、JR天王寺駅にやってまいりました。
       
    ハイヤーは、天王寺から、
    奈良に回送してもらいます。
    そして、我々は、ここから、鉄道の旅。

    ここから、関西本線大和路線)に乗り、奈良へ。

    ハイヤーがあるにもかかわらず、なんとも、贅沢な旅。
    ハイヤーを先回りしてもらい、
    JR奈良駅で、待機させております。


    その間、我々は、王寺駅で、途中下車。
    中途半端な田舎の駅で、ぶーらぶら。

    これが、日本の普通の辺鄙な片田舎、
    王寺でございます。

    何もありません。そういう普通の町でございます。
     
     ご夫妻は、スーパーにお立ち寄り。
    西友でお買い物でございます。

    さらに、お食事なのだそうです。

    そら、よろしおすけど、
    ハイヤーは、もう、とっくに、
    JR奈良駅に到着したんだけど・・

    ご夫妻は、そんなことは、意に介さず、


     「何が何でも、お食事よ。」


    はい、ご随意に。


     「山田はん、あんさんも、ご一緒にいかが?」


     「はい、ありがとうございまんす。」

  
    食券を買うお手伝いをします。

    『かつ丼ときつねうどんのセット』 3人前  

    不思議なことだけど、
    こんなに、たくさん、召し上がるご夫婦は、
    とても、スリムなのです。
    
    うまやらしい・・・うらやましいことです。


    さて、午後も午後、もう、2時近くになって、ようやく
    JR奈良駅で、ハイヤーの松原氏と合流。



     【東大寺


    シーズンは、市営駐車場が、
    バス専用になってしまう、我々には、やや不満の
    東大寺駐車場、きょうは、難なく入れました。


    鹿がいっぱいいます。
    ご夫妻は、おおはしゃぎです。たのしそう。
    もう、お寺に行かなくてもいいんじゃないかい、
    と思うくらい、鹿と
    たわむれて、おられます。

    南大門・・・・鎌倉時代、国宝、

    寺の説明はいらないご様子。

    ならば、と説明は、パス。

    パスという言葉を使ったため、
    パスという言葉で遊ばれてしまいました。
 
    こういう場合、英語では、

     skip

    という単語を使います。
    ちょうど、我々がパスというときの言葉がこれ。


    ご主人、拝観料を山田の分も、
    買おうとなされました。
    あ、いかん、買わなくても
    いいのです。


山田  : Sorry I have my own.
      すんません。自分の分は持っていますので。


   入ると、まず眼前に大きな金堂、
   いわゆる大仏殿。ここに大仏様が鎮座。
   その手前の灯籠は、創建当時のもの。
  
   
山田  : The main hall was rebuilt during
       the 17th to the 19th century .
      大仏殿は江戸時代の再建です。


エンデ
ィさん : When the original temple was built ?
      創建はいつなの?


   創建がいつだとお聞きですか?
   この東大寺の?
   それは、どのパンフレットにも、
   はっきりとは、書かれていません。

   なぜなら、東大寺には、
   その前身となる寺があったからです。
   それも、1つじゃない。

   だから、はっきり、
   何年いついつに出来たとは、
   言えないみたいです。

   なので、開眼供養のあった752年
   という人もいれば、
   もっとも古い728年の寺の
   創建年をいう人もいる。

   間をとって、741年の
   金光明寺創建年をいう人もいる。

   山田の意見ですか?

   冷蔵庫に電気がなければ、ただの箱ですから、
   大仏のいないお寺は、ただの倉庫。
   なので、大仏開眼の752年あたりが、
   よろしいんじゃないでしょうか。


山田 : In 747 casting started
     for the big Buddha,
     with its completion in 752.
     鋳造が747年で、完成が752年でした。


   びんずるそんじゃの像の前、
   山田、真面目に、ガイドしていたんだけど・・・


山田  : Stroke the same place
      you have pain or you suffer,
      then by that hand rub
      your suffering part.
      That's the way to cure.
      体の悪い場所あったら、
                 この人形のその場所をさすりますねん。
      ほんで、その手で、
                 患部をさするとええっちゅうわけですわ。

      
よその
外国人  : Oh How can I touch the head,
                     the part I have to cure ?
                    わしゃ、頭が悪いんで、
                    さすりたいけど、届けへん。


 え? ふりかえると、エンディさんも、
   トレーシーさんもいません。

      
    「あれ、あれ? うちのお客様はどこ~?」  


 また、本堂に戻って、
   お守りを買ってはります。はいはい。どうぞ。



      【奈良町はパス】

 奈良町でお昼の予定を入れていましたが、
   おなかが空いていないということで、パス。


トレー
シーさん : Pass !


山田   : Okay !


   しばらく進むと、
   ピーナッツを売っている店を発見。

   いろいろなピーナッツを買いました。

   今、買ってきたピーナッツチョコを食べながら、
        これを書いています。

    

     【今井町

高速で、橿原へやってきました。
大和三山がみえる高速高架道路。
めざす今井町は、近鉄八木駅

資料館で、今井町
散策マップをもらってきました。


山田 : Let's take a walk.
     行きまっせ。


   少し歩いて、


トレーシ
ーさん  : Yamada san, this is not what
                     we imagined as an old town.
       山田さん、こんなイメージじゃなかったのよ。
       古い町並みって言ったのは!


      このとき、うっすら、
      お客様のご要望が読めてきた。
      古い町でも、新しい町でも、
   とにかく、すてきなおみやげが買える場所だ!


   そこで、奈良町に引き返すことに・・・

   で、途中、

トレーシ
ーさん : Yamada san I feel a little hungry.
       Would you kindly stop over if you
       find a great little place for meal ?
           
            山田さん、私、こばらが空いて・・・
              どこか食べるとこ見つけたら
      寄ってもらえる?


エンデ
ィさん : Oh how many stomachs do you have ?
                 We ate a while ago.
         
                おい、さっき食べたばっかりだろ?
                胃袋いくつ持っているんだ?

     
  ラーメン屋さんに立ち寄りです。
  トレーシーさん、
  豚骨ラーメンと醤油ラーメンを指差し、

ヾ(@^▽^@)ノ

トレー
シーさん : How different is this ramen from that ?
       これって、どう違うの?


山田   : The one you point at is a ramen
                   with white soup melted with pork born.
                   the other is one
                   with soy bean base soup.

                  その指指してる方が、
                  豚骨スープのラーメンで、そのとなりが、
              醤油ラーメンですわ。


トレー
シーさん : Then I will take the one
                  with pork born base soup. 
                  And you ? Gota san ?  
         
               じゃ、豚骨スープのラーメンをいただくわ。
              山田さん、何するの?


山田  :  I'm full.
                 もう入りませんよ。


    山田、ウーロン茶でお付き合い。

    その後も、みなさん、豪快に、追加注文。
    餃子*人前。
    エンディさん、餃子を別のお皿に入れて、

        「Have some more.」
        (召し上がれ)

    もう、あかんっちゅーのに。「Thank you.」


(=⌒▽⌒=)

  
   そして、このラーメン店立ち寄りのおかげで、
   奈良町に、戻る気力が喪失。

   挫折に至る、トレーシーご一行様。


山田  : We exhausted much of time
     at that ramen restaurant.
     If we go back to the Naramachi town,
     it'll be only that area that we are
     going to and around.
       How do you say ? 
     
    あのラーメン屋さんで、
    時間どっぷり浸かってたんで、
    奈良町に戻れば、もう、きょうは、
    その辺りだけで終わっちゃうよ、いい?

トレー
シーさん : Oh I want 1 day to be consisted
      of not 24 hours but 36 hours !
      ああ、一日って、短いのね。
      36時間あればいいのに。


そんなこと言ったて、仕方がない。
トレーシーさんとご主人、相談の結果、
大阪に戻るという。


山田  : That'll be alright.
      いいですよ。
     (いいけど、この無計画ぶりは、何なんだ)

トレー
シーさん : I now remember there's one thing we should do.
      The sky building. Would you please go there ?
      あ、思い出した。スカイビルよ。
      スカイビルに行かなくちゃ。


    まあ、朝護孫子寺を取りやめて、
    生駒スカイラインを止めたのだから、
    梅田スカイビルで、景色を楽しむのは、
    正しい代替案ではある。

    夕食は、天ぷらがいいという。
    ミシュラン二つ星を探せ、という。

星空

    ホテルのマネージャーに連絡。


マネー
ジャー : 星の数までは希望に添えないが、
                 とりあえず、ミシュラン推奨の
         
     「天ぷらの店」

      を探して、予約を入れておきますよ。


       ヾ(@°▽°@)ノ


  10分後、マネージャーから電話。
      きょうの、夕食は、午後7時。肥後橋
     
  「一宝」
       
    やれやれ。


    スカイビルから、移動・・・・

    のはずが、

( ̄_ ̄ i)

トレー
シーさん : Hey, moment.
       Why don't you take a
       rest for coffee ?
       ねえ、待って。コーヒー休憩しない?


山田   : (休憩?はあ?)
       That's okay if you'd like to.
       いいですけど・・


    3分後、山田もココアを飲んで、
    窓の外を展望しています。
   

山田   : Behind those buildings
       there's a town called "Sakai"
       famous for its kitchen knife.
       
       あの、ビルの並ぶ、向こうが、堺ですわ。
       包丁で有名な。

       (-^□^-)

     そう言った24時間後に、ご夫婦がまさか、
     堺の包丁をお買い求めになるなんて
     夢にも思わなかったのですが・・・


     日ぐれて、市街に
     灯りがちらほら、灯り始めました。

     もう、午後6時30分です。あせる山田。
    
      ( 早くしないと、
        午後7時の予約時間に遅れるし。)

     おふたりは、悠然と、たっぷり、
     15分、時間をかけて、
     車のところに、戻りました。



    【教訓】

    お金持ちになりたければ、悠然と構えておけ。
    バタバタするな。金運が逃げる。

   
        【一宝】


    ここは、大阪でも、指折りの老舗。
    スタッフの仲居さん方も、英語が堪能。

    と、いうことは、山田の出る幕なし。

    と、いうことで、
    さすがにきょうは、
    夕食は、自腹で、別の場所。

    ハイヤーの松原さんに頼んで、
    福島まで、移動してもらった。

    上等カレーの、ビフカツカレー、900円~。

    これでも、山田には、思い切り贅沢な

    「晩ごはん」

    なのですよ。


     ご夫婦の食事終了予想時間は、
     午後10時。
     山田も、松原さんも、そう読みました。

     まあ、だからといって、
     あまり、肥後橋からは、離れません。
     連絡を受けると、
     すぐに、お迎えがきく距離にいます。


     待っている間のつれづれに、 
     ハイヤーの料金って、いくらぐらいなのか、
     聞いてみた。

     まず、ハイヤーを呼ぶ、
     という基本料金が、7000円。

     それに、加算されるのが、経過時間料金。
     これは、30分につき、3500円。

     なので、10時間のハイヤーなら、
     77000円ということになります。

     と、いうことは、ほとんど、毎日、
     ご夫婦は、我々に、
     10万円以上、使っている計算です。

     
       【お迎え】

    午後9時頃、料亭から電話。
    他のお客様が帰ったので、
    ハイヤーの駐車が可能に
    なったとの旨。

    なので、肥後橋の料亭に引き返します。

    尚も、待つこと、40~50分。


    ようやく、玄関の戸が開きました。


    仲居さん、女将さん・・・、
    お見送りスタッフ、全員が出て来られました。


ご夫婦 : Thank you.


女将さん: サンキュー


山田  : (ああ、やっと帰れる・・・)



  午後10時30分、ホテルに帰着。
  明日のお迎え時間は、午前10時30分です。
                

      
      おしまい
      山田 錦