第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 77】

2013年8月20日 (火)
 
  (いろは旅館のお客様つづき)

  【まずは、1日乗車券を買いましょう】

いろは旅館は、三条駅のすぐそばにあるホテルです。
まず、駅で、1日乗車券を買います。

京都の1日乗車券は、3種類あって、
 
  1: 市バスだけに使える   500円券
  2: 地下鉄だけに使える   600円券
  3: 市バスと地下鉄に使える1200円券

 何やて?3:の 1200円は高いやんけって?

 さすが、計算がお早い。
 この3番目の市バス地下鉄共通券は、
 京都バスにも通用する
 フリー券で、きょうのように、
 嵐山などが日程に入った遠方の観光に、
 ピッタリの乗車券なのです。


 山田、ここで、ちょんぼ。
 10歳の子(半額の600円で買えます。)
 のことを忘れていて、
 1200円の券を6人分購入。

(山田は、仕事用に
 いつも自分用を持っています。)


 さっそく、嵐山行きのバスが、来ました。
 が、くやしいことに、道路のむこう。

 山田、地下から、
 地上に出たら、反対側に出ていた。


 嵐山行きのバスは、1台見逃すと、
 30分待たないといけないのです。
 そこで、地下鉄と、
 嵐電(200円の余計な出費ですが)を使う作戦。

 地下鉄三条京阪駅から、太秦天神川駅へ。


  【なつかしの相互タクシー京都本社】


  太秦天神川は、三条通りと、
  御池通りの交わるところ。
  ここにゴタの勤めていたパックマン
  タクシーこと、相互タクシーがあります。
  さて、地下から上がって来ると、

   (えーと、・・・・)

  キョロキョロ見渡して、

   (あ、あれが、嵐電じゃ。)


  嵐電の駅(天神川駅)から、路面電車に乗ります。

  さて、方向音痴のゴタ、平気でホームにご案内。
  が、おひとり、エイリーンさんが
  いらっしゃいませんヽ(;´Д`)ノ  

   
  (あ~れ~exclamation & question 
   どこへ行ってしまったの~

  迷子を出したら、引率者のガイドの責任。
  えらいこっちゃで。

   馬

   うまく探し出せますように。
   と、目の前をよく見ると、


  【反対側のホームで、
   エイリーンさんが
   手を振っていらっしゃいます。】


エイリーン: Hey, you are standing
       on the wrong platform.
       Come over here.
       Mine is the one for Arashiyama.

       ( ちょっと、あんたたち。
         それ反対のホームよ。
         こっちが嵐山行きホームよ。
        早く、こっちに、いらっしゃいな。)


あははは・・・笑い事ではありません。
何ちゅーガイドでござるか!


ロッドさん: Yamada san.
                     Where do we buy the ticket to ride ?
        山田はん、乗車券はどこで買いますのん?


山田   : We are supposed to buy it
                     at the Arashiyama Station after
                     we get off the car.
       嵐山駅に着いてから買いますのや。

       Oh, the Randen car is coming.
                     Let's get on.
       あ、電車来ましたで。乗んなはれや。

  地下鉄 
       
路面電車は、この先、
蚕ノ社駅の手前で、一般道と分かれます。
つまり、そこからは、
tram car とは、
いえない電車になるのですが、
じゃ、そしたら、

Our tram car turns to trains.

なんて言ったら、たぶん、みなさん、
ポカンとしはりますで。

 
 【初志貫徹せよ!】 一度、トラムカーゆうたら、
                                 最後まで、責任もって、
                                 トラムカーじゃ。


嵐山駅の近く、かいこの繭の小細工品が
いっぱいある店を見つけました。

ただし、蚕の繭を英語でどういうのだったか忘れた。


山田    : すみません。
                        蚕の繭は英語でどういえば
                        いいのでしょうか?


店員さん  :   コクーンですよ。 コクーン。 
                      カクーンの方がいいのかな。
        でもどっちかよ。


山田    : ありがとうございました。


   そこで、


山田   : These works were made of a cocoon,
                  a covering of silk threads.
                  ここのん、みんな
                  蚕の繭で出来てまんのでっせ。.  

みんな   : Oh cute~ハート. Oh cute snake.
        あーら、かわいい。
                   あんれ、かわいいおヘビちゃんドキドキ


山田    : We are in the year of a snake,
                   this is the snake year
       in the calendar.
                   今年はヘビ年ですねん。


ローラさん : Yeah, I know.
        そうよ。

 
 ああ、そういえば、
 みなさん、ご出身は上海なのだとか。

 エイリーンさん、リリーママ、
   続いてローラさん、順次、
   繭細工をお買い上げ。
 お店の方が山田に、


   「やあ、ありがとう。
        ようけ、買うてくれはって。 どちらの方?」


  「上海出身のロサンゼルス人です。
          ひとり、パリ在住。あのお兄さん。」


  「じゃ、あなたが、ガイドしてはるんですね。」


  「はい、繭を英語で
   ようゆわんガイドですけど。」


  「ようゆわはるわ。
   うちらより、お上手ですわ。」
    
     (こんなこと書いてごめんなさい) 
  
ニコニコ


ほめられると、とろけて、調子に乗る山田。
失態のないうちに、切り上げます。



    【天竜寺へ】


嵐電「嵐山駅」の斜め向かいは、「美空ひばり座」


美空ひばりのことは、知らないという。
ここは、パス。天龍寺に入ります。

さて、来てみると、
本堂は、修復中で、見学不可。

よって、庭園見学へ。
天井の龍を見るか、みなさんに聞いてみたが、

   「No, we won't. いらないわ。」

庭を歩きます。すでに11時。暑い。
あしかが・・アシカが泳ぐ・・・ではない、
アシカがたかっちょる・・・
足利尊氏・、そう、説明開始! 


山田 : Shogun Ashikaga Takauji founded
     shortly after Emperor Godaigo was dead.
       It was in the early 14th century.  
      後醍醐天皇亡き後、足利尊氏
     14世紀に創建。
 

光厳上皇院宣を下した、とありますから
一応、天皇上皇のほうが、
上位にあったといえます。飾りとはいえ。

暦応資聖禅寺(りゃくおうししょうぜんじ)
と名付けられたが、延暦寺の反対にあい、
寺号は、「天龍寺」となりました。
当時は、天皇よりも、将軍よりも、
お寺、とくに
延暦寺がえらい時代でした。


   
   【曹源池】
 
庭の見どころは、この曹源池。
だが、こんな暑い日は、どっか日陰を見つけて、
アイスクリーム食べながら、
のんびりしていたいが、境内では、不謹慎。

汗を拭き拭き、お庭の散歩。

大きな硯石があります。


エイリーンさん : What's that stone ?
           あれって何の石?


  硯石を英語でどういうか。
  なんだか、これも、ガイド試験に出そうな問題だ。
  an inkstone. an ink slab. ・・・
  あれ?きょうは、通じません。

   an ink slate onto which you put in water
  and rub with an Indian ink stick.

  中に水入れて、墨のスティックでこすって、
      あーで、こーで、そうなんですよ。


リリーママ: Yeah, I know. It's ink pot.
                     ああ、インクの壺ですやろ。


山田   : Yes, that's right,.
                  ( ちょっと、
       ちゃうけどな。まあそうしとこ。)
     

エイリー
ンさん : Oh, I know.
                 You use it when practicing calligraphy.
                 ああ、ああ、書道で使うやつや。



  【北門を抜け、竹藪へ】


竹藪抜けた・・何てことを、
外国人に言ってみてもしかたがありません。
この竹林では、やはり、
かぐや姫のお話がよろしいようで。


山田 : Once upon a time there lived
               an old couple around here・・・
     昔むかし、このあたりに、
               おじいさんと、
     おばあさんが住んでいました・・・


     When the husband was working cutting
               bamboo trees, he found a brilliant bamboo
               tree among others.
     おじいさんが、竹を伐採していますと、
               中にひときわ、
     輝く竹があったのでございます。

      Astonished, he tried cutting
     it to find inside there .. .
             おじいさんは、
     その竹を切ってみました。中から・・・
  

みなさん: There what ?
                中から?


山田  : Inside there sitting a little girl.
                  Very charming.
      So charming, he brought her back
                  to his home.
      中からかわいい女の子が出てきました。
                  あんまりかわいいので、おじいさんは、
      その子を家に連れて帰りました。


みなさん:  And then ?
                    ほんで?


山田  : They decided to raise her.
                The girl grew up to be
                 a beautiful lady in the course of time.
                There were hundreds of thousands of men
                around her who confessed his
                love to her.
                老夫婦は、その子を育てることにしました。
      やがてその子は大きくなりました。 
      求愛者は山ほど現れました。
  
                But when autumn came, she looked up
                in the sky, and began to cry.
      でも秋がくると、彼女は、泣き出しました。

                The old husband asked why
                she would not stop crying.   
        どうしたのかと、老夫婦はたずねます。

     "Oh I have to go back to the moon in the sky.
                That's what I feel sad and I'm crying"
                ああ、私は、月に帰らなければなりません。
                なので、泣いています。


      Toward her the old couple retort,
                "Then don't go back. Stay here forever
                 with us.
                 We will do for you whatever we can do.
                これに、老夫婦は、言い返します。

               「じゃ、帰らなければ?」
       
          あんたのためなら、何だってやりますから。

   
     There were many many samurai warriors
               gathered around Kaguyahime, princess
       to protect her.     
              かぐや姫の家には、
     たくさんの侍が集まりました。


みな
さん : What is Kaguya・・・
     え?何姫って?


山田 : Sorry. I forgot explaining her name.
               The baby girl was named as Kaguyahime.
             そうだった。まだ、女の子の名前を
                説明していなかった。
     その子、かぐや姫という名前を
              つけてもらったの。


みな
さん :  Alright. Go ahead.
              わかった。続けて!


山田 : Soon messengers came from
               the moon to bring her back.
               やがて、月から使者がやってきます。

     All samurai warriors tries to
               fight the enemies from the moon.
              侍たちは、戦いを挑みます。

     But they soon found to be losers.
               The pity Kaguyahime was brought away
               to the moon without never coming back.
     でも侍たちは負けます。
     かぐや姫は月に連れ去られ、
               帰って来ることはありませんでした。

       
みな
さん :   And then?
               それで?


山田 : Oh , that's all there is to it.
               The story came to the end.   
               これでおしまい。

みな
さん : Sorrowful beautiful oh, fantastic story !
     かわいそうだけど、いいお話ね。



   竹藪の突き当たりは、

大河内山荘

です。
 
大河内伝次郎って、ご存じでしょうか?
往年の俳優で、いっせいを風靡した
大物役者。オヨヨヨ・・・、
 とよく声帯模写の格好の題材に
されたりしております。


山田  : Would you like to go in ?
               1000 yen for each.
      入ってみます? 
                  おひとり、1000円ですが。


みなさん: No, take us back to
        the Togetsukyo Bridge.
      いらない。 渡月橋はどこよ?


山田  : Okay.
        Let's go passing through this park.
                 行きましょう。



亀山公園の中を歩いていきます。
お日様は、カンカン照りです。
哀れ公園の中は、日陰もなく、
ただこの猛暑との戦いです。

  「しまった。竹藪の中を
       引き返すべきだった。」
 
後悔あとに立たず。
今更、引き返そうなんて、
提案する勇気はありません。


山田  : There is a stone monument
        over there.
      石碑があってね。


みなさん: What for ?
                 どんな石碑?


山田  : The monument for Zhou En Lai.
                  周恩来のです。


みなさん: Oh, yes. He had been to Japan.
      そうそう、来ていたのよね、日本に。


山田   : He learnt at Kyoto University.
                     And wrote some beautiful poems.
                     The stone is inscribed
                     with one of his wonderful poems.
                     京都大学で勉強しはりましてん。
                     石碑に詩歌が刻まれてますのや。
               
  
(-^□^-)

  
   みなさん、興味深そうに、歌碑の詩歌を読みます。
   山田は、読めません。これは、中国語ですので。

   え?山田の語学レパートリーじゃなかったのかって?
   だって、まゆつばクラスなんだもの。


    山田の語学レパートリー(自称)
      (真偽のほどはわからない)
   
    1:英語 2:フランス語 
    3:スペイン語 4:中国語
    5:ドイツ語 6:イタリア語 
    7:ロシア語 8:韓国語
    9:ポルトガル語

 ちなみに、山田は、ほら吹きなので、
 信じてはいけません。  

   
 さて、

みなさん、周恩来を敬服されているご様子。
日中友好が実現したのは、
この周恩来のおかげでしょう。
あれは、1972年だったと思います。

保津川下りの船着き場にきました。
お日様はかんかん照り。

普通なら、ここで、渡月橋とか、小督局とか、
いろいろガイドはありますが、
こんなに暑ければ、
そういうことは、どうでもいい。

(早くどこか、
    涼しいところに入って、
   かき氷でも食べようぜ)
    
以心伝心ですかね、
エイリーンさんが、が言いました。


 「どこか、お店に入りません?」

    
結局、昼食を嵐山でとることにしました。
といっても、京料理ではござんせん。

普通の食堂。おもての陳列を見て、
「これ。」と言って決める。

この上なく、わかりやすい方法である。


テーブルは、離ればなれになりました。
リリーさんとエイリーンさんとゴタが
入り口近くのテーブル。

ローラさんと、アンジューさん、
ロッドさん、そしてエイミーさんが
奥の席。

たいてい、こういうときは、
注文の手伝いで、
てんやわんやになるのだが、
陳列見本で、
これ、と言って決めてくれたから、気楽です。


山田  : Oh That's cold buckwheat noodle. 
              Everybody ? same order ?
     はい、ざるそばね。 みんなも、ざるそば?


 Yeah, とか、 Sure とかが聞こえてきたので、
   全員そばの模様。


店員
さん : 何しましょ?         
         .

山田 : ざる定食。


店員
さん : こちらの方は?


山田 : ざる定食。

店員
さん : えーと、おたくは?


山田 : ざる定食をお願いします。


店員
さん : ざるの定食が3つね。

  
山田 : みざる定食。


いつも、いらんことを言って、迷惑をかける山田。
かんにんしたってな。アホやし。       


  【嵐電の駅】

 バスはなかなか来ません。
 結局、帰りも、嵐電に乗ることに。

 ただし、今度は、
 帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅で、
 「白梅町行き」に乗り換え。

 もし、うっかり、乗り換えを忘れると、
 四条大宮駅に行ってしまいます。

 四条大宮とは何か? 四条通りと、
 大宮通りの交差点のことである。

 四条通りとは、どこにあるか?
 京の町中を東西に走る目抜き通りである。
 京の町を
 お団子に例えると、団子の串みたいなものである。

 大宮通りとは何か?
 四条通りから京の町を南に走る大通りのことで、
 京都駅の西方約1キロにある。

 よし、場所はわかった。
 では四条通りとは何か?

 昭和時代に栄えた町で、映画館もたくさんあった。
 ところで、この通りの西側に平行して南北に延びる道が
 壬生通り
 壬生狂言で有名な壬生寺があり、
 新撰組屯所跡も、ちらっと垣間見ることができる。

 壬生通りのさらに西には、坊条通りが走る。
 これは、ずっと、南の東寺から先で、
 国道1号線となる。


 それで、何の話をしていたのか?
 ああ、そうでした。

 えーと、嵐電を白梅町で降りた話。

  【白梅町】

 お客様のリリーママがドルを
 円に換金したいと言います。
 ここで、京都銀行にご案内。

 残りのみなさまには、イズミヤさんで、
 ショッピングタイムを取っていただきます。

 山田、銀行までお客様のアテンド。
 たよりないゴタなので、アカンド。
 お客様、それでも、何とか、
 1000ドルの両替が完了。
 9万円なり。

  【白梅町バス停】

 立命館大学行きが来れば
 金閣寺の真ん前まで、行ってくれるのだが、
 今回は、だめ。

 北大路バスターミナル行きです。
 この場合、
 金閣寺前のバス停で降りることになるのですが、
 あとの歩く距離がまるで違う。
 大粒の汗を100コほど、
 余分に流さなければならない。


  【金閣寺

 そうして、大粒、小粒の汗を流し、
 油を流し、やってきた金閣寺

 金閣寺にやってきたら、
 ガイドは何をするか?
 説明だって?
 まあ、しないことはないが、
 必ずすることは、


山田 : Would you like me to take a picture
of you Kinkakuji with back ?
撮りまひょか?金閣寺を背景に一枚?


こういう場合、かなり多くの確率で、
写すカメラは複数個となる。
ガイドは忙しいのだ。


山田 : Okay, then next take.
               Okay one last time.
              あ、もっ回、
              今度、このカメラ。
              あ、次このカメラ・・


龍門瀧もカメラ撮影のポイント。 
あの石は、何と言っているか?
の質問には、

チーズと答える。
そのくらい、
第二の写真撮影ポイントである。
その向こう、

みなさん、コインを壺に
向かって投げ入れています。
たまに、チーンという音。

拍手喝采です。
ここは、修学旅行の学生が、
始めた占いコーナー。


エイリー
ンさん : Why are two pots put there in front ?
      なんで、壺をふたつも置いてあるの?


山田   : Oh , originally,
       there was put only one stone pot..
               Later they added another
               to augment your chance to lucky.
      もともと、ひとつしか置いて
                いなかったのですが、
      チャンスをひろげようと、もうひとつ、
               あとから、付け足したのです。


     みなさん、はらを抱えて、笑い出します。
     ユーモアとは、お国によって、違うもの。
     ゴタは、まさか、ここで受けるとは、
     思ってもみませんでした。
    


     【金閣寺前のバス停】



エイリー
ンさん : Mr. Yamada,
      We'll finish the tour today.
      So we won't get off
      at the Nijo Castle.
      We're exhausted.

      山田はん、もうきょうは、 
      終わりにしますわ。
      なので、二条城は、パスよ。
      疲れちゃったわ。


ホテルに直行しました。
エイリーンさんは、
明日の御所拝観の申し込みをしたいと言って、
アンジューさんと、ロッドさんを残して、
部屋に帰ってしまいました。
    
終了時刻は、午後4時。
ガイド料金は、8時間分いただきました。
でも、まだ1時間残している、
というので、彼らと一緒に、宮内庁事務所に、
明日の御所拝観の申し込みに
行くことになりました。

ただ、宮内庁事務所では・・・・・


宮内庁史官: アンジューさんも、ロッドさんも、
       未成年なので、代表にはなれません。
       山田さんの名前を代表にして下さい。


山田   : 私は、明日は、
       ガイドの仕事を言われていないので、
       来られません。


史官   : それなら、申し込めませんね。



   せっかく来て、申し込めないなら、
   残業の意味がありません。
   とりあえず、山田の名前を書き入れました。
   
   (また、明日、ガイドに
    呼んでもらえたら、ええかな。)

   軽い気持ちで、書き込みました。


    が、


   戻ったら、文句を言われた。


エイリー
ンさん : We can do without you tomorrow.
      We'll accompany another tour guide
      at the inner tour in the imperial
      palace.
      明日は、あなたがいなくても、
      大丈夫なの。
      御所のツアーは、
      別のガイドがつくのだから。


山田  :  Alright. I won't come.
      じゃ、来ません。


   代表が参加しなければ、
   御所の拝観は出来ません。

   誰のせいでもありゃしません。
   山田には、少年たちが大人に見えて、
   エイリーンさんは、申し込みが、
   20歳以上の人間でないとだめだ
   ということが、
   わからなかった。

   でも、エイリーンさんたちに、
   残された方法は、ひとつあります。
   拝観申し込みを、一度キャンセルし、
   あらためて、エイリーンさん自身で、明日、
   開門と同時に、行けば、OKかも。


   でも、もう、
   山田の知ったことじゃありません。

   山田、8時間のツアーが、
   もう、終了しております。

   もっと、早く、言っておいてくれたら、
   先に、御所に寄っていたものを。

   思いつきで、御所の見学は、できません。


     【教訓】

   仕事は、なるべく、
   コンシェルジュ経由で、取ること。
   行き当たりばったりツアーは、もういや。


      おしまい。
      山田 錦