第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

語学学習日記(フランス語学習)金の脳みそをもった男(14)(ドーデ短編集より)


金の脳みそをもった男(14)


——————————【14】————————————————

 La chose  fut  tenue  secrète; le pauvre  petit  lui-même
ne  se  douta  de  rien.  De temps  en temps,  il  demandait
pourquoi  on  ne  le  laissait  plus  courir  devant  la  porte
avec  les  garçonnets  de  la  rue.


———————————(訳)——————————————————

 この事は秘密にされました; 気の毒にも、この子自身で
さえも何も気づきませんでした.ときどきこの子は尋ねた
のです、なぜ他の町の子たちと一緒に門の前を走り回って
はいけないのかと.


———————————《語句》—————————————————

tenue secrète:secrète は主語の la chose にかかる属詞.
  tenue はtenir の過去分詞、fut はêtre の単純過去3単、
  「事は秘密にされた」となります.
  一般に「tenir + 目的語 + 形容詞(属詞)」の形で、
  「~を…の状態にしておく」、「~を…のままにし
  ておく」となります.            
ne se douta de rien:「何も気づかなかった」
  se douter de ~ は「~に気づく・感づく、~がわかる」
  の意味. 
on ne le laissait plus courir:人は彼をもはや走らせなかった.
   この on は主語をぼかすときに使うものなので、
   日本語にするときは、主語を表示しない文にした
   ほうがいいでしょう.
         ↓
      「この子はもはや走らせてもらえなかった」
   le はここでは「この子」になります.
   尚、laisser は「自由に…させておく」の意で、使い方は
   [laisser + qn + 不定詞] で「…させる」、「…するがままに
   しておく」
   ここでは ne .....plus があるので、
   「もはや自由に…させない」
garçonnet:(m) 小さな男の子