第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 12】

2010年 10月18日(月)


京都国際ホテルにて。

午前8時10分。フロントで、お通し。

さて、本日のお客様は、アメリカ人4名様。

車は、昨日の収入により、
レンタカー(日産ブルーバード・シルフィー)を調達。

本日の契約は、お客様ではなく、ホテル様。

概ね、ガイドは、ゴタを含め、
クレジット・カードを扱えません。
そういうときは、ホテルが、クレジットをさきに、
処理して、それから、ガイドに現金を支払う、
という形をとります。

そして、その場合が、ホテル様契約となります。

 

⏁⏁⏁

 

8時30分。

キーファーさんご夫妻、
そして、ご兄弟のハワードさんご夫妻の4名様。
おな~り~。

本日は、どういう、いきさつで、
ゴタが、指名を受けたかを、
フロントで、聞いていました。

みなさん方は、
昨日の、JTBサンライズ・ツアーに、
参加出来なかった、というのです。

是非、ゴタの案内で、
サンライズの京都・奈良まる1日周遊コースと、
そっくり同じコースを、巡ってほしいのだとか。

ようし、おまかせ~。

ゴタの 「サンセット・ええかげんな・ツアー」

 始まり、始まり。


まず、サンライズツアーには、
京都御所」の見学が、あります。
そこで、サンセットツアーも、真似て、

京都御所見学」

ですぅ。


日本人は、事前の予約が、いるのですが、
海外からのお客様は、パスポートが、あれば、
当日の申し込みでも、大丈夫。

「Do you have your passport
 with you ? All of you ? 」

(パスポートは、もっていますかー?)

 ヾ(@^▽^@)ノ

⏁⏁⏁


宮内庁事務所に到着。ここで、8時45分から、
受付開始。ゴタのグループが、1番乗り。

さて、御所ツアーは、10時から。

1時間あります。
この間に、祇園を散策しましょう。


「What's the Gion ?」
ギオンって ?)


「A name of a place where
maiko dancing girls
are often seen walking in a kimono.」

(舞妓さんのいるところです。)

 

「What's the maiko dancing girls ?」
(その舞妓って、何ですか?)


「A kind of entertainer who plays
dancing and serves as a companion
and an apprentice to be a good geisha. 」
(見習い芸者です。舞いもしますし、
コンパニオン役もします。)


⏁⏁

そして、祇園白川と
花見小路をのぞき見して、御所に引き返しました。

御所では、別の専門のガイドが、案内します。


「ここで、待っていますので。」


「ノー、ノー、プリーズ、カム ウイズ アス。」


ウイズ ガス だか、大阪ガスだか知らないが、
来い、と言っている。

許可は、さっき一緒に取ってあったから、
入ることは可能です。

さて、一緒に、入りました。

案内係の人の英語が、流暢で、
すばらしかった。案の定、言われてしまった。

「She speaks a splendid English.」 
(あの人、上手な英語だわよ。)
  
(だから、一緒に入らないって、言ったのに。)

⏁⏁⏁

金閣寺にて。

「Look at that bird !」 (鳥ですよ、ほら。)

「Chicken ? 」 (ニワトリなの ?)

「Yes,let's eat it afterward.」 
(はい、後で食べましょう。)

⏁⏁⏁⏁

「このロープは、何?」

「上のニワトリが、逃げないように、
縛り付けています。(うそだよ)」

みなさん、大きくうなずかれました。まさか!

あれは、屋根の手入れ用のロープです。


⏁⏁⏁⏁

二条城。

国際ホテルの駐車場に、
車を入れました。600円助かり。

二の丸御殿に入ります。


遠侍の間。遠くから来た侍を、処遇する間。
つまり、待合室。虎の絵が、あります。

このふすま絵、狩野派、すなわち、
狩野探幽の手による
トラですが、七不思議のひとつ。

だれも、見たことのないトラの絵を、
想像だけで、描きあげたのだ。
さすが、絵の神様です。


大広間には、将軍と、
配下の武将。場面は、1867年10月。

大政奉還。(the Restoration of Imperial Rule)

この英語が、慣用化されて、使われています。

いちゃもんつければ、こういうふうに、言えば、
王政復古の意味になるけどね。
ゴタ流に言えば、

「Return of the Political Power to the Emperor」

なんだけどなぁ。

まあ、いいか。わたしゃ、英語学者じゃないので。
お客様が、


「なるほど。」


と、言って下されば、もって、業務遂行なのである。


そのお客様。違い棚を指差し、


「あれは、何だ?」


と、聞きます。

「 You mean those fancy alcove shelves behind Shogun ?」
(床の間の棚のことですか?)

「Yes.What are those for ?」
(そう。あれは、何なん?)

「Shelves.」 

棚だと言っているのに、こまっ棚。
違うのかな? ま違い棚・・・
そして、突然ひらめいた。

「That set of staggered shelves is
representative of aristocratic
style of room called
shoin-zukuri.
Because the shoin-zukuri style
was originated by the most
influential aristocrat,Fujiwara Family,
it has been from that time on the status
highest ranking people enjoy.」

(互い違いの棚が、セットになっているのは、

「書院づくり」

といって、その部屋が、
貴族の部 屋だということを、
示しています。最高貴族の藤原氏が、
始めに、用いた様式で、
その後、ずっ と、高貴な人たちの
ステイタスになっています。)


⏁⏁⏁

サンライズ・ツアーなら、このあと、

「京都ハンディ・クラフト・センター」

で、お昼のランチ・バイキングなんですけど、
ゴタ・ツアーでは、時間が、もったいないので、
お昼は、コンビニで、弁当を買って、奈良へ、
移動する車中で、食べることになりました。

運転手は、お昼を、どうしたかって?
「おにぎり」をほおばりながら、運転です。

ちゃんと、計算しながら、食べました。
堀川仏光寺のデイリ-・ヤマザキで、買っておくと、
京奈高速の大久保ランプまでは、約20分。
食べ終わります。

ちょっと、あせって、しゃっくりが、出た。

 ヒック・・・ヒック・・・ヒック・・・

⏁⏁⏁

きょうも、東大寺の「大仏」に、やって来ました。

「おでこに、イボが、あるんだね。」

「あれは、光を放つのですよ。」

「本当ですか?」

「これは、信じるしかありません。
 その光で、世界を、遍く照らすのです。」

⏁⏁⏁

春日大社

灯籠が、両側に並んだ参道を歩きます。

もう、夕方で、帰る人ばかりです。
ゴタ一行は、人の流れに、さかのぼる、
鯉のぼりのようでした。

アメリカの鯉4匹と、日本の鯉が、泳いでいました。

「この灯籠は、誰が、立てたのですか?」

「信者の奉納ですよ。」

「ひとつの灯籠は、いくらするのですか?」

「80万円です。」
 
( また、ええかげんなことを、平気で、いうゴタ。
     80万円は、伏見稲荷の鳥居だっつーの。)


⏁⏁⏁

春日大社は、5時30分で、閉門です。
本殿に着いたのが、ちょうど、5時。
あたりは、日暮れて、薄暗くなり始めました。
だって、サンセット・ツアーですもの。

「See? Two bows two claps and one final bow .
That's what we are supposed to do for worship .」

(みなさん、2礼、2拍、1礼ですよ。
     そうやって、拝みますので。)

⏁⏁⏁

あたりは、薄暗くなります。5時20分。
東門から、出ました。

京都に向けて、帰ります。


「これは、もう、高速道路に入ったのですか?」


「いいえ、ここは、まだ、一般道路の24号線です。」


不思議なことに、一般道は、片側2車線なのだが、
高速道に入ると、1車線の、狭い道路です。

夜になりました。ヘッドライトをつけます。

車中では、みなさん、アメリカの世間話に花咲かせます。
ゴタは、運転に専念。

アメリカ人が、家族同士で、しゃべる英語は、
ゴタには、わかりません。
なにか、別の言語のようです。

⏁⏁⏁

午後6時40分。

ホテル到着。

サンキュー。

サンキュー。

握手で、お別れ。

また、いつか来る、と言って下さいました。
再会できたら、また、どこかいいとこ、案内しますよー。

「さよなら」 と、みなさん。

「Good-bye」 と、ゴタ。


⏁⏁⏁⏁⏁


山田 錦(ゴタ)