第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 15】

2011年 2月17日 (木)


長いこと、仕事をしていなかったので、
英語の、ろれつが、回るかなぁ?

きょうは、エンジェル・ウィスレーさんを、
全日空ホテルに、お迎えに、来ています。

メールでの、やりとりは、


 「I'll be expecting you at the entrance of
  ANA HOTEL at 9:00 AM on
  17th this month(Thursday.」

 (今月の17日【木】朝、
  9時に全日空ホテルの玄関で、
  お待ち申しあげます。)


と、そう書いて送信したら、


 「Perfect.」 (それで、バッチり決まり!)


と、返信が来たのに、9時5分、未だ、現れません。


フロントで、聞いてみる。

 「すみません。エンジェルさんを、
  お迎えに、来ているのですが。」


 「エンジェル・・・
  その後の、お名前は、わかりますか?」


 「エンジェル・フィッシュ・・じゃなかったな。
  えーと、エンジェル
  ・ウィスレーさんだったと 思います。」


 「あ、はい、お泊まりです。お呼びしますか?」


 「あ、いいです。
  とりあえず、もう少し、待ってみます。」


そして、さらに、10分経過。やっぱり、呼んでもらおう。

そう決めて、ベルデスクに、行った。


 「エンジェルさんの名前では、
  ここには、載っていませんよ。
  アンジェラさんなら、ありますけど。」


 「うーん。女性か。」
 

 ゴタは、てっきり、
 依頼人は、男性だと、思っていました。
 だって、一人旅で、
 しかも、タクシーをチャーターして、
 観光する女性って、想像しにくいもの。


 さて、そのとき、背後から、ツカツカと、
 やって来た女性。若い。
 若くて、カッコいい外国人の姉ちゃんだ。

 えっ?この人が、エンジェルさんかな?
 もたもた、しているゴタに、
 声をかけてきました。


 「Oh, You are Mr.Yamada ,right ? 」
  (あなた、山田さんね?)


 「Yes. And you are・・・・」 
 (はい、じゃ、お宅が・・)


 「I'm Angella Wesley. Nice to meet you, Gota.」 
  (アンジェラ・ウィスレーです。よろしく。)


 「Nice to meet you,too.」
 (こちらこそ、よろしく。)


※※※※※ ヾ(@^▽^@)ノ


 スケジュール・ノートを、見せていただきました。

Kiyomizu Temple   清水寺
Nanzenji Temple   南禅寺
Ginkakuji Temple   銀閣
Shimogamo Shrine 下鴨神社
Daitokuji Temple   大徳寺


予定は、3時間だといいます。

無理に決まっている。そこで、


「Your scheduled time, I mean,
3- hour trip wouldn't be enough for
 these items.Ms.Wesley.」

(3時間じゃ、
これだけは、こなせませんよ。
ウィスレーさん。)


「If it's OK with you,
let's make our schedule
time longer enough .」

(もし、よかったら、
予定時間を、延ばしましょう。)


と、いうわけで、4時間の観光となりました。


※※※※


清水寺で。

清水焼きに、魅入られます。

徳利と、おちょこのセットを、お買い上げ。
まさか、これに、ワインを入れて、
飲むのじゃないでしょうね。


でも、とても、楽しそうに、お買い物です。


重たいのに、全部、持って帰れるのかな?
聞いてみたら、今は、アメリカじゃ、なくて、
中東に、滞在している、とのこと。


「ふーん、アッサラーム・アライクムかあ。」


「Oh,Do you know Arabic,Gota?」 
(ゴタさんは、アラビア語、出来るの?)


「All I know about Arabic is that much.
I never turned the page
 from 1and 2 to 3 and further.」

(それしか知りません。2ページ目に、
進んだことは、ありません。)


ハハハハ。ふたりで、笑う。


※※※※


南禅寺にて。

古ぼけた赤煉瓦の水道橋を目にして、
しばし、立ち止まります。

ウィスレーさん、問うて、曰く、

 「What's that ? 」 
(あれ、何?)

 「It's an aqueduct.」 
(水道橋です。)

 「Oh, worth while to see a little. 」
 (見る値打ち、ありますね。)
 
 「Yes,Ms.Wesley.
When Kyoto Municipal Government drew
a blueprint of this,
  leaders of Nanzenji
  Temple refused it strongly
  because the modern building like this would
  never harmonize itself with an old temple.」

(そうです。京都市が、これを作ると言ったとき、
南禅寺側は、猛反対でした。
  古いお寺に、モダン建造物は、合わないと言って。)


ウィスレーさん、よほど、気に入ったのか、
何度も、カメラに収めています。


「Would you like me to take a
picture of yourself、Ms.Wesley ?」

(ウィスレーさんの写真も、お取りしましょうか?)


 「Thanks. But That's not necessary .
I'm just interested in buildings.」

 (ありがと、でもいいの。建物が好きでね。)


なるほど。ウィスレーさんは、初め、日程に、
美術館(博物館かも知れない)を入れていました。
こういうのが、お好きのようです。

ウィスレーさんの、とても、面白い一面。

実は、ゴタが、aqueduct を発話する前、
間違って、conduct と、言っていました。
ウィスレーさん、それに、合わせて、


 「Oh, wonderful conduct !」

だって。

これで、ゴタ、aqueduct だったことに、
気づきました。ハハハ。

何と、みごとな、行為 (conduct) でしょう!


※※※※

銀閣寺周辺にて。


 「Mr.Gota. What's this ?」 
(ねえ、これ何なの?)

見ると、ゆばの天ぷらです。


 「That's tempura of yuba. Yuba is
what soybean milk makes
  on the surface when it's boiled.」

 (ゆばのてんぷらです。
ゆばは、豆乳を蒸したとき、
表面に出来るものです。)


ウィスレーさん、お買い上げ。
歩き持って、お召し上がり。
ちょっと、照れ笑いです。
いいよー。


※※※


 【下鴨神社


 前回、ここに来たときは、駐車場所の選択ミスで、
 かなり、お客様を歩かせてしまいました。
 そういうわけで、今回は、
下鴨本通りをしばらく、北に進んでから右折、
 ここの駐車場に入れます。

 お賽銭箱、鈴、拝殿・・・参拝の仕方をお尋ねです。


  「At first, take a coin out of your purse,
   and toss it into the offertory box.
Money tells all.」

  (まず、小銭をお賽銭箱に、
入れます。金はすべてを物語る。)


ゴタ、わけのわからない、説明をしております。
めげずに、笑いをとろうと、必死です。

 「But, small coin will do. God is
too busy to meet all wishes of all people.」

 (小さなコインで、いいですよ。
神様は、みなさん全員の願いを叶えるのには、
  あまりに忙しくて、かないませんようで。)


やっと、笑った。やったー。


※※※※

大徳寺というお寺に、行くことは、出来ません。
その中の、塔頭の幾つかに、
拝観しますが、これも、すべてが、
拝観できるわけでは、ありません。
現在、一般公開されている、塔頭に、限ります。


 「What's the best to see?」 
(一番見て、いいのは?)


そう聞かれても、ゴタ、困っちゃう。とりあえず、


 「Daisen-in temple might be one
of the best selection.
  The head priest of Daisen-in
sometimes shows on TV show.」

(大仙院なら、おすすめの一つですが。
住職は、よく、テレビに、出ますし。)


ということで、入館・・・入院?・・・
とりあえず、入りました。

枯山水の庭の、説明は、ゴタの、経験からすると、
お抹茶を、注文したときだけ、
つけてくれるようです。

ウィスレーさんは、

 
 「No, I don't think so.」 
(いらないわ。)

よって、説明は、拙いゴタの説明となりました。


沙羅双樹を、英語で、何というか、忘れてしまった。
とっさに、フォーク・シェープト
・サラ・ツリーとやって、
ゴマ化しました。

正解は、

  a sal tree


だったようです。当たらずといえども、何とかで。


 【教訓】 

わからないと言って、あきらめては、ならない。
    あなたには、創意工夫という、宝ものがある。


ちなみに、菩提樹は、

   a bo tree ,

もしくは、

   a pipal

でした。

ゴタ、すずしい顔で、

 a linden tree

と、やっていましたが、
これは、西洋菩提樹のことで、お釈迦様が、
その下で、覚りを得た樹木とは、別の種です。
こちらは、インド菩提樹で、おおぶりです。


※※※※※※

残念ですが、大徳寺は、この大仙院、
一カ所で、4時間が、近づいて来ました。

 「Ms.Wesley, It'll take roughly 20minutes
to the central area of the city.
  Where would you like to have lunch ?」

(あのー、繁華街までは、20分ほど、
かかりますが、
お昼は、どちらで、なさるのですか?)


そう聴くと、ウィスレーさんは、ガイドブックの、
印をつけたところを、見せながら、


「I 've already booked this restaurant.」 
(予約をここに、入れています。)


見ると、【吉水】です。


(ああ、あの、御池富小路の・・・)


「I see. Let's go.」 
(了解。行きましょう。)


いろいろ、世間話をしながら、戻ってきました。

この若い美人客は、まだ、独身だそうで、
ああ、もったいない。
ゴタが、若くて、甲斐性があれば、


 MARRY ME !

なんですけど、4時間分の、
料金をいただいて、無事、終了です。


バイバイ。またね!
マイ・スィートハート♡ ドキドキ

※※※※※


山田 錦(ゴタ)