第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 49】

2013年4月6日(土) (雨)


   【ニューオータニ、午前10時】


   奥様のトレーシーさん、
   旦那のエンディさん、
   仲良く腕組みをしながら登場



ご夫婦 : Hi Sorry to have
       kept you waiting long.
      おはよう。おまちどおさま。


山田  : Good morning Mr. and Ms. Lim.
      Did you sleep well last night ?
      おはようございます。
      睡眠は取れましたか?


エンデ
ィさん : Good enough, thanks.
      ばっちりでっせ。



    きょうは、せっかく
    予定していた関西ボートショウが
    雨で中止になりました。
    それでも、とにかく、
    会場まで行って見るとおっしゃいます。
    
    ご主人のエンディさんは、
    よほど、ボートがお好きのようです。


     【関西ボートショウ】

    阪神高速をおよそ15分。
    西宮で降りて、右へ、左へ、クルクルと。
    ヨットハーバーのほど近く、
    見えて来ましたボートショウの会場。


山田  : Would you like to go in ?
      行ってみます?


エンデ
ィさん : Yes, please.
     はい、よろしく。


   会場の駐車場に車を入れます。
   ショウは中止でも、駐車料金はかかります。
   ご主人の了解を得て、車を駐車。

   
   駐車場から、すぐに、
   陸揚げされたボートが並んでいます。
   いや、もしかしたら、
   新品ボートの展示だったのかも知れない。

   スクリュー部分に
   まったく汚れがなかったから。

   ボートは、5人から
   20人乗りぐらいのものが、展示の平均です。

   そのお値段、
   小さい物で、250万円、
   やや大きめで、500万円。

   映画 

    「太陽がいっぱい

   に出てくるボートを想像していただければ、
   当たらずといえども、遠からず。

   そういうボートです。

   ボートを背景に写真を撮ります。

   カシャ。(ゆわへん) 


   マリンビルが開いていました。
   中は、ボート用品のお店です。

   奥様、双眼鏡をお買い上げ。すごい倍率です。

   米粒が、米俵ぐらいの大きさに
   見えるすぐれもの。お値段70000円。
   いいのよ、いいの。買ってね。
   ノミが牛の大きさに見えるなんて、
   幸せじゃないですか。

     
     【酒造】
  
   ボートショウ会場から、神戸へ。
   灘の酒造を見学に行きます。

   山田、今回も、「菊正宗」

   やっぱり~おれは、「菊正宗」 しか、

   ご案内できないあほのひとつ覚え。

   白鶴だって、日本盛だって、灘の酒なのにネ。
   あほだね、山田のおっさんは。

     
   奥様、いきなり、試飲コーナーへ、ツカ ツカ ツカ。

   これには、山田、一本取られました。


   ご主人も、遅れて
   やってきました。吟醸酒の試飲です。

   一番うまい酒は、絞りたての酒。
   加熱殺菌処理がされていない生きたバクテリア
   ある酒。

   これが一番うまいらしい。

   でも、食品衛生上、
   この酒が市場に出回ることはありません。

   たとえば、牛乳を思い浮かべて頂ければ
   わかりやすいと思います。


   牛乳は、絞りたてが、うまいに決まっています。
   でも、バクテリアが潜んでいるので、
   時間がたつと、すぐに飲めなくなります。



     【昼食】

   南京町ステーキ屋さんを
   ご紹介しました。

   ご存知、「吉祥吉」

   山田、通訳だけ果たして、
   退散のつもりでしたが、


ご主人 : No, no, please stay with us
      to share the table and enjoy.
      そうゆわんと、まあ、
      よろしいやおまへんか。
      我々とご一緒に、どうぞ。


山田  : Oh, thank you, if you insist.
      そないに
      ゆうてくれはったら、ほな。


    一番高いお肉を注文。神戸牛の最高級品です。
    一人前、10000円のお肉でっせー。
    1000円ちゃいまっせー。

    1000円でも、贅沢な
    暮らし向きの山田が、その十倍
    食べよりましたでー。

    もう、寿命使い果たしよりましたでー。
    でもまあ、これが人生でっせ。
   
    人生とは


    【 世の中は うまいもん食いたい 
     らくしたい よそのべっぴん抱いてみたい 】


    あかんけどな。


    ヾ(@^▽^@)ノ

    神戸大丸に行きました。
    昨日、ゲットに失敗したエルメス
    きょうは、神戸でリベンジです。

    さて、神戸大丸は、
    パリ・エルメスの直営店が入っていますので、
    偽造品を
    掴まされる恐れはありません。

    ありませんが、購入できる確率はとても低いのです。

    何も知らなかった山田は、
    先日、在庫確認の問い合わせを電話でしましたが、
     当然、

  
     「 あいにくではございますが、
       只今、在庫切れで
      入荷待ちとなっております。」

     と言われました。

     これは、当たり前のことなのだそうです。

     たとえばですよ。
     銀行に電話して、

      「 日銀からのお金、
       100億円は、入りましたか?」

    と聞いても、

     「はい、入りました。」

    とは、答えてくれない。
    これは、

   「 100億円用意していますので、
    どうぞ、盗みに来て下さい。」

   と言っていることになるのです。


   同様に、エルメスでも、

   100万円以上もする、ケリーや、
   バーキンでは、
   絶対に、電話での問い合わせには、
   正しく、応じてくれることは、ありません。

   エルメス・コレクターは、
   毎日、通い詰めるのだそうです。
   それと同時に、
   積み立て貯金をすると言われています。

   エルメス・クロコ(クロコダイル)では、
   最低500万円からの値がつきます。

   ヾ(@^▽^@)ノ  


   今、そのエルメス直営店のひとつ、
   神戸大丸のエルメスにいます。

   トレーシーさん、先に入店。
   出迎える店員さんに、


     「 Do you happen to have
      some of Birkins or Kellies ?」
     
    ( もしかして、バーキン
     ケリーの在庫がありますでしょうか?)


   店員さんは、
   トレーシーさんの人となりを見てから、
   ゆっくりと、


    「 Yes, we have one Kelly with 40.」
      
    ( ええ、ケリー40の在庫がございます。)

   ヾ(@^▽^@)ノ
     

   ところが、カバンは、
   出してきてくれません。どうするのかというと、
   別室に通されます。

   山田、のこのこ、ついていくと、


     「 お客様、どういった
       ご用件でしょうか?」


     「 あのな、この人のエスコートや。
      通訳担当の」

   
     「 ああ、さようでございましたか。
      では、ご一緒にどうぞ。」


     「(バッキャロー)
      はい、ありがとうございます。」


     ヾ(@^▽^@)ノ


    我らがトレーシー様、
    ついにお買い上げ~。100万円級ケリー40。

     
      「もっと買っちゃえ。」


    と、勢い付いたトレーシーさん、
    今度は、そごう百貨店へ。

    またもや、ケリーとバーキンをお探しのご様子。
    
   ( な、なんちゅう人や?
   1000円のカバンちゃうで。
   100万円のカバンを
   そないようけ、
   次々買うやこと、せられんで。)

   
   カバンが買えなくても、
   ブラックバーバリで、服をご購入。
   それも、数万円のお洋服。

   バーバリに、ブラックがあったなんて、
   私ゃ知りもうさなんだ。


    【異人館

   お買い物ツアーがようやく終わり、
   本来の観光へ。異人館のうち、とりあえず、


     「風見鶏の館」

  
   に入ります。

   ドイツ人貿易商、
   ゴッドフリート・トーマス氏が
   自邸として建てた建造物。

   設計はドイツ人建築家
   ゲオルグ・デ・ラランデ(Georg de Lalande)
   明治42年頃の建築。
     
   50歳以上の人なら、NHKが、

   「風見鶏」

  という連ドラを
  放映したことがあることを
   覚えておいででしょう。
  もう、35年も前の話ですが・・・
  もう昔昔の話・・・


    【ポートタワー】

   日没まで、時間つぶしをします。
  六甲で夜景ドライブの日程になっていました。

   メリケン波止場に向かいます。
  昔、アメリカ人が開発したこの港を、
  当時の日本人が、
  アメリカンを、メリケンと聞き間違え、
  そのまま、
  メリケン波止場という名前になりました。

   実に、正直というのは、いいものですね。
  メリケン波止場・・・
  とても、いい名前です。

   ただ、小雨で、曇っていて、景色は灰色です。

   港は雨、日暮れの雨、小糠雨
   ポートタワーに登りました。

   ここで、障害物あり。
  ガイドのライセンスが通用しない。
  旅行会社の社員証を出せという。
  そこで、前回、海遊館で、
  まかり通った名刺を出してみた。 
    
  
   「山田通訳案内士事務所」

  通った。しかも、R の受取りつき。 
  入場料金ひとり600円。
  おふたりなので、1200円

  Rは、10%でアール。
  120円の送客料をいただきました。

  何?どこに渡す金だって? 

  山田旅行会社に! 
  どこにそんな会社があるのかって?
  ここ。ここですよ。
  ここにあるのよ。ゴタのそばに~るんるん


     【裏六甲】


  日暮れて、六甲ドライブウェイに登ります。
  布引から裏六甲へ入ります。
  山田の計算では、夕食場所の


          「グラニット・カフェ」


      に着くころには、真っ暗になっているはず。


   「きれいな夜景が楽しめることでしょう。」


   と、いらんことを言ったため、
   これが、仇となることに・・・・


           ヾ(@^▽^@)ノ
  

   雨脚は、一段と激しさを増し、
   くわえて、風が出て来て、
         さらにくわえて、霧が発生。
   麻雀でいえば、面単平三色ドラドラ満貫~。

   満貫を打ち込んだ山田、
   グラニットカフェの料理で、汚名返上・・・・・

   のはずが、何と、何と、・・・
    嵐のため、本日臨時休業。

     (しまった!)

   これは、添乗員の全責任になります。
          ツアーでは、次の場所に移動するときは、
   かならず、

           「 確認電話 」

          をすることになっています。

   それをしていれば、
   こういう失敗は事前に避けられたのですが、

         アウト。

   嵐のなか、山の中、
          ほかに、食事場所がありません。
   お客様も心配のご様子。 


   このとき
   我らがドライバー、積丹半島氏が、提案。

  
    「 六甲ホテルに
                  行ってみましょう。ダメもとで。」


    「 是非、そうして下さい。」

      
      そしてホテルに着きました。
   そしたら、ホテルでは、

   「 ええ、大丈夫ですよ。
         何名様ですか?
            はい、どうぞ、お入り下さい。」

      ヾ(@^▽^@)ノ 

 エレベーターで4階に上がります。

 ここに和食レストランと、
   フレンチレストランがありました。


山田 : Which restaurant
     would you like to eat at ? 
                Japanese style
     or French style food ?
     どっちのレストランに
     行きます?和食かフレンチか?


お客様: We' d like Japanese.
      (和食で)


     お茶

   ようやく、食事の席に着きました。
   他に食べる場所がないので、
   お客様も、ドライバーさんも、
         山田も、全員
   やってきましたホテルの和食レストラン。


   さて、メニューを見て、
   オロロク オロロ おどろくことに


   なんと、最低のメニューが
   おひとり5800円なり~~~


   地球に、月ほどの大きさの
   隕石がぶつかりました。
         大爆発をおこしました。

   もはや、人類は生存が
   不可能であろうと、思われたそのとき、



エンデ
ィさん  : Please feel free
       to order whatever you like.
                 We pay for you. Please go ahead !
         お好きなものをご注文下さい。
                 我々が、あなたがたの分も支払いますから。
      さあ、どうぞ。  


          ヾ(@^▽^@)ノ


   シンガポールは、南の国。 
         南海補陀洛山にすむという、観音菩薩さんとは、
   もしかしたら、シンガポールにすむ
         大富豪のことだったのかも知れない。

       
   エンディさん、さらに、
   極上の赤ワインをご注文。

   山田のグラスに注いで、

     「飲みなはれ」

     という。

   酒はもともと飲めない山田。


    「ひっくり返ったら、あとよろしく。」

   と言って、一口飲んでみた。


   そしたら、これが、飲める。
   酒は、極上であれば、
   飲めない人間でも、飲めるのか!



     【ホテル帰着】

    
   ホロ酔いで、帰って来ました。
   ニューオータニ。もう午後11時。
   ドアマンしかいないので
   ゲストリレーションズへの挨拶はパス。

   ちょうどよかった。酔ってあいさつしたら、
   ガイド人生はおしまい。

   きょうの報酬を受け取って、
   さよなら~。またあした~~。
   明日は、午前11時のお迎えで~~す。


    おしまい
    山田 錦