第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 87】

2013年 9月10日(火)



   午前9時20分。 俵屋。
   9時から待つこと、20分。お出ましです。


パトリックさん: Hello, Mr.Yamada.

ユリシーズさん: ブナジワ, 山田 
        (good day に相当するルーマニア語


山田    :  Good morning, Mr.and Ms. Patric
         おはようございます。
  
        Did you bring your passports ?
        パスポート忘れてはりません?


みなさん :    We have them here.
        あるよ。


山田   :  For sure ?
        ほんと?


みなさん :  Sure !
                       本当さ。


ヾ(@^▽^@)ノ


 俵屋では、宿のスタッフが、大勢でお見送り。
 向かいの「柊屋」と、何か、対抗意識が
 あるのでしょうか?

なぜ、ハイアットリージェンシーでは
なかったか?
それは、昨夜、パトリックさんは、宿替えをしていたからです。

 なので、本日のお迎え先は、
この和風色たっぷりの、旅館、「俵屋」 です。

ヾ(@^▽^@)ノ


まず、宮内庁事務所へ・・
そして、手続きを済ませ、
10時スタートの御所ツアーを待ちます。 


 【御所ツアーが始まります。】


御所のガ
イドさん: あら、お久しぶりね。



山田  : あ、はい。9月になって、
      ようやく、
      仕事が入るようになりました。
      8月中は、ヒマでした。


この専属ガイドさんの、
はぎれのいい英語を聞いているのも、
語学のいい勉強になります。


お車寄、紫宸殿、清涼殿、どこへいっても、
パトリックさんとユリシーズさんは、
ガイド嬢の説明を聞いてはりません。
写真撮りまくり。

ええよ~。好きにしても。

ヾ(@^▽^@)ノ


そして案内も、終わりに近づいたころ、
ガイドさんのそばにきて、一生懸命、
説明を聞きます。 (もう遅いで。)


それは、曲水の宴の説明でした。
庭の池は、水流を変えることができるようで、
その上に、
お酒の入ったカップを載せたお盆を浮かべます。

池の周りには、貴族に扮した参加者が座ります。
参加者は、自分の前に、酒の
載ったお盆が来るまでに、
詩を詠まなければなりません。

もしも、詩が完成しなかったら、
酒を手に取ることは出来ません。
この遊びを、曲水の宴といいます・・・・

というような説明を、
途中から聞きに入っても、わからへんやろ。


山田 : She was illustrating that painting
     on the door.
     That depicts a scene
     called " Kyokusui no Utage ", or
     the game taking the cup of sake
     by producing a poem.
     You cannot take the cup in a tray
     that is floating on the surface of water
     until you finish producing a poem.
     The poem in this case ,
     is the one with 31 syllables. In other words,
     the poem that consists of 31 syllables.
    
     今、扉の絵の説明をしてはりました。
     この絵、曲水の宴を描写しているといいます。
     詩を詠んで、杯を取るゲームです。
     詩が完成するまで、杯を取ることができません。
     詩は、31音節でなければなりません。 

     Look at the pond there.
     The participants sit along
       the water, and write
     a poem you make on the spot
     till the tray on which a cup of
                  sake is set flows to you.

     池をごらん下さい。
     貴族たちは、その淵に座り、
     酒の載ったお盆が流れ着く
     までに、和歌を詠みます。     


パトリックさん: Ah、haa, alright.
         あー、OK。


   ユリシーズさんは、まだ写真撮影です。
   お常御殿がお気に入り。
   ここらの庭、最高でっせ。


   【ATMへ立ち寄り】


パトリックさん: Please, Mr. Yamada,
         Kindly please stop at a bank or
         すまないがね。ちょっと、
         銀行か、それとも・・・


山田    :  Drop in for using ATM ?
         ATM 使いはんのかな?

パトリ
ックさん  :  Yes.
                           せや.

    
    西に進めば、シティバンクが、
    烏丸四条と室町四条の間にあります。

    ただし、ここは、市バスの停留所があり、
    あまりぐずぐずしていると、
    叱られる。いや、それで、すめば、まだよい。
    駐車違反のキップをもらう危険性あり。

    なので、


山田  : If you don't find our car,
       please wait here.
      the car will come back after
      making a round around neighborhood.
      車がなくても、待っててね。
      一周してもどってくるから。


パトリック: OK ! I'll be back soon.
       わかった。すぐ戻る。


 さすが、状況がわかってらっしゃる。
 電光石火の早業で、お戻り。
 何と、1台の市バスにも、睨まれずにすんだ。



  【二条城】

 
山田 : In 1600, there was a big battle
     between eastern group of
     samurai warriors and
     western group of them.
     the leader of eastern group
     was a Tokugawa family.
     The battle resulted in the victory
     by the Tokugawa family group.

     1600年、東軍と西軍とが合戦しました。
     東軍の大将は、徳川家。
     徳川家率いる東軍の勝利に終わります。

     In 1603, the head of the group,
     Yeyasu became the first shogun
     of Tokugawa government

     1603年、東軍の長、家康が幕府を治めます。

     At the same time , he built this castle.
     He felt necessity to build the castle here
     because there were some samurai clans
     who would get close to Emperor.
     The Imperial Place was laid a few hundred
     meters opposite of the castle, good
     enough distance for surveillance
     toward the Imperial palace.

     同時に、この二条城を築城します。
     家康は、この城の築城の必要性を感じていました。

       抜け駆けして、天皇に取り入る大名たちの監視を
     するためです。

   
     御所は、この城の向かい
     数百メートルのところにあり、監視するには、十分の
      距離でした。

     ヾ(@^▽^@)ノ 

暑いけれど、その説明は、御殿に入る前に済ませます。
中は、声を上げると、
迷惑がるグループもあり、なかなか、気を使います。

ヾ(@^▽^@)ノ

遠侍の間、式台の間、大広間、黒書院、
淡々とガイドを進めていきます。


さて、白書院まで、来た時、
ユリシーズさんが、山田に質問。


ユリシーズ : Mr. Yamada, what is that stand for ?
        on which he rests his right arm.

        山田さん、将軍が腕を休めている台は
        なんのためですか?  


山田 : That's what we call an arm-rest or arm-support.
     あれが、腕置きとか、腕掛けっちゅーやつですわ。


ユリシーズ: Oh, yes. it's a good tool.
 さん                 But why he uses it for only one arm ?
       Why doesn't he use two because you have two arms.
       
       なるほど。でも、どうして、片方だけなの?
       腕って、両腕あるんだし、ふたつ、要るんじゃないの?



山田   : (そんなん、知らんがな。この将軍に聞いて!)
       Well, if he put two arm-rests
       there both side, then he has a hard time
       when he goes somewhere.
       You cannot step aside, neither side.
       the arm-rests make themselves obstacles.

       せやねぇ。ふたつあったら、
       動かれへんやろ?立って、右も左もふさがって、
         どっちも、行かれへんやんか。     


     【昼食は、どちらで?】

山田  : Well, Mr.Patric, as we ate lunch
      at a family restaurant yesterday, how about
      taking a typical Kyoto cuisine ?
      ところで、旦那、きのうの食事は、
      ファミレスだったのだし、
      きょうは、どうでしょう、
      京料理ってのは?


ユリシ
ーズさん: Mr. Yamada, that sounds great.
      Please take us that Kyoto dish restaurant.
      山田さん、それって、すてきだわ。
      是非、連れて行ってちょうだい。


   【ついに、やってきた東観荘】

ヾ(@^▽^@)ノ

そのうち、来る日もあるだろう。
長く、温めてきた東観荘のパンフレット。
お昼は、3500円也。
お昼の京弁当としては、標準の価格。
山田の生活標準では、
超エクストラヴァガント料理。
extravagant food イェ~イ

ナイフとフォーク

        
円山公園の奥の奥。
隠れたひっそりしたところ。
ここに、長楽寺というお寺があります。
    
平家物語ゆかりの寺。
どういうゆかりかというと、
壇ノ浦で破れた平家の奥方、
建礼門院徳子が、
我が子、安徳天皇を抱いて、
入水自殺をはかったというお話に、
深い縁のあるお寺。

徳子は、源氏に救出され
一時、この寺に預けられます。

お寺の鐘が、ゴ~ン・・・・と、
鳴れへんけど、今にも、
鳴り響きそうな、たたずまい。

その東山の山ふところに抱かれた寺の隣に、
ひっそりと孤高の門構え。
これが、東観荘。京料理どっせ~おとめ座
 

山田 : I'll away while you eat here
     because the meal is too expensive for me.
     お客様、ここで召し上がっている間、
     私は、別の場所にいます。
     ご一緒するには、私には、高級すぎるので。


パトリックさん:We 'll invite you.
        Please come with us.
        ご招待しますから、
        どうぞ、一緒にお願いしますよ。


山田  : (やった~。ばんざ~い。日本一~。)・・・
       Then, if you insist.
       そういっしゃって、いただけるなら・・・

ヽ(゚◇゚ )ノ

とか何とか言って、山田は、ついて行くのであった。
両手に、日本の国旗を持って・・
というか、そういう気持ちで。

天皇陛下~パトリック閣下~ユリシーズ猊下
 山田錦殿下~ちゃう、ちゃう。お前は、称号あれへん。 )

私たちは、庭の眺めのいい個室に案内されました。


山田 : This seat is for the master.
     And this position is for an important guest.
     この席は、主人が、こちらは、ゲストが座る場所です。


そう説明すると、ユリシーズさんが、
ちょこんと、上座におすわりになりました。

     
山田  : She's a messenger sitting on the elevated seat.
      ユリシーズさんは、勅使ですなぁ。


パトリ
ックさん: I 'm Shogun.
       ワシは将軍や。


山田  : I 'm a page boy sitting next to Shogun.
.      じゃ、私は、太刀持ち
   
   
料理が運ばれてきました。
まず、上座の勅使様・・・ではなく、ユリシーズ様。
それから、ご主人。そして、ゴタにも。(ヨカッタネ)

この静かな雰囲気が、
パトリックさんには、とても、お気に入り。
何度も、繰り返し、おっしゃいます。

ワンダフォー。ビューラフォー。
スプレンディット。ウェオ。
ホワット シュッド アイ セイ・・・イエス
クワイエット エレガンス。

何か知らんが、
パトリックさんのたどり着いた結論は、

quiet elegance なのだそうです。

ワビかサビか、そんなところでしょうか。


     【食後】       

周辺の散策です。
山田が、車を駐車場に取りに行く間、
お客様は、霊廟を散策。
長楽寺の南。ここに、東大谷本廟
英語でいうと、モーサリーアム。

この本廟を境に、北は円山、
南は、真葛が原、と呼び習わされています。


    【清水寺

食後のお散歩時間が長すぎたようで、
清水寺に行けば、時間オーバーの可能性が
出てきました。

こんなとき、東観荘で、
3500円の食事の招待を受けたガイドは、
どうすべきか?
   
    (わからん。)

ままよ、とご案内するのみ。

 (上手に短い時間で案内すればいいのだ。)


そう決め込んで、さっさと、先導。

手水舎・・・・もういい。

   
ユリシー
ズさん : Did you say we should rinse hands
      before paying visit ?
      お参りの前にお清めだったでしょ?


山田  : You are already purified.
      もう、清められていますよ。   

     (^_^)v
  

だが、人生は皮肉である。
パスしようと、思えば、思うほど、
あちこち、ぴょん ぴょん、行きはります。
そのひとつが、

     【自主神社】


ユリシー
ズさん : What's that ?
       こっち、何かしら?

山田  : Jishu shrine.
      自主神社です。

      The shrine is for God for match making.
      縁結びの神様です。 


ユリシー
ズさん : Then I have to pay a visit.
      じゃお参りしなくちゃ。

      
山田  : Why ? You are so a good apple.
      え?いいご夫婦なのに?


おふたり: That's the very reason.
      だからこそだよ。


山田  : (いや、さっぱり、わからん。)


  ( ̄□ ̄;)!!  

   
よく、わからんが、そしたら、
まだ、挙式がまだとか・・いや、
あまり考えんとこ。
知ってしまう罪は思いぞ。

          
奥様・・・(と山田が信じる)・・・
ユリシーズさんは、子安の塔にも
ご興味があったかもしれません。
でも、契約時間は、まもなく終了。

         
ランチの義理を背負う身には、
せめて、この清水寺から、
ホテル(ハイアット)までは、エスコートして
さし上げなくては。
  

          
     【清水寺参道】

 清水焼のお店にお立ち寄り。 
 徳利をお買い上げ。ありがとござんす。


      【教訓】

 三年坂で、瓢箪を見つけたとき、

 何か、考えているご様子でしたが、
 やはり、ここに来て、
 何を買おうとしていたかが、判明。

 物事には、前兆というものがある。
 瓢箪の前兆は徳利である。



     【ハイアットリージェンシー京都

 1時間遅れで、ホテル帰着。
 タクシーなら、1時間分の追加料金を頂戴しますが、
    
 7時間のガイドでしたので、
 本来は、20000円頂くべきところ。
 18000円(ツアーの開始時に頂戴しました。)
 のまま終了。


 これは、最近、よそのツアーを受けて、
 初めてわかったことだけど、よそは、結構
 ガイド料金が高いのだ。
 相場は、1日、30000円である。
 そうなんだ。世の中、そういうふうに、動いている。
 値上げを検討するべきかもしれない。

   
  【 代わりのガイドが必要なときに、
   今のままだと、見つからないかも。】

     
午後4時。課題を残したまま。終了。


   山田 錦