第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 60】

2013年4月26日 (金)


   京阪天満橋駅に着いたのは、午前8時。
   谷町6丁目のトヨタレンタカーには、
   マイクロバスを、午前8時に予約していました。
      
   と、いうことは、遅刻決定。
   そこで、電話を入れる。


    「 すみません。
      今朝8時にマイクロを
      予約しています山田と申します。
      8時20分頃に
      借り受けに行きますので
      よろしくお願いします。」


    「 わかりました。
     ではお待ちしております。」

 

   大阪では、~筋、と言えば、
   その道路は、南北に走っている。
   ここ、谷町筋は、桜宮から、
   天王寺まで、南北に貫く大幹線である。


一方、~通り、といえば、
東西を走る道路である。

長堀通りは、東は、大今里、
西は、西大橋を結ぶ、
これまた、幹線道路なのであります。


      (=⌒▽⌒=)


その、長堀通りと、
谷町筋の交差点は、谷町6丁目。
ここに、トヨタレンタカーの
営業所があります。

 

トヨタ・レンタカー】


店員さん : では、運転免許証を
       拝見させて戴きます。


   この頃、JGAのガイド検索システムには、


    「 通訳案内士が運転して、
      案内するときは、二種免許と許可証が
      必要です。」

 

  と、明記されています。

  その意味では、山田の大型運転免許は、
   一種免許ですから、戒律を犯しております。

  でもなあ、レンタカーって、白ナンバーでしょ。
  一種免許で、ええと思うねんけど。

  どうせ、タクシー協会の圧力を受けて、
  そういう能書きをたれてますのやろ。


  そんないやがらせ、言うのであれば、
  MKタクシーこそ、
  通訳案内士法を守れ。何がエスコート料金や!

 

       ヽ(゚◇゚ )ノ


    【ホテル日航大阪 午前9時30分】


  ロビーには、すでに、6人がお待ち。


山田  :  Are you 6 people with you ?
       I thought you'd be 10 with you.    
       
      あれ、6人ですか? 
      10人だとばかり思っていました。


ジェニ
ファー
さん : 10? It's Lava family staying
    at Swiss Hotel.
    They are 10 with them.

   10人て・・ああ、
   ラーバさんとこが10人でっせ。
   スイスホテルに泊まってます


山田 : No, they were 6. I know because
     I met at the airport yesterday.
     いや、ラーバさんとこは、6人でしたで。
     きのう、空港でお会いしましてん。


     ヾ(@^▽^@)ノ

ジェニ
ファー
さん : Well, as long as I know,
       they were 10 people.
    That means 4 pax cancelled.
    Hey you ! Collect all
    the money for today.
    You cannot pay back for
    the cancellation
    on the day. It requires
    100% ! of payment.

    ははーん。あっこ、
   10人やったのに、6人やて。
    ほな、4人キャンセルですがな。
   ガイドさん、あきまへんで。
   当日のキャンセルは、規則ですさかい、
   全額もらいなはれ。


山田 : そんなこと、ゆうたかて・・・


ジェニ
ファー
さん :   No need to be sweet toward them.
     Okay, if you look so hesitated,
     I will call the company "Moleria."
    Who is in charge ? Ms. Agatha Noel ?

    あかん、あかん、
    そんな甘いことゆうてたら。
     ええわ。
    わて、モレリア旅行社に電話したるわ。
    アガサちゃんに
    ゆうたら、ええねんやろ?


山田  : Kind of. 
    はあ。 


山田事務所は、ガイド事務所ですから、
旅行会社ではありません。
なので、お客様との間には、約款がなく、
キャンセル料金の取り決めはありません。

とりあえず、返事を保留して、
スイス南海ホテルに向かいました。

 

    【スイス南海ホテル】


クリスチナ
・ラーバ
さん  : Good morning, Mr.Yamada.
     Did you sleep well last night ?
          
      おはよう、山田さん。
     ぐっすり、お休みになられましたか?


山田  : Yes, I got fast asleep.
      はい、ばっちりと。

       Ms. Lava, there's something
     I have to tell you about the payment.

     あの、ラーバさん、
     ちょっと料金のことなんですが・・
  

ラーバ
さん  : Yes ?
      はい?


そのとき、家政婦は見た。
山田も見た。みなさん、人数が増えている!
10人いらっしゃいます。

   (ほな、合うてんねんやない!)


しかし、総費用をキャンセル人数分を含めて、

   (但し子どもは無料なので15人)
    
頭割りして、さきに、
イグナシオさんのグループ分をすでに、
戴いたあとです。

同様に、ラーバさんのグループにも、
10人分のご請求を申し上げました。

 そしたら、

   「 OK !」

 ああ、ホッとしました。


  【出発ー】


マイクロバスが出発します。
スイスホテルのスロープを降り、
堺筋を南に取ります。
あとは、第二京阪で、
京都まで、まっしぐら。

びっくりしたことに、
この第二京阪にあがったとたん、
お客様はおおはしゃぎ。

高速道路は初めてのご体験。
そりゃ、よろしゅうございました。

 「Hey,Yamada! What's that ?」
  なあ、山田っち。あれ何だ?

誰かが。後部で声を上げます。


何だって言われても・・・・

  
目立つ建物は、京セラ以外ありません。


 「 It's Kyosera. a company' head office
  famous for its cell phone.」
  携帯電話を作ってる会社で、
  京セラいいます。


 「 How long is the height ?」
   高さって、どんだけ?


  (知らんがな!)
  
 「 Well, taller than I. 」

 
  適当にあしらう。
  
 そりゃ、その気になれば、
 
京セラTEL: 075-604-3515
  (広報室)

 に電話すれば、
 教えてくれるのだろうが、
 今度、同じことを聞かれたら、調べまっさ。


【休憩】

誰か : Mr. Yamada, Please stop over at a shop.
     We want to buy some drinks.
     
       山田さん、ちょっとお店に寄ってよ。
     飲み物が欲しいんだ。


ヽ(゚◇゚ )ノ

高速を鴨川西で降り、河原町九条を西へ。
大石橋を越えたところ、バス停前だったが、
コンビニがあったので、止まる。
  
来ないだろうと思っていたら、
すぐにバスが来た。
不思議なことだけど、
バスに乗ろうと思って待っているときは、
ぜんぜん来ないのに

来て欲しくないときには、
続けて、2台、3台とやってくる。

  (バスのあほー。)

心でいくら、叫んでみても、
無情にも、バスはやってくる。


お客様はというと、


お客様
たち : Can we use the toilet at the shop ?
     お店でおトイレ貸してもらえますか? 


山田   : Yes, I think so.
       いいと思いますよ。


あちゃー。さらに、5分待つことが決定。
バスはほかに、移動するところがありません。
お店の選択ミス。


      【教訓】

 バス停に、16人も乗った車を止めてはいけない。
 次々に、降りていって、買い物、
 トイレ、トイレ、買い物、立ち食い、トイレ、
 買い物、買い物、忘れ物、
 合計時間が15分。気をつけたまえ。
 いつもの2~4人客とは、事情が違うぜ。

 

      【二条城】

 実は、二条城のバス駐車場を
 利用するのは初めてです。
 まずもって、入場の仕方がよくわからない。
 さっそく、電話。

 

電話 : すみません。京都駅近くから
     マイクロ・バスで向かっていますが、
     バス駐車場の入り方は、堀川通りから、
     入るのですか?それとも、
     千本通りの押小路を東に向かって入るのですか?


係  : 堀川から来て下さい。

 

 堀川から来てみた。バスが並んでいます。


( どのバスのうしろに
 着けたらええのんかな?)

  
 うろたえていると、係員がやって来た。

 

係員 : すみません。
     駐車料金をいただきます。
     2500円になります。


山田 : ワシ・・・ちゃうわ、タカ。(高っかー)
    マイクロバスでも、
    大型バス料金なのですか?


係員 : すんませんなあ。 
    タカが・・・ワシが決めたんちゃいますしな。 
    ほな、伊那バスさんのうしろに
    着けてください。
     運転手さんは、残っててもらえます?


山田: あ、あかんわ。
    お客様のチケットを
    買う仕事もってますさかい。


係員 : ほんなら、買うたら、
     すぐ、もどってきてください。
     前のバスが動いたら、
     前へ、前へ、動かしていきますのや。
     たのんまっせ。


山田 : しゃあないなあ。
     ほな、お客様を入場させたら、
    戻って来ますわ。


     ヾ(@^▽^@)ノ


   桜も終わった、平日の駐車場。
   まだまだ、スペースはあります。
   ちょっとだけ、約束違反を犯して、
   二の丸御殿前まで、お供。

   写真を写すお手伝いという
   重大な任務が残っておりますゆえ。


    【再び駐車場】


  グッドタイミング。前のバスが動きました。
   山田、大急ぎで、自分のバスに
  乗り込む。が、係員が睨みつけています。

   
  「 ああ、おトイレ行ってましてん。早う、
   もどらなあかん思うて、手も洗わんと
   もどって来ましてん。」


   【教訓】 誠意を示せば、許される。 
     

   ヾ(@^▽^@)ノ

  
  【お昼は、どこって? いつもの「さと」でっせ。】


 駐車場で、お客様の帰りを待ちます。
 何か、手抜き仕事みたいで、気が引けます。

 一組、また一組と、お帰りです。

 日本の添乗員さんは、「お帰りなさいませ。」

 だけど、我々、インバウンドの添乗員は、
 何と言って、お声をかければいいのでしょう?

 とりあえず、

  「ウエルカムバック」

 と、言ってみた。

 問題なさそうである。
 またそのうち、新人研修に参加しようかね。


    【さと】


 予約を入れておいたので、別室に案内された。
 堀床式のロー・テーブル席。
   
 ただし、small cozy room 小さな6人用の部屋。
 これを3部屋用意してもらえました。

 ゴタ、メモを取りながら、
 各部屋のお客様のご注文を聞きます。


イグナ
シオさん : Yamada san. Join us. We'll invite you.
      Oder what you want.
        
      山田さん、こっちいらっしゃい。
      あなたの分、私たちがお支払いします。
       好きなものを注文しなさいね。


ラーバ
さん  : No, no Mr.Yamada.
      Please come and join us.
      You are welcome.
      We 'll pay. Please.
        
      だめよ。山田さん。
      こっちにいらっしゃいな。
      ご招待しますわよ。

 

 こういう場合は、
 どっちの部屋に参加すればいいの?

 ただし、迷うヒマはありません。
 店員さんが注文を取りに来ました。
 山田、通訳開始。


マリアさん : What's this ?
        これって何?

 

 ゆびさすところは、白玉入りぜんざい。
   
    「さあ?」

 なんて言っていられない。
 このために、通訳ガイドという仕事がある。
 あるのだが、どう説明すればいいか。
 えーと、えーと・・・


山田  : It's a thick kind of sweet red-bean soup.
      The whit ingredient is what we call
      shiratama or rice-flour dumpling.
      小豆のスープです。
      白いのんは、白玉ゆうて、米の粉のダンゴや。


別の
お客様 : Yamada san please come over
      and help us to order.
      山田さん、こっちにも、来てよ。
      注文手伝って!


   あっち、行って、チョンチョン。
   こっち来てチョン.

  何か忙しい。

  それで、全部、うまくいったのですか?
  そうゴタにお聞きですか?
  そんな、あなた、不器用な私をつかまえて、
  何ちゅうことをおたずねなさるの?

  あんにん豆腐が説明できなくて、
  最後まで、スイートデザートと言って
  逃げ切ったわよ。

  そもそも、あんにんどうふって、何者なの?

    Chinese sweet tofu ?

  しかも、メニューにあったのは、抹茶杏仁だ。   
 

  何か、今年のガイド試験に出そうな言葉だなあ。

  わっからねえぜえ!


    ヽ(゚◇゚ )ノ

 
 結局、抹茶杏仁のデザートつきメニューを
 頼んだお客様の部屋で、同じ定食
  (なごみ定食)を食べました。
 奇遇にも、ラーマさんの部屋でしたので、
 およばれになりました。
     

     Thank you.

 

     【金閣寺

 Here we are at the Kinkakuji Temple.
 Let's go・・・あれ?

 誰も、バスから出ようとしません。

 

お客様1 : Mr. Yamada. Please.
        We won't see this temple.
        山田はん。すんませんけどなあ。
        わしら、この寺、見たいと、思いませんねん。


お客様2 : Please take us one of other places.
       どっか、他の場所へ連れて行ってたも。


山田   : Alright if you say so.
       じゃあ、そうします?


ヾ(@°▽°@)ノ

 


 【京都ハンディクラフトセンター】

 

お客様のご希望に沿って、
おみやげの買えるところ・・・

ということで、こちら、

「京都ハンディクラフトセンター」

 に、やって参りました。

この頃は、アミタというほうが
いいのかも知れない。
駐車場は、アミタに入れました。


   【ふろしき】

フェルナン
デスさん  : What's this cloth for, Mr.Yamada ?
        山田さん、これ、何でしょ?


山田   : It's furoshiki cloth. 
       We use the cloth as a bag.
       See ? Put in the center og the cloth.
       And wrap it up to carry.

         ああ、これな。風呂敷ですわ。
       もの入れて、持ち運びますねん。     

    

フェルナン
デスさん : Can I use this as a scarf ?
       Do I look good wearing like this ?
       スカーフにならないかしら? 
       どう、似合う?

      

  フェルナンデスさん、
  風呂敷を頭に巻き付けます。

  山田は、子どもの頃、
  風呂敷をマントにして、月光仮面になった。
  スカーフにも、敷物にも、マントにも、
  壁飾りにも、何にでもなりまっせ。

   
  
    【道頓堀】
 

  予定では、このあと、「清水寺」。

  ところが、


ラーバさん : Mr. Yamada.
       You need not go to the Kiyomizu temple.
       We all of us want to go back to Osaka,
       to go shopping around
       Dotonbori area. So please go back.
       
       山田さん。清水寺は、行かなくてもいいわよ。
       もう、大阪に
        もどって、お買い物がしたいのよ。道頓堀でね。
        みんなそう思っているのよ。お願い。

(ノ´▽`)ノ


そんな、急に変更されては・・・・


山田  : That's okay. But the calculation
      is very difficult
                      for how much I should
                      pay back to you.
      It's getting troublesome to me.
      いいんですけどね。払い戻し金の計算が、
                      ややこしくて、困るなあ。


ラーバさんと
イグナシオさん: Oh that's okay. They are your tip.
                                 Please take all for you.
        
                           あーら、いいわよ。あなたのチップよ。
                                全部、取っておきなさい。


うーん、彼らのポリシーによれば、
当日のキャンセルは、全額没収である。
ゆえに、全部、ゴタがいただき~。
と、なるのでありますが、
さて、どうしたものでありますか?

これが一番、困ることなのです。
このツアーは、マニラのモレリア旅行社の
企画した、「募集型企画旅行」になります。

もちろん、当日のキャンセルは、
全額支払いとなります。
まあ、そこまではよい。

だが、モレリア旅行社は、お客様からの、
ツアーのお金をゴタ事務所に
その集金を任せているのです。

わざわざ、そうしたことには、
コミッションが関わっています。
山田のガイド料金は、もともと、
1日、せいぜい20000円なので
ここから、
コミッションの5%を取っても、
1000円であります。

海外送金すれば、手数料の
方が高くつく、というので、わざわざ、
このオプショナル・ツアーの全額を
山田事務所に一任しているのです。
   
つまり、コミッションは、この総額の5%ですから、
およそ、20000円になるわけです。
そこまでは、よかったのですが、
立ち寄り地をキャンセルすると、どうかるか。


払い戻し金が、尋常でなくなる。

金閣寺の場合、400×15=6000円の払い戻し。
それと、駐車料金、大型車両、800円の払い戻し。
合計、6800円。これを頭数で割って、
6800÷15=なんぼや?わからん。

さらに、モレリア旅行社に支払う
コミッションも変わってくる。

だが、お客様、全員が、ザッツ・オッケー。
ユーテイク イット。ユア チップ。
じゃ、もらっちゃうぜ。6800円。
アガサさまには、内緒だぜ。

   イェ~イ。
     
     
  【道頓堀】

何と、道頓堀で、1時間取ると言ったのですが、

ラーバさん、イグナシオさん、それぞれ代表の方が、

 「 We call it today.
   Thank you. You can go back home.」
  
もうきょうはいいよ。
もう帰ってもらっていいですよ。


v(^-^)v

      
  ほんまかいなと疑心暗鬼の山田でした
  おしまい。    


  山田 錦