第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 20】

山田 錦の通訳ガイド日記(20)

2012年  6月30日 (土)  

午前11時。携帯に電話が鳴ります。

 
電話の声: もしもし、こちら
              京都のアランヴェールホテルです。
              お世話になります。


山田  : あ、はいはい。ゴタです。
              こちらこそ、お世話になります。


ホテル : さっそくですが、今から、4~5時間、
               外国の方の案内をお願いできますか?


山田  : え? 今から?・・・

 
   前回の失敗は、返事をぐずぐずしたこと。
     今回は、ふたつ返事。
   何、返事はひとつ。
 

山田  : はい、わかりました。
      今、大阪ですので、
             お時間を2時間見て下さい。


ホテル : わかりました。
      お客様は、中型タクシーをご希望ですので、
      よろしくお願いします。


山田   : 了解しました。 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 


   ヘッポコタクシーの先輩に頼んでみた。


先輩 : あー、悪いね。午後1時から、
     5時間じゃ、午後6時に終了だよね。
     実はうしろがあって、
     午後4時入庫なんだよ。
             他を当たってくれよ。


山田 : いないよ。先輩だけが、頼りなんだよ。
     何とかならないの~?


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


  12時20分。 京阪七条駅

  (あれ?まだタクシーが来ていない。
  ここに先輩の紹介の
  個人タクシーさんが来ることに
  なっているんだけど・・・)

  ここで、山田、
  領収証に貼る収入印紙
  ないことに気づき、
  文房具屋へ。


山田    : すみません。小切手を下さい?


お店の方 : え?収入印紙のこと?


山田   : あ、そうそう、そうとも言う。


お店の方  : いや、こうしか、
                     言わないよ。何枚いるの?


山田   : 1枚。それで、判子があれば、
                     ほしいんですが・・・
        山田なんですけど。


お店の方  : ああ、今の印紙に押すんだね。
        じゃ、うちは山田だから、
                       買わなくても、これをお使いなさい。


山田    : おお、ありがたい。
       ついでに、水があればなあ。


お店の方  : はいはい。


      ヾ(@^▽^@)ノ


   4・5時間のタクシー代込みガイド料金は、
        30000円未満なので、
   印紙はいらないのですが、延長されても、
         OKの準備。これがプロだ。ワハハハ・・・
   何か、むなしい・・

   店を出ると、交差点を南向きに
          黒塗りのタクシーが止まっていました。

   (ははーん、あれが、そうだな。)


山田       :  ゴタです。よろしくお願いします。


個人桃山さん :  よろしくお願いします。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


12時40分。 アランヴェールホテル着

  ロビーにお客様。男性2名さま。
  お名前は、ジーウェルさま。オーストラリアからの
  お客様です。


ジー
ェルさん : How do you do ? I!m Zeawell.
       (ジーウェルです。よろしく。)


山田   : How do you do ?
                     I'm your guide,Yamada.
       It's great pleasure,Mr.Zeawell.
       
                    ( ガイドの山田です。
        よろしくお願いします。)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※  

   ジーウェルさんの奥方は日本人だそうで、
   横浜で、仕事をしていたおりに、知り合った
   とのこと。


山田   :  Where does she live in Japan ?
       (日本って、どこに住んではるの?)


ジーウェ
ルさん  :  Oh, no. we're now livin'
                    in Australia.
      ( え、ちゃいますって。
                     オーストラリアでんがな。)


山田   :  Oh...yeah, that's what you said.
       (ああ、そうどしたなあ。)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ジー
ェルさん:  Mr, Yamada, We're interested
                        in samurai and ninja.
                       Please take us somewhere you'd think good.
      ( なあ、山田はん。わっしら、サムライとか、
                       忍者に興味もってまんねん。
       適当なとこへ、案内しとおくれやすな。)


   ( サムライと忍者? どこ行ったら、エエねん。)

   ない脳みそを振り絞る。
   その脳味噌のお告げは

   「・・・二条陣屋じゃ~。」

  ほんまかいな。ドライバーさんに聞いてみたら、
       改装工事中で、見ることが出来ない
  という。まあ、とりあえず、二条城へ、
      出発ーっダッシュ(走り出す様)


※※※※※※※※※※

  念のため、京都市観光協会に問い合わせたところ、
      確かに、9月まで、工事のため、入場不可とのこと。


山田  :  Looks like there's no choice but
                    go to Iga-Ueno or Koka-ninja village.
      ( 伊賀か甲賀の忍者村まで、
        行かなあかんかもよ。)


お客
さま  : How far ?
      (遠いんでっか?)


   ドライバーさんに、甲賀忍者屋敷は、
        ここから距離がどのくらいか聞いてみた。


ドライ
バーさん : え?そら、遠いでっせ。
                      高速で、1時間半ですわ。
       けどな、悪いけど、行けませんで。
       きょうの、このタクシー契約は
                     市内観光の料金でっさかい。


山田  : それを行くのが、
      桃山タクシーじゃないですか。


ドライ
バーさん:  あ、あんた何ちゅーこと、言いますのや。


山田  ; まあ、心配いりません。
                      きょうは、市内観光だけにしときます。


     ヾ(@^▽^@)ノ



    本日の観光コースは、お客様の、

           「日本刀と甲冑を見たい」

    というご要望にこたえるため、
    ない脳みそで、
    考えを打ち出した結果、下記のとおりに決定。


   【 二条城~金閣寺
            京都ハンディクラフトセンター、東寺】

   つまり、日本刀も甲冑も、
          おみやげ品を見てねー、というわけ。



       【二条城】


      何と、まだ、唐門は修復中。
  
   ( さっさと、修復せんか!
     サボるな!・・オレと一緒や。)


山田   : Look at the carriage
       porch in front of us.
                     There are beautiful sculptures.
         
              ( 正面、車寄せなんですけど、
                彫刻がありますねん。)


お客さま :  Umm, good,
       (ああ、いいね。)


   この彫刻と同じような彫刻が、
     唐門に施されている、
    と言おうとしたのだが、止めた。

  見ることができない門のことを
    説明しても、仕方がない。 

※※※※※※※※※※※※※

 あ、しまった。靴の脱ぎ方を
   説明していなかったので、
   お客さま、土足で、板の上を歩いて
 いたところを、係員に叱られた。


山田  :  I'm sorry.
                 (すんません。)

   日本人の係員に英語であやまるアホなガイド。

※※※※※※※※※※※※※※※

  二の丸御殿の中。 廊下がうぐいす張りなので、
      キュッキュと音が鳴ります。
  これが何と、楽しいらしく、しばらく、
      わざと、キュッキュと鳴らして、お戯れ。


お客さま : This is what you call
                        the nightingale hallway, isn't it ?
      (これがうぐいす張りっちゅー廊下か。)


山田   : Exactly !
                  (はーい。)


※※※※※※※※※※※※※※※※

     庭に出ました。

山田 : Let's look at the back of the hall way
                 from under how it looks like
                 so that you'd know the devices that
                 make squeaking noise !
 
     ( ちょっと、床の下を覗いてみましょう。
               どうなっているのか。)


  見ると、二股の釘が、打ち付けられています。
      一応、これが、うぐいす張りの音の
  正体だということになっていますが、
      真相は定かではありません。

  そもそも、単に、建物が古くなったので、
      廊下がきしみだしただけのことだとも
  言われています。

      私めも、先輩から、
   そのように聞いております。
 
  あはは。なのに、お客さまとおつきあいして、
      不思議がるこの私は、何者だ!

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

  本丸へは、行きませんでした。

山田 : Thunder destroyed the main building
              called Tenshu or the donjon.
              So you wouldn't look at anything but
              some wooden ordinary residences.
              
         ( 落雷で天守が焼失したので、
            何にも見られません。普通の家しか。)


お客
さま: Alright then,
            we'll believe you !
            Let's skip it !
    
        (じゃ、あんたを信じて、パスしましょ!)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

    清流園で、ドライバーさんに、連絡。
          本日は、駐車場料節約のため、車は別の場所で
   待機しています。
    
   あと、もう一回、休憩所を出るときに、
         電話を入れます。これで、600円の節約。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

    【上七軒

  金閣寺への途中、西陣から、西へ進みます。


山田:  Do you happen to know
       the Nishijin weaving ?
    
       (もしかして、西陣織り知ってはります?)


お客
様  : Oh,yes.Nishijin textile !
    (ああ、西陣織りね。)


山田 : The textile industry was once a
               main business around here.
    
    (西陣織りが栄えた場所なんですがね。)
    
     Look at that building !
    
     (あ、このビル!)
       
    You can see how the
            Nishijin textile is
            processed and weaved to Kimono
            by demonstrators in this building.
       
           (このビルで、西陣織りの制作過程を
              見ることができますよ。)


お客
さま :  Uh...
     (さよか。)


         ヾ(@^▽^@)ノ

 
  興味なさそうでした。
       それより、
        舞姑さんのお話を聞いてこられました。

   ちょうど、五花街のひとつ、
       上七軒にさしかかるころでした。

  ドライバーさんが、気を利かせて、
        その花街の路地を通り抜けて下さいました。


  上七軒お茶屋には、その印として、
       お団子のデザインのついた提灯を軒先に
   掲げています。
 
       秀吉が、お茶会にとき、
       立ち寄って、
       食べた団子が、とても、気に入って、
    舞姑の呼べるお茶屋を許可したということから、
      そういうデザインになっています。


山田: The lantern suggests that the house is
               the ochaya where you enjoy
               wine and dine with
       maiko and geiko sided.
       
         ( 提灯のある家がお茶屋でっせ。
             芸子あそびするところですわ。)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

     【金閣寺

山田  : Here we are at the Kinkakuji.
                   Let's get off the car and go !
     (ああ、着きました。行こ 行こ !)



   山門の前。
   右手にどでかんと、大きな石。そこに、

     「世界遺産
 
   と刻まれています。


山田 : The temple was registered as
                   the world cultural heritage in 1994.

     (世界遺産になりましてん、1994年に。)


   お客様、お写真。
   写しましょう、と言ったら、


    「No, that's not necessary.
     We're already too old 」

    (年寄り写しても、しゃあないし、ええよ。)


    さあ、お年は、いくつぐらいの方でしょう。
           一見、60歳前後で、まだお若い
    ようでしたが・・・。



山田   :  Go ahead please !
       (どうぞ!)


お客さま :  Oh, great !
       (わっ、すご !)


   金箔は昭和62年の改修工事で、
        7億4000万円かかっています。
   長らく英語から遠ざかっているので、
        7億・・・が言えない。
   とっさに、手のひらに0000、・・・
        
        1万。0000・・1億。7を書いて、
    7、0000、0000・・変換・・・
        700、000、000・・・


山田   : Seven hundred and
       forty million・・(ホッとする山田)・・
       yen was used for the recent repair.
           
                  ( 近年、7億4000万円
        かけて工事がなされました。)
 

      あ、しまった。いらっしゃいませーん。
    お客様はあちらで、お写真。
    聞いていてくださったのは、別の外国の方。


別の方 : Waoo gorgeous !
                    (すんごいのネ!)

※※※※※※※※※※※※  

     【換金】

 金閣寺をあとにします。
    さて、お客様、換金をしたいと仰せです。

    大旨、この手の換金は、
  京都駅の中央郵便局か、
  烏丸四条のシティバンクが無難。


    たとえ、三井住友であっても、
  換金不可となるのが、海外のカードです。

  烏丸四条のシティバンクへ。 
    ここで、雨がパラついてきました。

 (あらー、雨だ。 下雨了。 <img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/021.gif" alt="雨">)

  お客様、無事、換金完了。
    現在時刻、午後3時55分。
 
  東寺は、午後4時30分に閉門。

    ということは、万一、交通渋滞に
  巻き込まれると、
    見学不可となるおそれがあります。


ドライ
バーさん : どうします? 
                    高台寺八坂の塔に変更しましょうか?


山田   : 雨だしねえ。
       車で、乗り入れは難しいでしょ?


ドライ
バーさん : そうですね。時間によっては、
                          乗り入れができるんですが、
       今の時間帯ですと、
                         東山通りから歩いて頂くことになります。


      ヾ(@^▽^@)ノ

  そういうわけで、35分で、
       東寺に到着する、という賭に出た。
  そして、無事。15分で到着。


    【東寺】

山田  : Let's go !   
                 (行くでぇ!)


  さっそく、五重の塔まで、まっしぐら。

 
山田 : As we saw at Kyoto Handicraft Center
                  the book of five rings
                  by Miyamoto Musashi, the five are
                  equivalent to those five stories.
  
     ( 京都ハンディクラフトセンターに
                     あった宮本武蔵五輪の書
      この五層と一致しています。)


お客様 : Oh !
     (へえ。)


山田  :  The five stories are looked as earth,
                   water, fire, wind and
       emptiness, respectively.
    
         ( 五層は、それぞれ、土、水、
                 火、風、空を表しています。)


     高さ、55mで、日本一高い五重の塔だ
     といったら、「ノー」、という。
 
  聞けば、どこやらにある塔は、
     標高の高い山中に立っていて、
  それが日本一だという。好きにして~。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※       

  ホテルに戻る途中、「明日は是非、
      忍者屋敷を見たいと言います。

  ドライバーさんに、伊賀の忍者村と
      甲賀の忍者村とでは、どちらが
  いいか、聞いてみた。
 
  答は、甲賀。なぜなら、彦根城を追加すると、
      忍者屋敷と武家屋敷
  という要望にこたえることになるから。

  な~るほど。でも、OKの返事がありません。
      きょうと同じ料金じゃ、だめのようです。

  タクシーの貸切料金は観光バスと違って、市内観光用のもの。

  市外走行の場合、原則として、
      メーター走行することになっています。


     「そんなこと言わず、たのんますがな。
          そんなん、いいなや。たのみますわ。・・。」

   
   距離が300kmを超えるというので、
   交渉勝負は決着がつきませんでした。

   でも、明日のお迎えは、
   午前10時に決定しました。
   さあ、山田、どうする?


  山田の宿題 : 今夜中に、
          行ってくれるタクシーを探すこと。 


※※※※※※※※※ 山田錦
 

★ この日記は 1か月の契約ブログに書いています.

来月は消えているかもしれません.そのときはすみません.

楼蘭まぼろしの湖のように消え去る日記、無責任な日記、

これを「ロプノール日記」と名付けましょう.(山田)