第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 30】

2012年11月2日(金)


   【 午前8時。京都駅八条口の日産レンタカー店】


係  : では、お気をつけて。


山田 : 行ってきます。

    <img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/125.gif" alt="車">

       日産ブルーバードシルフィ
       (2000cc)が出発。


  【午前8時20分。京都国際ホテル】


 きょうは、フランスから、
 お見えのクリスティン シャキス様ご一家
 (Monsieur Christin Schackis)
 のご旅行のお供です。

 先に頂いたメールによると、
 みなさん、英語がご堪能とのことで、
 ただひとり、6才の男の子
 に、ご主人のクリスティンさんが、
 通訳をする、とのことでした。

 

山田  : Good morning.
      You must be Mr.Christin. 
      おはようございます。 
      クリスティンさんですよね? 


クリス
ティンさん :Good morning.  
       And you are Mr.Yamada, right ?
       おはようございます。
       じゃ、おうちが山田はん?


   ヾ(@^▽^@)ノ

  クリスティンさんのご家族は、4人家族。
  これから、1日京都観光のはじまりです。


  スケジュール表は作りませんでした。
  12時間コースなので、
  時間はたっぷりあります。


  修学旅行シーズンたけなわ。
  当然、清水寺を1番に持ってきます。

  何と、早くも、市営駐車場が満車。
  突き当たりのPも、
  きょうは、タクシー専用駐車場。

  マイカー締めだし政策。こんちきしょうめ。

  観光の外人客なんだから、
  タクシー扱いをしなさいよ!
  

  仕方がありません。
  大阪環状線が一周するように、
  東京山手線がぐるり、ぐるぐる
  回るように、

   ヾ(@^▽^@)ノ


  五条坂から、ぐるりと清水坂、またぐるりと、
  東山通り、もっぺんぐるりと五条坂
  ぐるり回って元に位置・・・やったら意味ない。
  アホや。元に位置の少し手前。
  ここが、茶わん坂との分岐の地。

 

  ここで、分岐を右手に。
  今度は、茶碗坂を登ります。

  茶碗坂の駐車場は、800円。
  山田が立替。
   
  石段を上がります。
  お客様は、この急な階段を
  飛ぶように、登っていきました。
  
  残されたゴタ。ひーこら、ひーこらと
  登るは霞か、雲か、山田錦のおじsんか?
  さよう、山田錦
  通称、ゴタのおっさんでんがな。


   <img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/313.gif" alt="かたつむり">

  
  三重の塔は日本屈指の高さ。
  でも残念ながら、空前絶後の修学旅行生の数。
  写真を撮るどころではありません。


奥様: Are we going back here ?
    If we are,
skip it now and come back later.
   ここはまた帰って来るのよね? 
    帰ってからしましょ。(写真は)

    ヾ(@^▽^@)ノ


  そうおっしゃるので、
  仁王門への急勾配の石段を上がる。

  川に流れる桃がドンブラコ、
  ドンブラコと洗濯中のおばあさんのところに、
  ゆっくりたどり着くように、私、山田の足取りは、

   ドッコラセ ドッコラセ

  と仁王門でお待ちのお客様のところにたどり着く。


山田 : Look at the right one.
     He opens his mouth uttering "A",
     the sound that comes first
     in the old Indian alphabet.
     And look this time at the left demon king.
     His mouth remains shut.
     What does this mean ?
     Means the end. He is growling the sound "N",
     which comes last.

     右のやつですけど、口開いてますやろ?
    「あ」てゆうてますねん。

     昔のインドのアルファベットの最初の音ですわ。
     そんで、左の仁王さんやけど、 
    口閉じてますやろ?
    「んー」ゆうてまんねん。
    アルファベットの最後の音ですわ。


みなさん: Oh, yeah, not perfect symmetry !
      ほんまや。左右対称ちゃうわ。


山田 :  The beginning and the ending,
    these two images are
    representative of the
    whole and perfect precept of Buddhism.

    せやさかい、それで、
    仏教の教義の全てを表してますのやで。


みなさん: Waoo.
      おー、さよか。


<img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/309.gif" alt="富士山">
  
   
仁王を、demon king と言っていましたが、
どの和英にも、Deva King と訳されていますの
で、きょうをもって、
そういうふうに言いましょう。


Devaという神がまた、様々な歴史をもっていて、
インドでは、善神で、
ヒンズー教では、悪神になったり、善神になったり、
 仏教では、善神。
ゾロアスター教では、悪神になり、

マリアカラスに冠せら
れると、歌姫になる
   
という変幻自在の神。
一方、demonの方は、

どこからどう見ても、悪魔です。
かろうじて、ギリシャ神話で、
守護神の地位が与えられている程度。


 「日本紹介事典(小島節子・ジーンクレイン著)」
      
    によると、
     

仁王 : two Deva kings
     
ということなので、只今を持ちまして、
そういうことにいたしましょう。
     
ガイド試験受験勉強をしていたころは、
ちゃんと覚えていたのだと思いますが、
長いこと、通訳ガイドの
お仕事がかからなかったので、勝手に

Deva が demon に変身してしまった(;^_^A      


   
     【教訓・訓話

 記憶したものは、
長時間、使わずに、放って置くと、
化学変化を起こし、
 別の生き物に変身することがある。
特に、ゴタのように
 安物の脳みその持ち主について、当てはまる。


さて、その仁王門を過ぎて、
すぐ左。鐘楼があります。


奥様 : Look ! the bell !
ほら、鐘よ。


子どもたち: Oh、 great !
       おー、おおきななー。


奥様  : When do they strike it ?
いつ鳴らすの?


山田  : (今でしょ?)
      They strike the bell
on the New Years Eve.
      大晦日でんな。

      They strike it 108 times to ring out
the 108 worldly sins that we have
in our mind.
108つある煩悩を送り出しますのや。


奥様 :  Do we have so
many sins kept in our mind ?
      そないようけ罪をもってますのやろか?


山田 : According to the Buddhism, yes.
仏教ではそういうことでんな。


   <img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/091.gif" alt="家">


     【随求堂】
   
山田: Inside of this hall is looked on
as inside the mother's womb.
It's very dark inside. Making roundabout
inside the hall makes you to have easy
birth.
Would you like to try ?
  
 お堂の中はおかあちゃん
おなかのなかゆうことですねん。
    ぐるっと回って来たら安産になりますのや。
    行ってきはります?


ご主人 : I don't have to.
私はその必要おまへんで。


奥様  : Claudine, si tu veux・・・
      クロディーヌ、あんた、よかったら・・


娘さん : Mais non !
      お断り!<img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/158.gif" alt="女の子">

 

     【清水の舞台 (Kiyomizu Stage)】

山田 :This is the dancing stage on which
they dance to the court music in order to
dedicate it to gods and Kannon Buddha.
この舞台で踊り踊って、
神仏に捧げるんでっせ。

Shall we dance ?
踊りまひょか?


ご夫婦: No.
いらんよ。


ヾ(@^▽^@)ノ 


    【音羽の水】

山田:The water you wrote in your mail
is maybe this one. Let's stand the line.
We are lucky because the line usually
forms a very long queue to wait for
about 20 minutes.

あ、ここが、ご主人のメールで
おっしゃっていた水飲み場ですよ。
   並びましょう。
でもよかった。ついてますよ。
普段は20分待ちの列ですから。


みなさん: Superbe ! C'etait vingt minutes !
      すっげー。20分とは・・


   珍しく、待たずに音羽の水が頂けました。
   私は、カメラマン役。
   泉の淵に立って、シャッター係。

   Un deux trois  カシャ 

  (カシャゆわへん。デジカメやっちゅーねん!)


  清水寺では、約2時間。たっぷりと見学。
  ここから、東山通りを上がり、岡﨑の
  平安神宮へ。


    【平安神宮

  ここは、応天門で写真撮影だけしました。
  日程からはずしていました。あやめが見頃の
  5月なら、いざ知らず、この季節、庭は花も少ないし、
  入場600円はきついと思う。

 

    【銀閣寺】

  雨模様でしたが、傘を使わずにばんがりました。
  みなさん、フード付きのコートをお召しでした。

  
    【ランチタイム】 <img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/075.gif" alt="ナイフとフォーク">

  先輩ガイドのアドバイスにしたがい、
  「かごの屋」に行ってみました。
  金閣寺に移動の途上、
  白梅町を少し上がった西側にPを発見。
  Pに入れました。
  入れました、それはいいのですが、
  肝心のお店がどこにあるのか、わからず、
  少し、慌ててしまいました。

 (えーらいこっちゃ。えーらいこっちゃ。
  よーいよーいよーい・・あ~あっ、あったー<img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/031.gif" alt="ドキドキ">)

  さも、当然のように、落ち着きはらって、


山田 : This is where I previewed for you !
     No other suitable place can be seen than
     this shop for your request.
     ちゃんと、下調べしておきました。(うそ)
     お客様のご希望に
     これ以上そえる店は他にありません。
      (これもうそかも)


ご主人: But our boy cannot eat
     Japanese style food !
      He likes rather snack or light meal.

     でも、うちの子、
     和食はちょっと無理のようで・・
     軽食がいいのだが・・・


山田 : That's Okey.
     お任せ下さい。

ヾ(@^▽^@)ノ

 

    玄関先にお客様を待たせて、
    メニューをお借りしてきて、見せます。

    愛があれば、言葉はいらないように、
    写真付きメニューは、
    何も説明はいらない。
    
    ご主人、パッと見て、すぐに、

      Ce sera bon !
      いいんじゃない!


    私も調子に乗って

      Evidament !
      もちろんですとも!


    ヾ(@^▽^@)ノ


  世にこんなええかげんなガイドがいるということは、
  私も海外旅行すれば、あまり
  ガイドを信用しては
  いけないということかも知れない。


 
「かごの屋」に入ることに決まりました。
 お風呂屋さんの下駄箱のような、ところに、脱いだ靴を
  入れ、鍵札をとります。


  8人掛けのテーブルに案内されました。

  ご主人と、お嬢様は、にぎり寿司のセット。


山田 : Would you like your
      nigiri-set without wasabi ?
     わさび抜きにします?


お嬢 : Oh, I like wasabi. I ordered nigiri
     because I like wasabi.
     私、わさびが大好きなの。


ご主人: We grow wasabi in our garden.
     うちの庭でね、
     わさびを栽培しているんです。


  
山田家では、
チューブ入りのわさびです。
参りました。降参!


(=⌒▽⌒=)


   料理を待っている間、
   ご夫婦はゴタにいろいろ聞いて来られました。


ご夫婦 : Have you ever been to Europa ?
      ヨーロッパには来はったことあります?


山田  : Yes, I've been to France.
      フランスやったら、行きましたで。


ご夫婦 : Oh? really?
      Which province have you been to ?
      そうなの?どこの地方に?


山田 : Paris, Cahor・・・
       パリとカオールと・・・


    カオールはご夫妻も、
    行かれたことがないそうでした。

    観光地としては、マイナーなので、
              やはり変わり者の私が行くところだったのだ。

     カルカッソンヌに行くのが
     正しいフランス旅行のようです。

     たとえば、金閣寺や、二条城を行かずに、
             錦市場だけ見に行って来た、という外国人が
    いたら、

      「変な外国人!」

    と思うように。 

   山田は、日本でも、
          フランスでも、変な日本人でした。


   さて、料理が運ばれ、舌鼓を打って、
         しばらくしたところで、山田、席を立つ用意。


   実は、山田観光ガイド事務所では、
        本日は同時進行で別の仕事をしています。
   昼食を先に済ませ、


山田 : What would you like for dessert ?
                 デザートはどうしましょう?


 とやって、みなさま、それぞれに、

「プリン」、「アイスクリーム」、etc・・・
   
 このタイミングで、


山田 : I think I will skip my dessert.
                Excuse me. I will be waiting
     in the car for you.
                Please enjoy your dessert.

                私はデザートはパスします。
     すみません。車に行っていますので。


   自分の分を支払うため、
  1000円札を置くと、ご主人は、


ご主人  No, it's not necessary.
                   We're inviting you.
                    あ、いいですよ。我々の招待ですので。


   サンキューベルマッチ。
           のんびりと、出るふりをして、
   見えなくなったところで、
   急ぎ足。即、電話。

    
  「もしもし、田中ちゃん?・・・」

<img src="http://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/125.gif" alt="車">


 山田錦通訳ガイド事務所では、
 このゴタのツアーの他に、
 もうひとつ稼働していました。

 それは、先日、
 I K E A から大阪インテックス
   家具を運んだ仕事の続き。

 大阪インテックスでは、
 今度は搬出の仕事です。

 零細企業の山田事務所では、
 担当スタッフは、
   かの田中ちゃま以外にいません。

 そこで、またお願いした。
 その前夜は、滋賀県で泊まりの田中ちゃま、
 淀屋橋の レンタカー屋についたのは、
 午前10時だったそうです。

 そら、栗東から、どないがんばっても、
 そんな時間になるもんですわ。

 インテックス出展のお客様は、
 はじめ、午前8時30分の
 お迎えを希望しておられたのですが、

 待ちきれず、さきに、
 咲州の大阪インテックスに移動。
 ですので、田中ちゃまは、そっちに
 レンタカーで、直行。


 その間、ホテルのコンシェルジュさまから、
 何度も、連絡が入ったそうです。
 打ち合わせなしの、ぶっつけ本番のお仕事。


 英語は山田と電話通訳という
 めちゃめちゃええかげんな業務。

 こんな横着見つかったら、
 普通の会社やったら、クビやで~。
 山田錦の日記は最近、
 一般公開やめたから、大丈夫やで~。?


ヾ(@^▽^@)ノ

 向こうの仕事は順調のようです。

 山田の代わりに、
 ホテルのコンシェルジュ様が、電話通訳
 の役を引き受けて下さいました。

 午前10時に、レンタカー屋を出て、
   同11時過ぎに、咲州の大阪インテックス着。
 ただし、入場許可が下りず、
  てこずったらしい。

  ホテルのコンシェルジュさんの機転で、
 Dooleyさんに
   状況説明していただいて、事なきを得ました。

 車の搬出許可が下りました。
    テーブルと椅子8脚。
 それを全部、積み込み完了なのだそうです。


 (やったー指でOK 時価10万円は
      下らない品物だ。すっげーぜ。)
   

電話が終わった頃、
シャキスさんご一家が戻られました。
 グッドタイミング!


ご主人 : Where are we going next ?
      次はどこなの?


山田  : Next, we are going to Kinkakuji
                      Golden Pavilion.
                      How would you like it ?
                     次は金閣寺ですけど、いかがでしょう?


ご主人 : Sounds good.
      ああ、いいね。


   左大文字が正面に見えます。
        なぜ、大の字で、精霊を送るのか、それは学者の間でも
   謎とされています。

         山田の説によると、


   「 そりゃ、中よりも、
              小よりも、大がいいでしょ?」


  この説の欠点は、

     
  「 じゃ、舟形は?
           飛行機のほうがいいんじゃないの?」


  「 わからん。降参。」


ヾ(@°▽°@)ノ

 

   金閣寺では、いつまでも、いつまでも、
   写真を撮られていました。
   お気に入りのようです。

   金ピカの威力は大した物だ。

 

  ヾ(@^▽^@)ノ)


  【龍安寺

  1450年、管領細川氏発願の寺。
  方丈前の庭園が世界的に有名な枯山水の石庭。

  ベランダに座り、しばらく瞑想し、
  禅体験の真似事をします。

  じーと目を閉じて、そして、ゆっくり目を開けて、

    What do you have in mind now ? 

   (何を思います?)

  なんて聞けばいいのでしょうね。

  私に聞くのは無駄。答は、きっと、


 「 きょうの晩めしは、
         焼き肉・・・カルビがいいな。」


  健全な答は健全な精神の持ち主に聞くべきだ。


  (‐^▽^‐)


  龍安寺を出たときは、午後4時40分。
  薄暗くなってきました。この頃、日が暮れるのが
  早くなりました。

  このあと、嵯峨野の
      竹藪に行く予定でしたが、ご主人は、


  「 もう遅くなるから、
           これで、終わりましょう。」


  と、いうことで、ダウンタウンに戻りました。

  夕食場所をご案内する予定も、
  途中で、子どもさんたちが、
  疲れて、寝入ってしまったので、
  中止。ホテルに戻りました。


  ここで、ご精算。食事のお礼に、
  駐車料金の立替は頂きませんでした。

  午後5時20分。お別れの握手。
  外国は握手やなあ。サンキューベロマッチ 
  メルシーボークー
  ありがとねー。

  このとき、いつも、お顔を拝見します。
  喜んでいただけたかどうか、
  とても、気になります。

  ええかげんなガイドに、
  どうしてよろこんでいただけるんや。
  ホンマにあつかましいガイドです。 
  でもまあ、無事終了。

  午後6時。京都駅でレタカーを返却して、大阪へ。
  寝屋川によって、和田ちゃんに、合流。
  こちらも、無事終了。

   あー、終わったでー。山田錦事務所、 
   両方、任務完了いたしました。 

 

  山田錦(ゴタ)