第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 31】

2012年11月15日 (木)  晴一時雨   


あれ?相楽園がない!の巻


  午前8時40分 ANAクラウンプラザ


コンシェルジュ: 山田さん、こちらです。
         もう、お客様がお待ちですよ。


山田       : あ、はい。今行きます。


   車を、玄関先につけて、お客様をお迎え。
   まず、とりあえず、後のトラブルを避けるため、

   ガイド料金表をお見せして、契約料金の確認。

   本日は、

    ガイド料金  23000円
    レンタカー  14490円
    見積燃料   2510円
   
    合計見積  40000円

   で請け負いました。   

   お客様は、5名様。マレーシアから来日。
   母語のマライ語の他、英語、中国語がご堪能。
   うらやましいトリリンガル
   ・ファミリーでございます。


ご主人のTANSAYMINさんに、
コースのご希望をお聞きします。

前夜、打ち合わせ時には、ついぞ
お会い出来なかったので、ぶっつけ本番です。

10分間の打ち合わせののち、日程を組みました。


大阪 ~ 阪神高速 ~ 魚崎 ~ 酒蔵・「菊正宗」 ~
~ メリケン波止場神戸ポートタワー ~ 
食事(神戸牛) ~ 南京町 ~ 異人館 ~ 
相楽園 ~ 県公館 ~ 大阪着


所要時間 9時~18時 の9時間


   出発~~しかけたとき、コンシェルジュさんが

   「傘はご入り用ですか?」

   「雨降りますかね?」

   「天気予報では、降るらしいですが。」

   「あの、そしたら、お借りできます?」


傘を6本積み込み。  傘傘傘傘傘傘 行くぜ~。


日程の「菊正宗」は、実は、今書き入れました。

前夜の一夜漬け、詰め込み勉強では、
「白鶴」も「沢の鶴」も「桜正宗」も、
いろいろ覚えたはずなのですが、
一晩寝たら、全部忘れてしまって、
結局、一番始めに、目に飛び込んできた看板の
酒蔵にいくことにした。

山田、もちろん、始めての酒蔵ガイド。

予約も、入れ込み連絡もしていませんでしたが、
受付で、マレーシア人5名といえば、
サービスマネージャーの
朝井さんがガイドして下さいました。
日本語ガイドですので、それを英語
で、通訳します。

 
朝井さん : この柱は、350年来のものですが、1
       3年前にここに立てられました。


山田   : The pillars originally had
       stood here since 1650.
       It was 13 years ago that these
       five were erected.


朝井さん : 柱以外は全て、
阪神淡路大震災で、焼失しました。


山田   : Other materials were burnt down owing
       to the Hanshin Great Earthquake.


朝井さん : この吊されている木のボールは、
杉の木で出来ています。
       昔、酒蔵のひとつが、
       新しい酒を造ったときに、
       それをひとつ、新酒の合図を
       するため、工場の軒先に吊したのです。


山田   : These five wood balls that are hung
       from top ceiling are made of ceder.
       In the old days
       they hang one wood ball
when they developed a new sake
for the token.


    とか何とか、説明は5~6分に及びました。

   それから、酒蔵工場
(復元モデル)の中の案内がありました。


朝井さん : この樽の中で、米と麹と水が混ぜられます。
でも、水は、きれいな
       六甲の伏流水を運んできて、
ここにいれました。こちらの、この大きな
       樽で運んできました。


山田   : They mixed rice, molt and
pure water in this barrel,
but they used the pure
       undercurrent water
fresh from the Rokko mountains.


    ヾ(@^▽^@)ノ

  実は、今まともな英文に訂正して書いていますが、
   本番の英語はもっとひどかった。
   とっさの通訳は想定外で、
めちゃくちゃな通訳でした。
   おそらく、
   中学2年生の期末試験では、
   欠点(59点以下)間違いなしの英語。

   幸い?なことに、ばれそうなことは、ありません。
   日本人は他にいません。


山田   : (あー、よかった。)

 
      ヽ(゚◇゚ )ノ


    でも、もっと、日頃、英語の研鑽を
    しておかないといけませんね、
山田のおっさんは!


朝井さん  : 米はここで蒸されます。


山田    : They steam rice here
in this iron pot.


朝井さん  : 蒸された米は、取り分けられ、
ここの籠に入れられます。


山田     : Derived steamed rice is
divided into these baskets.


朝井さん  : こちらの大きな樽の中では、
すでに酒ができあがっています。
        絞り出して、この下から酒がでてきます。
        ここに桶を置いて、
        次々に酒を取り出します。


山田    : In this big barrel,
        sake is ready to squeeze.
Sake comes out from this exit.
They put a pot here to receive
sake one after another.


朝井さん  : 残った絞りかすは、酒粕です。


山田     : Remnants are called・・・


     山田、酒粕 (sake lees ) がわかりません。
     知らなくても、金を取っている以上
     通訳しなくてはなりなせん。


山田   : Remnants are called sakekasu.
       残りものは、
       サケカス と呼ばれます。  

朝井さん : ???    


   ヾ(@^▽^@)ノ


   実際の作業工程を説明するビデオがありました。
   約10分ほどの短いフィルムでしたが、
   みなさん、真剣に見ておいででした。

   ヾ(@^▽^@)ノ  


   見学のあとは、試飲コーナーです。


案内係  : こちらで、醸造酒をご試飲下さい。


山田   : Please try sake here.


    ヾ(@^▽^@)ノ

   またもや、醸造酒という英語に詰まる。
brew でよかったんだろう。今頃ゆうても
   あとの祭り。セカンド・フェスティバル。

   宴会なら、酒の飲めないゴタにも、
   ジュースが提供されますが、
   きょうは、ジュースはありません。

   ぼけっと眺めているゴタに、お客様がご質問。



奥様:  I hear sake has some medical effects.
What do you raise are some for example ?
  
酒って、医学的にええゆうてますやろ?
どないええのんか、教えてもらえます?


山田  : (知らん) Oh, well・・・
      そうですなあ・・


    しばし時間が流れて・・・


山田  : Oh, yes. Sake is good for your skin
It has a power to keep your skin moist.
      そう、酒はお肌によろしいようで。
      保湿効果がおますのや。

  
   面白いことに、そのすぐ隣のコーナーに、
保湿効果用の化粧クリームが
   販売されていました。 なんちゅーこっちゃ。
と思ったが、そういえば、菊正宗さんは、
   数年前、化粧品開発も、手がけていたのでした。

    ( なーるほど!商売上手。
      山田、是非見習って、
自分の顧客獲得をしよう。)


  マネージャーさんが、
  我々の帰り際に、おみやげを下さいました。
  おちょこです。


    ( はー,なるほど!
      ちょこちょこ、
寄ってくれっちゅーわけや!)


ヾ(@^▽^@)ノ


  【メリケン波止場

  昔の日本人には、American の発音は、
  アメリカン ではなく、
  メリケン に聞こえたのですね。
  この波止場は、アメリカ船の着く港だったようです。
  メリケン粉で作った波止場と違います。
  ご安心を!

  港は、開国調印をして後、1968年に開港。
  もちろん、神戸港はそのときに
 、出来たわけではありません。
  TVドラマの教えるところ、
  平清盛が開いた大輪田の泊がオリジナル港。

  霧もなく、マドロス姿もなく、
  泣くスカーフの女の姿もありません。
  昭和は遠くになりにけり。

  赤いパイプを幾つも、幾つも
  寄り合わせたようなポートタワーに登ります。
  高さ105m。ただし、
  展望台フロアー部分で95m。


  お客様には、間を取って、100mだと説明した。
  北は、六甲山脈阪神ファンなら、
  思わず六甲おろしを口ずさみそう。

  一ノ谷の合戦では、義経率いる源氏の軍勢は、
  この山を騎馬でいっきに駆け下りたという。
  まさかと思って、
  のんびり構えていた平氏は惨敗。


  東にはモニュメントが見えます。
  これは、阪神淡路大震災のときの、
  地割れをそのまま残して、
  震災を忘れない記念にしたもの。
  近くに「海洋博物館」が見えます。
  きょうは、立ち寄りません。趣旨が違いますので。

  南は海。山田の年代の人間が海を見ると、


   ( も、もしかしたら、
ゴジラが現れるかも知れない。)


  トラウマかも。展望レウトランがあったのですが、
  お客様のお昼のリクエストは、神戸牛です。
  どこか、ええとこ、連れていかなあかん。

  「るるぶ」の【神戸’12】によると、

  そういうレストランは、三宮、元町に集中しています。
  写真の肉を見て、おいしそうな順番で、電話。

  予約以外だめ、という「お高くとまっている」
  レストランを除き、最善と思われる店が三宮にあった。
  ただ、

   (高いかも~叫び

  こういうとき、間違えても、


  「高いから、やめますか?」


  なんていうのは


  「貧乏人のお客様には高いぞ。」


  だというような失礼感がある。


  高いか安いかは、お客が決める。
  私ゃ、とてもじゃないが、
  ここのお店で食事をお付き合い
  する身分ではありません。


  I think I'll have my lunch on the 1st floor.
  1階の店で食べますわ。

  まあ、注文だけは、通訳が必要でしょうから、
  とりあえず、席までお付き合い。

  のはずが、


   「大丈夫です。
    英語のできるスタッフばかりですから。」


  だって。

  何と! さすが、国際港、神戸。
  全員、英語がペラペラなのだそうです。
  おひとり、店のマスターが、


   「私だけ、英語しゃべれませんねん。」


   「さよか。」


   「お客様の中で、肉の代わりに、
    鳥肉を注文なさった方がいるんですが・・。」


   「はあ・・」


   「うちは、鳥肉はやっていないんですよ。」


   「え?どうしよ。」


   「でも、もうお受けしましたので、
    私、今から、鳥肉買ってきます。」


   「ええ?悪いなあ。ごめんなさい。
    ちゃんと、電話で確認すればよかった。」


   「いいですよ。また、ご利用下さい。」

   ヾ(@^▽^@)ノ


  そう言って、店長は名刺を下さいました。

 ヾ(@°▽°@)ノ

  山田、1階のスタバで、お昼。
  ホットドックとサンドイッチとコーヒー。
  今のうちに、午後から行く
  予定の場所の地図を確認。

  (えーと、あー行って、こー行って、
   ここを曲がると、南京町
  ・・・
  ほんで、それから、こー行って、こー行って、
  こうやな。異人館は。どこに車とめよか?)


  雨が降り出しました。
  無情の雨。

  傘はあるけど、傘さして、
  南京町異人館を歩くのは、
  面白くねえ。雨のバカ・・・・
  似たCMあったなぁ。


  (‐^▽^‐)o(^▽^)o

  レストランに戻り、お客様をお迎え。

  「How did you enjoy your meal ?」
   どないでした?

  「Good !」
   よかったで!

 ヾ(@°▽°@)ノ
 

  レストランを出たときは、雨はあがっていました。
  高級な神戸牛を召し上がったので、
  雨もびっくりして、あがったのだろうかね。
  ここの神戸牛は、
  六甲の水と無農薬の牧草を食べて育ったという、
  うまそうな牛だぜ~。

  私めも、早く貧乏を脱却して、食べに来なくちゃ。
  
   (目下、貧乏たけなわ)


( ̄▽+ ̄*)


  店を出て、西に、西に。
  スタバで地図を頭にたたき込んできたので、安心。
  ・・・ではなかったぜ。

  途中で、わからなくなったぜ。
  ワイルドだぜ~。あれ~?

  (南京町がなくなった!)

  町が消えたぜ~って、そんなアホな。

  (とりあえず、この辺りなんだが・・・)

  車を止めて、ここから歩くことにした。

  (歩きもって、聞きながら行こう。)という作戦。

  路上パーキング。300円なり。


  ( あ、ラッキーだぜ~。
止めたすぐ目の前に、あったぜ~。)



山田 : Please go ahead.
     That's the gate to the
Nankin China Town.
     お先にどうぞ。あの門がそうです。



  さも、当然のように、ご案内。
  実は、はじめて来た南京町
  いや~、すごい。このエリアは!

 
  中国に来たみたい。
  北京ダックも食べられるで~。



  イカのスミで仕上げた
  真っ黒な豚マンが売られていた。


   ヾ(@^▽^@)ノ


お嬢様 : Yamada-san, What's that ?
     ねえ、これ、何ですのん?


山田 : An cattle fish ink-coated meat bun.
     イカスミの豚マンでっせ。

ヾ(@°▽°@)ノ


   全員一致で、ご試食。
マレーシアには、おまへんのですかねえ。
   伊勢丹かて、マレーシアに
あるゆうてはりましたのやけど。

   ぶーぶー


   午後2時30分。もう、北野に移動しなくっちゃ。


 時計


   中山手3丁目を左折すべきところ、
   うっかり行き過ぎて、布引へ。
   ぐるりと、回ってもとの位置。
   出ました、ゴタ得意の、意味のない一周。

   周遊観光コースでございます。・・・
アイム ソーリー。

  船


   何とか、北野にきたの。

   山本通りで、駐車場に入れ、歩きます。

   ここを左ですから・・・。と言って、間違える。
   同様の間違いを2度。恥ずかしかったぜ。
   ワイルドだろ~。 アイム ソーリー。

   病院

   やっとの思いで、風見鶏の館~チャペル

   ここで、解散。自由行動。
集合場所は、北野観光案内所前。
   出発は午後4時。

   山田、この間に、車をここの下に回送。

   車


   午後4時。みなさん、車に戻られました。
   たくさん、おみやげを買って来られました。

    ヾ(@°▽°@)ノ

奥様: Mr.Yamada, I'd like to go
to the herb garden.
    ハーブ園に行きたいな。


山田: Oh it's possible. By using the rope-way,
    you can go to the garden on top
    of the Nunobiki Mountain.
    You'll have time there on
the top about 20 minutes
    that is the time limit
    because they close the garden at 5:00pm.

    そら、行けますけど、
行っても20分しか見られませんで。
    ハーブ園は、午後5時で 終わりでっさかい。


奥様 : Oh alright.
     ええよ。


  どっちの 「ええよ」 かわかりません。
  「あきらめた。」 ゆうことですやろ。
 
 
山田 : Maybe next time you come
     back to Japan, we'll go.
     また日本来て下さい。
     そのときにまた、行こうね。


  ヾ(@°▽°@)ノ

  次の予定は、「相楽園」

  地図で勉強した通り、行こうとしたが・・・・


  (あ、しまった。一方通行だった。)


  地図には、そこまで、書いてなかった。
  やむを得ん。


  (この辺やけど、曲がってみよ。)


  ありません。消えた花嫁・・・はテレビ。
  こちら、消えた「相楽園」。


  (相楽園やー。返事しなさーい。)


  困ったときは、お題目。(山田は日蓮宗

南無妙法蓮・・・あー、あった。

  お題目は、灯火。三途の川を渡る船。
  船は、相楽園を乗せて、やって来た。

  (これにて、一件落着~~~)

  と、思ったが、駐車場がない。困った。
  どうする?こまどり姉妹の歌うたう場合でもないし。

   ヽ(゚◇゚ )ノ


山田 : Sorry, looks like there
     is no parking lot can be seen.
     Please go by yourelf.
     I'm left in the car. I'm waiting here.
  
     あの、駐車場ないみたいでっさかい、
     待ってますわ。行って来てください。

  
ヾ(@°▽°@)ノ

   ええかげんなガイドだぜ~。
   出て来られたのは、午後5時。
   もう、県公館には行く時間がなくなりました。
   本日はこれまで。


ヾ(@^▽^@)ノ

   県公館はカットしました。
   これにて、帰路に着きます。

   阪神高速・・・・間違えて、
   六甲アイランドに行きかけたが
   交通渋滞のため、進めず
   引き返す。

   これは、渋滞に感謝だぜ。
   助かった。

   魚崎から今度こそ、間違わず、
   阪神高速に上がります。

   よかったぜ~。助かったぜ~。
   と、思ったのも、つかの間。ダダゴミだぜ~~~。


山田 : It's rush hour now,
     all roads are bumper to bumper.
     ラッシュで、どこも渋滞ですわ。


奥様 : It took 20 minutes
     while a go when we came.
     来たときは20分だったけど・・


山田 : 1 hour is my estimated time
      we will consume to go back.
     1時間かかりまっせ。

(;^_^A


  午後6時30分。ホテルに戻りました。
  何とか、30分遅れですみました。
  
  サンキュー。みなさん、にっこりと御挨拶。

  お疲れではないご様子で、ほっとしました。


 ヾ(@^▽^@)ノ

 おしまい
 山田 錦 



最後に、ポートタワーでの1枚を掲載し、ご披露致します。

 
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