第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 27】

2012年  9月20日 (木)


《 岩田山の長い坂道は、山田のおじさんには、無理 》


 午前8時30分  【南海スイスホテルロビー】


コンシェ
ルジュさん : 山田さん、お待たせしました。クリスティナ
        さんが、降りて来られましたよ。


山田    :(誰が~?て、
        うそつけ。待ち望んでいたくせに!)
        
        はい、どうも。


クリス
ティナさん : Good Morning !
        おはようございます


山田    : Good morning, Ms.Christin.
        おはようございます  


ご主人のウィ
リアムさん : Nice to meet you.
        よろしく


山田    : Nice to meet you,too.
        こちらこそ

  
          ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※  


 きょうのお客様は、オーストラリアは、
 メルボルンからお越しの
 ご夫妻です。

 ご主人は、日本は2回目。奥様は、始めての日本です。

 行き先は、すべて、奥様に合わせます。

 名刺を・・・と思ったが、
 持ってくるのを忘れた。あほや。

 ほんまにアホなおっさんや。
 何があほやゆうて、
 きょうも、山田のおっさんは、
 ズボンのベルトしてくるのん忘れよった。

 
  ヽ(゚◇゚ )ノ 


 そういえば、一昨日の案内では、
 通訳ガイドの許可証を持ってくるのを忘れて、
 各施設へのフリーパスの入場に
 支障をきたすドジを奏でた。

 いつも、首にぶら下げているのに、
 その日に限って、ぶら下がっていない。

  (困った。) (°д°;)


  山田青年・・・中年は思った。


  (なにか、ガイドであることを
   証明するものは、ありませんか?)


  山田は、カバンの中を引っかき回して、探した。

  (スーパーのレシート、こんなん、あかん。)
  
  ( 市バスの一日乗車券・・・
    これが目に入らぬか~・・あかん)

  ( 名刺・・・・うーん、これで、いけるかな?)


  そして、名刺を胸にぶら下げた。

 
  タンタンタヌキの金名刺~がブ~ラブラ・・


 何と、これで、清水寺、二条城、金閣寺・・・
 すべて、フリーパス扱いとなった。

 なぜ、そんなモンで、代用できたか?  
 

 名刺は、コクヨの合わせ名人のテンプレート。
 しかも、もっとも、ド派手なデザイン。
 挿入写真は、名刺の1/3のスペース。

 このわけのわからんド派手名刺が、
 こんなに役立つ日が来るなど、
 一体、どこの誰が想像できたででしょう。

 その効果たるや、金閣寺400円、
 二条城600円、清水寺300円、
 合わせてピョコピョコ1300円の大助かり~。


 ただしな。
 あれは、二条城の入り口でのことだ。

 係員が、じーっと、我が胸に懸けたあの、
 ぶらぶらタヌキの名札を食い入るように、
 のぞき込んでいたときには、

 さっすがに、山田も、額から、
 玉のような汗がタラリンコ。

  (お願い、そんなに見つめないで~ドキドキ
 
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※  


 山田観光事務所では、
 お客様のレンタカー借り受けを代行をし、
 山田が無償で運転代行をします。

 その費用の実費を、
 ガイド料金と別に請求します。

 ガイド料金以外は、びた一文も受け取らない、
 という方針で、白タク疑惑を乗り切っております。

 (あんまり、乗り切れていないかもね~。)


  (#⌒∇⌒#)ゞ

 
※※※※※※※※※※※※※※


ご主人  : How much time does
       it take to get to Kyoto ?
       京都まで、時間どれくらいかかります?


山田   : Well,roughly estimated,
       it takes 2 hours with the
       normal route 1, and takes
       1 hour by the express way.
       そうでんな。
       まあおおざっぱですけど、
       ふつうの道で
       2時間、高速で1時間ですわ。


ご主人  : Then, please use the express way !
       ほな、高速でたのんまっさ!

※※※※※※※※※※※※※※※  

  難波から、堺筋北へ。土佐堀通りを東へ。
  内環状線北へ。そして、
  花博通りを東。しばらく行くと、


  やってきました花の第二京阪
  ただし、私ゃ、この道、始めてじゃ~~。


ご主人  : How much does the way cost ?
       料金、なんぼでんねん?


山田   : (知りまへんなあ。)
      
       Well, around 1700 yen.
       せやなあ、1700円くらいですわ。
       
      (ホンマかいな。このおっさんわ!)


    (まあ、ええわ。
     2000円より、超えたら、責任取って、
     出た分、みたるわ~。)

    (何とええかげんな山田のおやじ~) 


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


  さて、気になる高速のお値段は、
  乗った場所から、京田辺までが450円。
  京田辺から巨椋池までが850円。
  そして、阪神高速京都線が450円。
  しめて、1750円なり~。
  お見事、山田のおやじさま~、かなり正解~~桜餅


 ご夫妻のリクエストは、伏見稲荷でございます。
 よって、「上鳥羽」の出口で降ります


 高速は新堀川通りに降ります。旧久世橋通りで東へ。
 ストーンと突き当たり、本町通りまで。

 本町通りを左(左しか行けない。一方通行です。)

 そこから、少し北へ進むと、
 見えて来ましたJRの伏見稲荷駅
 駅の向かいに、伏見稲荷の参道入り口があります。


 よって、そこで、右折。みなさま、
 伏見稲荷へ、お車でお越しの際には  
 お気をつけあそばせ。
 ここは、キープレフトちゃいまんねん。
キープライト
 右側通行でっせ。
 ちょっとだけ、アメリカに来た気分を満喫~・・


  【伏見稲荷


 御鎮座は、711年2月。

 昔、あるお殿様が矢を射ると、
 その矢が、白鳥に変わって、飛んで行き、
 山の頂に止まった。
 そこに稲が生じ、この寺の由来となった。

 と、風土記に書かれています・・・
 正しくは、書かれているそうです。

 確かめたい御仁は「山城国風土記」をみてみましょう。
 きっと、3分後に
 鼻ちょうちん作って、
  寝込んではりますやろなあ。何?
 お前と一緒にすんな?

 すんまへん。


山田  : I'll show you how to pray
      at a shinto shrine.
     
      神社でのお祈り方法はね。

     Two bows, two claps and
     one final bow like this.
    
            こないして、二礼、二拍、一礼しまんねん。



ご夫婦 :Two bows, two claps and
     when do you toss a coin ?
     二礼、二拍なあ・・
     ほんで、いつお賽銭あげますねん?


山田  :Oh, toss it between two
     claps and final bow.
     最後の一礼の前なやあ。


  その場しのぎのええかげんなガイドでも、
  真剣に聞いて下さると、
  罪の意識を感じます。

    「今度から、もうちょっと、
     真面目に、ガイドせななあ。」

  自分に固く誓うゴタ。(ホンマか。このドテカボチャ!)


  ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 

山田 : This is the scean where the movie
     with its title known as
      "Sayuri"depicted beautifully the
     heroin, Sayuri."
     ここなあ、あれですねん。
     「さゆり」ゆう映画のロケ地
     でしてん。

クリス
チナさん :Yes,I know.
      I read the book. It was very beautiful.
      Sayuri ran thruogh the very torii tonnnel.
      Did you watch it, Gota san ?  
      はい、知っていますとも。
      さゆりがこの鳥居のところを
      走っていました。きれいでしたわ。
      山田はんも見はった?


山田   : I'm afraid not.
       それが・・・見たことありません。
       
  
   【教訓】 見たこともないものを、
        さも見たよう言うな。
        恥かくで~~~~。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

  【清水寺

 市営駐車場は満車。
 修学旅行のシーズン中は、観光バスが最優先。

 なぜか。答は、車は、Uターンして帰れるが、
 この道幅の狭いところは、
 大型バスはUターンできません。
 Vターンも、Xターンも、何ターンも出来ない。

 つまり、駐車場に入らないと、行くことも、
 帰ることもできず、立ち往生。

 そういうわけで、おバス様の駐車場です。

 我ら、おバスさまから見れば、
 ザコのような車はどっかへ、行け~、ゆうわけです。
 なもので、どっかへ行きました。

 どっかというと、すぐ先のP。
 ここも、ピーク時は、
 タクシー専用駐車場になるのですが、
 きょうだけは、一般自家用車もOKでした。


 さて、せっかくの清水寺ですが、
 修復中で、奥の院も、阿弥陀堂もありません。

 姿を消しました。と言っても、
 忍術で消えたのではありません・・・・
 いや、もしかしたら、忍術で消えたのかも。
 なにしろ、仏様でっさかい、神通力は無限大。
 
 奥の院手前の舞台から、
 景色を楽しむことが出来ました。


山田 : Look ! there, Do you see the Kyoto tower ?
     あっ! ほら、京都タワーやで,あれ。


ご夫妻: Yeah. Kyoto Station.
     へえ、京都えきやなあ。


山田 : Look ! someone is waving handkachief !
     あ、誰か、ハンカチ振ってる!


ご主人: Where ?
     どこ?


山田 : Sorry、it's a lie.
     うそ。
     (見えるわけないやん!)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 【祇園

  ご夫妻、夕食のお薦め場所をお聞き。

山田  : There's a place where
      you can enjoy meals with
      maiko entatainer sitting beside you.
     ( 舞姑はん横に侍らせて
                  食事するとこ、ありますけど。)


お客様 :Airight. anyway take us now.
                We'll come again later.
     (行ってみて。後でまた、行ってみますわ。)

   
    祇園高台寺参道から、下河原通りへ。
    上がって、八坂神社の手前右。
    「畑中旅館」さんに立ち寄った。
             宿のご主人、仰せに曰く、


   「 きょうは、すんまへんなあ。
               舞姑はんのショーは
     きょうは、ありまへんねん。
               明日やったら、みれまっせ。」


  とりあえず、パンフレットをもらって来た。

  お客様、とても残念そう。
       オーミゼラブル。ミゼラーブル。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


【京都ハンディクラフトセンター】

 毎度、来るたび淋しくなっているお店。
 威容を誇った時代があったのだが。

 JTBのウォーキングツアーのバスが
 ひっきりなしに出入りした時代は終焉を迎えたのか。
 嗚呼淋しき我が人生~・・てか、
 大袈裟なやつめ・・あ、ワテのことでんがな。

 おとなりの、アミタで食事。
 奥様、仰せに、おトイレはいずこなるや。
 ワレ答えていわく、

  「お、お、おまへんがな?! 何でや~~?」

 上の階やろ。上がって見た。

  「あ、ない。ここもあれへんで。
   トイレ。どこ行ってん?こら。」

 結局、おトイレは、一階、もしくは、
 4階でする以外、このビルでは、
 生きる術がない。

 どういうことかというと、
 2階と3階は改修工事中。  
 おヒマなのよ。外国人が来なくなって・・・。

※※※※※※※※※※※※※※※※※

  【二条城】

  最後のコーナー、勅使の間で

ご主人 :Was shogun the king ?
     And you have another king by the
     name of emperor ?
     将軍ゆうたら、王様でっしゃろ?
     ほんで、天皇ゆう王様も
     いはるやんか。


山田  :Social ranking was different between them.
     Emperor was higher in ranking than shogun.
     地位付けがちゃいまんねん。
     天皇が将軍より上です。    


ご主人 :And the shogun had more power than
     the emperor. right ?
     けど、力は将軍の方が
     あったちゅーんやろな?


山田  :Yeah.
     んだ。 


 ぐるりと建物を回れば、
 800畳の畳を見たことになります。

 二の丸御殿出口玄関で、
 ご主人は、靴の紐を結んでいるところ。

 さっさと靴を履きおわった山田。
 ポケと見ています。
 すると、車寄せの係員が、山田の顔を見ています。
 

  ( あれ、まだ見てる。
    いや、まいったな。ボクは、そんな
    見つめられるほど、男前じゃないんだけど。)


 まだ、見ています。


  ( ボクに気があるんだ。
          まあ、可愛い子じゃないか。)

 と、そのとき、こっちにやって来て、


係員 : おたく、シャツの襟が、ゆがんでますわ。
     ネクタイも、もっと
     ちゃんと、しはった方が・・・
     私、したげますわ。


山田 : ・・・・・ハイ・・・・。



【教訓】 汝自身を知れ!




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


  【金閣寺

山田  : This is what you call Kinkakuji,
      gold pavilion with
      a pyramidal roof.
      これでっせ。金閣寺


ご夫妻 : Great.
      Magnificent.
      すっげー。


山田  : Would you like me to push
      the button ? on your camera ?
      ボタン押しまひょか?カメラの?


ご夫妻 : No,Mr.gota. Come over here and join us.
                This time, three of us.
                I'll ask someone to take
     a picture of us.
                いやいや。こっちおいでなはれ。
     今度は3人や。
     ワシ誰かに頼んだげますし。カメラ。


  3人ショット。バックは金閣寺。  
     義満に18人の妾がいて、ボート遊びをしたのだと
  言ったら、


ご主人 : That's a common dream all men hold.
                     男の夢でんなー。


奥様  : Common dream ?
                 lack of common sense,indeed.
                 夢ってか? 狂気の沙汰や。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※

  【嵐山】

  岩田山公園のお猿さんを見たい、といいます。


山田 : They are tremendously mischievous.
                  いたずらだよん。


ご夫妻: Anyway let's go !
     いいってことよ。行くでぇ!  



  しばらく、ついていったが、途中で息切れ。
  
  ( おお、もう私は老いさらばえた。
    友よ、私を見捨てて
    行ってくれたまえ。)


山田 : I think I'll go back to
     the car because I have
                  something to do for your today's dinner.
     ( 夜のお食事場所調べようと思うんです。先に
      バスに戻ってます。)


ご夫妻: No, no, that's not necessary. Why don't you join
               us, Yamada san ?
    (いいから、一緒に行きましょうよ。)


山田  : To tell the truth, I got completly exhausted.
      (ほんまは、ヘトヘトでんねん。)


ご主人 : Alright then.
              I'll call you when we get down there.
             Can you come to the entrance ?
             (オッケー。降りたら電話すっさかい、
             入り口のとこまで、車もって来て。


   入り口周辺は、狭い道です。
   ここに車をもって来たゴタ、Uターン
   で、向きを変えておこうと思い、方向転換。

   バックオーライ。ひとりで、点呼。
 
   オーライ。オーライ・・・
   
     ガッシャ

  (え?何や、何や。)

 
   車から降りてみた。
       すると、後ろに、カラーコーンが置いてあった。
   
  (そんなん、どうでもええわ。車は無事か?)

   一応、無事のようである。

   
  カラーコーンのほうは、ぶつける前からボロボロ
  だったので問題はないと思ったが、いちおう
   「すんません」のひとことがいると思ったが、
  持ち主不明につき、心の中で「ごめんねー」 。
   

  私は、よく、

  「あんた、そそっかしいわ。」

  と言われる。
  自分では、気づいていない癖は7つあるといいます。
  なくて、七癖。

     ヾ(@^▽^@)ノ      

   お客様のお戻り~。


山田  : Welcome back.
      ようお戻り。


ご主人  : We saw the monkeys.
       Far from mischievous, they are
      aggressive.
      お猿さん、ありゃ、あんた、
                   いたずらっちゅーような
      モンちゃいまっせ。闘争むきだしや。   


   みなさん、岩田山のお猿さんには、気をつけましょう。
   女性の方はハンドバックにお気をつけ下さい。
   山田は、車のバックにお気をつけ下さい。


※※※※※※※※※※※※※※※※※

 【お別れ】

 きょうのツアーは、京都でドロップアウト
 お別れ場所は、先斗町・・・・のはずが、
 なかなか、車を止めるところがない。

 
 (ほんまに、駐車違反ばっかりや。
  取り締まれ~いや、うそ。
  そんなんされたら、こっちも困る。)


 とうとう、四条大橋の上で車を止めます。

 車内で精算。

  ガイド料金、レンタル料金、
  ガス、合計 35000円
  立て替え金、4500円、 
  総合計 39500円なり~。


 ( あ、500円もろた思うてるやろ?
   はい正解。でへっ。いただきました。
  ありがとうございました。お疲れ様でした。)

ツアー客なら、離団書を書いてもらうところ。個人客の利点は、

 ① いつでも
 ② どこでも
 ③ Call it a day ! 終われまっせ~。

というわけで、帰路は寂しくひとり旅。
ロンサムロードの山田 錦でした。

   ヾ(@^▽^@)ノ

  午後7時大阪淀屋橋に戻り、車を返却。
  午後8時帰宅。
 
   
   おしまい
   山田 錦


 

AD