第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 41】

2013年  2月26日 (火)

【ナイトツアー 京都編】


 とし結(ゆい) ・・・ 
   そういう名前の舞妓さんでした。
   初めて、舞妓さんと同席しました。
 
   これは、私の生活範囲では、
   通常、考えられないことです。
 だって、舞妓さんを呼べば、2時間で
 50000円もするのですよ。
    私の生活レベルでは考えられない。

 なので、きょうは、
    貴重な体験をさせていただきました。

 
 【京阪電車】 午前11時。
        電車の中で、携帯が鳴ります。
        京都に向かう途中でした。

 ホテルオークラから、8人の外国のお客様を、
 ジャンボタクシーで、案内せよと、
 連絡が入ったのですが、どうも、
 私、山田をタクシードライバーと勘違いしての電話
 だったようです。


山田  : じゃ、すぐ参りますので、ホテル様のほうで、
       ジャンボタクシーを手配しておいて
       いただけますか?


ホテル : え? どういうことですか?
      他のタクシーを頼むのでしたら、じゃ、もうゴタさん
      のほうは、もういいですか?

 
   なにしろ、電車の中だったので、

   「またあとでお電話いたします。」

   と言って切った。

   が、

   電話の切れ目が縁の切れ目。
   ホテルは、よそのタクシーを手配して、


    はい、それまでよ~。


   京都へは、もともと、京都駅八条口
   トヨタレンタカー営業所との
   ビジネス契約に行くところでしたので、
   このキャンセルは、痛手ではなかったのですが、

   オークラさんともあろうホテルが、
   通訳ガイドの存在を知らないなんて!

   (ゴタをタクシードライバーだと思っている。)

   京都のトヨタレンタカーの店舗で、ビジネス契約の
   契約書を渡して、手続き完了。あとは、審査待ち。


   山田観光ガイド事務所の社長は、私の父がなっています。

   つまり、代表者は、山田文の助。
   現場担当者が私、山田 錦。
   親子なので、どっちが、どっちでも、ええねんけど。

   とにかく、やっと見つけた14人乗りのワゴン。
   これは、山田事務所の案内では、とても重宝するのです。

   さて、トヨタレンタカーの用事は終わり。
   オークラに行ってみた。


   きょうこそ、はっきり、ご説明申し上げる。


          
   「私はタクシードライバーじゃなくて、
    観光ガイドなんですけど。
    通訳ガイドっていいまして、
    英語で観光案内をするフリーランスのガイドです。」


  
   で、ホテルに行って、わかりやすく
   説明したつもりだったが、
   依然として、コンシェルジュのお姉さま、
   きょとんとしていらっしゃる。


    (こりゃ、あかんわ。もう、降参。
     ここのホテルに呼ばれたら、
     ボクは、タクシー運転手。)


コンシェ
ルジュさん :  それで、山田さんは、どちらのタクシーさんですか?



山田    :  私はフリーのガイドです。個人で経営する事業主です。


コンシェ
ルジュさん :  ああ、わかりました。個人タクシーさんなんですね?


     (もうどうでもええ。説明、疲れた。好きにして。)


  都そばの立ち食いで、うどんと寿司を食べて
  帰りの電車に乗りました。


  【午後3時。京阪電車


  帰る電車の中で、携帯。プルルン プルルン


山田     : はい。


電話     : ゲストリレーションズの秋山です。
        きょうの夜って、
        ガイドをお願いできますでしょうか?


山田    : ああ、ナイトツアーですね。
         はい、お受けいたしますよ。

東急ホテル
コンシェ
ルジュさん  : 午後6時30分から約2時間の案内で、
         料金はおいくらになりますか?


山田    : 4時間までは、13000円です。


コンシェ
ルジュさん  :  でも2時間でいいのです。
        何とか、安くなりません?


山田    : では、8000円でいかがです?



 o(^▽^)o


  山田錦、初めてのナイト・ツアーです。
       お座敷のガイドは、GICSSのDVD研修で、
  通り一遍の学習はしていますが、
  まさしくこれが初めて。

  ホテルの方でも、ちょっと、心配だったらしく、
      支配人の森野石杉さんが、山田に面談。

ヽ(゚◇゚ )ノ


森野さん : そうですか。はじめてなんですね。大丈夫かな。


山田   : もちろん、大丈夫ですよ。
                      私は、まるで酒は飲めませんから、
         お酒の失敗はありえないことです。
                      ウーロン茶で、2時間過ごせます。大丈夫。


森野   : まあ、あなたなら、任せても大丈夫でしょう。


山田  : はい。初めてと言いましても、
                   添乗員の経験も豊富(うそやで)ですし。
      (歯が浮いたで)


森野  : では、よろしくお願いします。


山田  : わかりました。



 【木屋町姉小路さがる】  ここは、料亭「浜ちょう」

  
  ゴタ、ちょっぴり、うろたえながら、料亭の前で、
      行ったり来たり。そこへ、
   舞妓さんが登場。


舞妓さん : おまっとうさんどす。
       よろしゅうおたのもうします。


山田  :  (^∇^)  あ、はい、よろしくお願いします。
       あの、まだ、ご依頼のお客様がお見えでないので
                      私はもうしばらく、玄関で
       お待ちしますので、お姉さんは、
                      どうぞ、先に上がっていて下さい。


舞妓さん : へえ、ほな、すんません。かんにんどっせ。

    
    5分後、高瀬橋を渡って、
    やってくるカップルをみやりました。


奥様  : Hello ! Mr. Yamada ?
      どうも! 山田さんですよね?

山田  : Yes,I am. Good evening, Mrs.・・・・
      へえ、そうどす。おばんでやす。

奥様  : Carrie.
      ケリーです。


山田  : ケリーさん!


ご主人 : Hello, Mr.Gota.
      どうも、ゴタはん。


山田  : Nice seeing you !
      よろしく。

     Well, anyway,let's go in !
     まあ、とりあえず、入りましょう。

  ヾ(@^▽^@)ノ


 ご主人のジムさんは、外科医。
 東南アジアを廻りながら、
  難病患者の執刀をされています。
  国際的名医。
 今回、日本には、純粋に観光でお見えです。

  でもさすがに、豪快。昨夜(25日)、
  先斗町を散策しているとき、舞妓さんを見かけ、
  どうしても、彼女たちの生態系に関心があった
  とのことで、舞妓さんをご所望。

 食事は、ご主人が適当に見繕われ、
 いよいよお酒の注文になりました。


(‐^▽^‐)


ご主人 : What's the daiginjou ?
      大吟醸って、何ですのや?


山田  : It's a premium sake. 
                   Would you like to order it ?
      日本酒の最高級品ですわ。
      頼みまひょか?


ご主人 : Yes, please.     
      そうでんな、頼みましょ。

ヾ(@^▽^@)ノ
  
    
   お店の方がおちょこを4つ持って来ましたが、
          私は、丁寧にお断り。仕事中や。
   何? 舞妓はんは、飲むのが仕事や。
          お猪口は、3つでええのどす。

   さっそく、舞妓さんが、徳利をもって、お酌。

   その様子を見ていたお店の方が、すっ飛んできた。


    「ガイドさん、あんた、
     ちゃんと教えたげな。
     お杓を受けるお猪口は、
     手に持ってしますのや。」


山田  : The way you receive the sake is
                   to hold the cup by the hand like this.
     こないして、お酌受けるときは、
                  お猪口を手にもちますねん。


ご夫婦 : Oh, like this ?
      こないでっか?


山田  : Perfect.
                      バッチリでっせ。

(´0ノ`*)     
  
   
   京都市内の芸舞妓は
   年々そのなり手が減少しています。
        ご夫婦も、それを懸念しておられます。


ご主人  : What's the difference
       between maiko and geiko ?
       舞妓はんと芸姑はんって、
       どうちゃいまんのや?


とし結はん: へえ、そうどすなあ。舞妓は、
                         芸姑になる前段階の修行の身どす。
       Well, maiko is someone
        on the way to be a geiko.


奥様   : And what is the geisha ?
       ほな、芸者はんは?


とし結はん:   京都以外では、
       みな芸者ゆうて呼ばれとります。
       芸者には、誰でも、次の日からなれなす。
                      けど、京都で、芸姑になるには、舞妓を5年以上
         務めあげななられへんのどす。

       You can be a geisha anytime
                      if you'd like to be in other
                      place than in Kyoto.  
         But here in Kyoto, you need
                      at least 5- year apprentice as a maiko.

       舞妓は、それに、お稽古事がおまっしゃろ。
       舞もそうどすけど三味線とか、
                       お花や、お茶とか。

       Besides dancing maiko has a
                     tremendous lot to learn
       such as shamisen guitar
                     flower arrangement and tea ceremony.


 こうした会話が延々と続きました。
    そもそもがこう言うことが知りたくて、
  今回の運びとなったのでした。

  とし結さんの置屋では、舞妓さんが、現在8名います。
    今夜も、みな、それぞれ、お座敷に呼ばれています。   

(*^▽^*)

  料理が半ば進んだとき

山田    : テレビで見たんですけど、金比羅船船・・・


とし結はん : ああ、そら、よろしおますなあ。
        簡単なゲームどす。
                         まっとおくれやす。


    とし結さんは、店の方に茶碗を借りました。
    その茶碗をテーブルの真ん中に置き、

    歌いながら、交互に伏せた茶碗の上に、
              手のひらをのせては、引っ込めます。

    金比羅船船~シュラシュシュッシュー

    お椀を取ったら、手のひらではなく、
    握りこぶしを置きます。
    間違えて、手のひらを置くと負け。

    こうして楽しいひとときは過ぎてゆきました。

    そして、2階に移動して、
        (地方さんはいないので、CDの音楽で)
    とし結さんの舞をご披露。


    月はおぼろに東山~≧(´▽`)≦

    エレガントどっせ。

    

    山田 錦