第8教室:『ペルル嬢』(フランス語学習)『テレーズ・ラカン』(英語学習)

ドーデの『金の脳みそを持った男』もここで学習しました.

山田 錦の【通訳ガイド日記 84】

2013年8月31日(土)その1



  きょうは、木曜日に案内した、
  イグナシオ様ご夫婦の案内。

  行き先は、神戸~大阪。

  神戸は、

  灘酒造の見学(菊正宗or白鶴 )~ 
  メリケン波止場 ~ポートタワー~
  南京町~食事(神戸牛・吉祥吉)~
  異人館阪神高速大阪城
  ホテル送り 

  ヾ(@°▽°@)ノ

 結局、今回も、菊正宗に行きました。 

 お客様は、サントリー山崎にも、行きたいと
 おっしゃいますが、残念ながら、
 ここは、数日前から、
 予約を入れておかないと、だめ。

 館内ツアーを組んでいますので。



 それに・・・思い出したが・・・
 ここは、「語学力」がかなり求められる。
 同時通訳に自信がないと、
 やめておいた方が、身のためだ。 

 山田の如き、言うに及ばず、
 ここではハエのような存在だ。
 やかましい。うっとうしい。
 じゃまで目障り・・・
 まあ、ハエたたきで叩かれないだけ、
 まだ、よい。


  「さあ、神戸に向けて、出発ー!」

 と、そのとき、イグナシオの旦那(ベインさん)


ベインさん : Mr.Yamada,
        We haven't had breakfast yet.
        Can we stop over a good restaurant ?
                山田はん。わっしらは、
        まだ朝飯食うとらへんのや。
        どっか寄ってくれへんか?


アンジェラ
さん(奥様): Look. Yes, here.
           ほら、ここ。


 奥様が取り出したるものは、
   旅行専門雑誌のあるページ。

  そこには、
 黒門市場で、買った鮮魚を料理して、
  食べさせてくれる店が紹介されています。

 見出しには、

  「海外からの旅行者に大人気」

  と謳われています。

 大阪で、  fish market 

  と外国人にたずねられると、
  この黒門市場になります。

 中央卸売市場に、
   連れて行ったら、大叱られしまっせ。

 黒門市場で、鮮魚の朝食? わけわかんない。 


 「ええやん。どこで、何を食べようと。
      わてが、食べるんちゃいまんがな。」


 と思えば、心も軽やか。

 客が連れて行け、といやあ、連れて行く。
   それが、ガイドの仕事。

 そのページを見て、電話。
   門市場の本通りで、千日前から、
 三筋、南に下がったところ、東側。
   ここに、

   「黒門三平」

   という店があり、お客が買った
 鮮魚をその場で捌いて、だしてくれる。

 入ってみると、


  「何や、中国人ばっかしやん。」

 ニーハオ ニーメンハオ トィ プトィ、


 そげな言葉ば、行き交うとる店でごわす。

 我らがイグナシオ夫妻、
 仲良く一つのカゴを持ち合って、お買い物。

 見ていると、何と!

 高いもんばっかり、カゴに入れてるやん。
 大トロやで。3800円やで。
 平気で入れてるで。ビビるゴタ。

 約10分後、山田どんも、どうぞ、
 と言われ、席に着いた山田。

 目の前には、
 海鮮丼が、運ばれて来て、
 一つづつ置かれました。

 めっちゃ、豪華やで。海鮮親子丼。
 いくらがたっぷり。鮭がたっぷり。

   
  「 こんなん、朝から
          食べんのん?フィリピンって?」


 そういえば、先日は、「はり重」で、
 その前は、「神戸牛」で、もう、みんな、すげ。
 
 ゲーップ、となったところで、神戸へ。


   【菊正宗】

 毎度おなじみ、菊正宗記念館でございます。
 きょうは、来る道を間違えて、
 (何で間違えんねん。いつも来てるっちゅーのに。)
  (だって、山田なんだもん。)

 ちなみに、菊正宗記念館は、大阪からだと、
 阪神高速、「魚崎」で降りて、
   すぐの川沿いの道を左折。

 次に右に見える橋を渡れば、
   渡ってすぐ、右手にあります。
   
 ただし、それは、今だから言えること。
 昨日の山田は、ぐるり、ぐるりと、周回して、
 反対方向からやってきました。

   
   ヾ(@°▽°@)ノ


 記念館に来ると、ほぼ、100%、
 みなさま、門のところで、お写真。
 写すお手伝いをするのは、誰? 
 ガイドがしますねん。
 前回のように、ツアーに、別のクルーが
 いるときは、解放されるが、
 たいていは、ガイド業には、
 お写真お手伝い業がついて回る。

  
 が、友よ、嘆くな。
 これが、最後に、実を結ぶときが来る。
 冬は必ず、春となる。 

 どんな実を結ぶってか? 3000円、
 チップをもらったぜよ。ドキドキ


 受付で、館内ガイドをお願いします。
 これは、まんがよければ、来てもらえるし、
 まんが悪いと、自分らで、
 見なはれ、といことになります。

 ただし、ちゃんと、
 事前予約しておけば、そして、
 その時間にちゃんと行ったら、
 ガイドを付けてくれます。


 運良く、主任クラスのえらいさん直々のご案内となった。
 でも、10分ほど、待ってくれと言います。
 いややん。待ってる10分間で、
 ちょうど、見終われる酒造りの英語の
 ビデオがあるから、見てみるか、いいはります。オッケー。

 お客様は、10分間のビデオを見ます。
 ゴタは、10分間の休憩時間。

 (よっしゃ、この間に、アイスクリーム食べてこ。)

 ビデオが終わり、案内係のおじさんが
   やって来てくれました。

   ヾ(@^▽^@)ノ 


おじさん  : これが、酒の原料となる山田錦です。

山田
(山田もおじさん): Sake is made from these materials,
           rice called " Yamada-Nishiki".


おじさん   : 左から40%、60%、80%・・・
                          それぞれ、磨き上げた米です。


山田     : From left, 40%,, 60%, 80% ・・・
                        They polish rice to
         respective degree.


おじさん   : ほいで、これと
         この米が酒になりまんねん。
              

山田     : Among them, these two
           are used to make Sake.


おじさん     : then let's go to the next room.


山田      : あ、英語やん。すごーい。


おじさん     : あ、あほう。 からこうたら、あかん。
           え、ほな、こっち来てもろて。

山田      : Please come over here.


ベインさん    : Oh, big barrel !
                             Is there sake inside ?
                             おお、でっけえ! 
                             酒が入ってまんのか?


おじさん    : これな。酒と違うて、
                            水を運んでましたんや。


山田      : This was used for carrying water.
                            水を運ぶんやて。


ベインさん   : Oh that's what I thought.
           ああ、そや思うてましてん。


山田     : (ホンマかいな、このおっさん。)
                        Oh, you guessed right !
         正解でしたな。

 
  
  説明はこのあと、約15分続きました。   
  館内を一巡して、
  最後のホールは、酒の試飲コーナーです。
  カウンターで頂きます。。


カウン
ター嬢 :(嬢ちゃうけどな。お嬢にしとったるわ。) 
                 どうぞ、こちらへ。


山田  : Oh let's go there.
      She prepared your sake there.
                 あ、お酒用意してくれはったで。
                 行きまひょ。


カウン
ター嬢 : こっちのカップ
                殺菌処理前の原酒を入れました。
                どうぞ。


山田  : Please take this one.
                  It's a raw sake fresh from wrung up.
                 原酒やねんて。飲みまひょ。


ベイン
さん  : Good taste indeed.
       うんめー。
         

カウン
ター嬢 : まだ加熱殺菌してない酒やから、
                市販の酒よりおいしいんです。


山田  : Because this one is before heating
                  sterilization it tastes better than
                  those that are publicly sold.


ベイン
さん  :  Oh, I'll buy this sake.
      この酒、買います。


山田  :(だから、売ってないっちゅーねん!) 
                 Sorry they don't sell this.
                 あいにくです。非売品です。  
  

(;^ω^A


 山田は、酒がわからないのですが、
   この原酒はすごい、おいしい酒のようで、
 となりにあった「大吟醸」よりも、おいしいらしい。

 お客様、たくさんお酒をおみやげにお買い求め。
   そんなに買ったら、重さ制限
  ( エコノミークラスは手荷物の重さが、たぶん20kgまで)
   にかかる旨をご忠告したら、


奥様の
アンジェ
ラさん  : That's Okay.
       ええねん。大丈夫や。


  ま、まさか、
  ビジネスクラス(重さ制限30kg)で帰るの?     

    ( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚   
  
  たくさんのお酒を車に積み込みます。


山田   : I wonder if our car gets drunk with
                 so much sake in the rear trunk.
                 こんなに酒を積んだら、車が酔っぱらうかも。


アンジェ
ラさん  : Bem is already drunk.
       もう、うちの主人酔っぱらってますけど。



   酔っぱらい運転はいけませ~ん


    【ポートタワー】


 「はとば」 とは何か?

 ハトがいる場所?
  
 いや、カモメがいる場所だ。

 そして、ここは、メリケン波止場

 ここは、居留地の近く。
 メリケンとは、アメリケン(American)という言葉を
 初めて聞いた日本人が、
 メリケンと名付けた波止場。
 ポートタワーはメリケン波止場にあります。

  
 山田 : 大人2枚。領収書を下さい。
      名前は、モレリアツアーです。


 窓口 : ああ、旅行会社さんね。
     アールが出ますよ。


  アールとは、何か?
  それは、送客すれば、
  いただけるありがた~~いお金のこと。
  業界用語で、R という。

  なぜ、R というか?

  リベートの頭文字なのだ。

  rebate(払い戻し)の R でっせ。 



  送客とは何か?

  普通、団体客をおみやげ売り場などの施設に
  送り込むことであるが、個人客でも
  送客数に数えてくれる場所がある。
  そのひとつがここ、神戸ポートタワーである。

  
  パンフレットに引率者という
  スタンプを押してもらいます。
  それが、ガイドの入場券になります

おとめ座

エレベー
ター嬢  : どうぞ、こちらへ。


山田   : あ、エレベーターや。乗ろ。
       Let's ride on the elevator.


  エレベーターが上がっていきます。
  赤い鉄骨の隙間から海が見えます。

  こっこは、海の見える~ 
  ポートタワー ランララ~ カラオケ

         
     船


   【展望台】


アンジェ
ラさん : Yamada san, what's that building
      with rose window on its middle ?
      山田はん、あの建物、何ですやろ。
      真ん中に丸い窓がある、あれ。


山田  :  It's a hotel.
      ホテルです。



  と説明し、こそっと、売店のおばさんに、
      聞いてみた。そしたら、結婚式場なんだって。



山田 : Err Ms. Angela, That hotel was
             converted recently to a wedding hall.
             うー、あー、まーその、アンジェラさん、
             あのホテルさあ、最近、結婚式場
       になったんだって。   
       

アンジェラさん: Oh, really ? Wonderful.
                           えー、そうなの?すてきね。



  アンジェラ奥様、愛の鍵を発見。
      約10段に張られたワイヤーロープに、
  錠前が、たくさん吊されているのを発見。
     その数、およそ5,600個。

  年間、このタワーを訪れる40万人の
     人の目に触れられます。

  この鍵に、
  永久の愛を誓って書き込みをします。

  アンジェラさんも、

   「やってみたい。」、

  とおっしゃいます。
  
  さっきの売店で聞いてみた。
     600円で売っているとのこと。

  アンジェラさんは、600円出して、鍵をゲット。
     売店のおばさんが、カラーペンを
  貸してくれました。


  LOVE  FOREVER,  BEM AND ANGELA AUG 31 2013  
      
  ふたりの愛に鍵かけて、いつまでも一緒に、
     ということでんな。結構、結構。


    
     【南京町

  南京町に向かいます。神戸牛の店に入ります。
 

    「 何か、さっき
      食べたばかりのようだけどなあ。」

 
  ご夫妻、是非、山田も同席せよと、言います。
 

山田 : I'll help your order.
                But, your order is over,
                I'll go out and wait for you outside.
     注文だけ手伝いますわ。外で待ってますし。

    (`・ω・´)ゞ


  2回目は、
  
    「 そんなこと言わず、
      山田はんも、一緒にどうぞ。」


・・・・・とは、言われなかった。
 
  な ので、注文終了後、外へ出て行きます。


    「ああ、誰も誘ってくれなかった。」 


            「ああ、私は孤独だ。」

        
   悩める山田は店から出て行ったのであります。

       
  南京町は、元町商店街のすぐ南。
  100歩と離れていない関係。

    
   「 ほな、ここで、
    ざるそばでもすすーたろか。」


     山田の昼食は、ざるそば定食になりました。

   
   
   続く
   山田 錦